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FIIOが“アナログ・カセットプレーヤー”開発。『復刻シリーズ』第1弾

東京駅の隣にあるステーションコンファレンス東京

フジヤエービックによるイベント「冬のヘッドフォン祭 mini 2024」が10日、東京・丸の内のステーションコンファレンス東京で開催。事前登録は不要で、だれでも入場できる。各社が新モデルや開発中の試作機などを展示。ここではエミライのブースをレポートする。

ポータブル・アナログカセットプレーヤー「CP13」

FIIOの新製品として最も注目を集めているのは、なんとポータブル・アナログカセットプレーヤー「CP13」。FIIO製品の新たなるカテゴリとして、レトロでありながらも新しいデザインコンセプトを持たせた『復刻シリーズ』の第1弾と位置づけられている。

懐かしさだけでなく品質も追求。現在では希少となったサプライチェーンと協力し、試行錯誤を繰り返して作り出したという。今春発売で、価格は未定。海外で予価は税別99.99ドル。

直径30.4mm、厚さ4mmの超大型純銅製フライホイールをカスタムメイドしており、これによりジッターを大幅に低減。 4.2V電源の高電圧駆動モーターを使用し、一般的な1.8V電源よりもテープ走行の安定性を向上させたという。

テープを読み取る磁気ヘッドは左右チャンネルの差を限りなく少なくするため、より差の少ないヘッドを厳密に選定して採用。磁気ヘッドカバーは通常よりも厚みがあり、外部干渉や耐摩耗性を向上させた。

ヘッド構造はバランス回路設計を採用しており、安定した信号伝送、高S/N比、低歪みを実現。磁気ヘッドから信号増幅まで完全なアナログ回路で構成し、00%ピュアなアナログ音質を再現したという。

キング・オブ・オペアンプの銘機を再現したオペアンプ「JRC5532」をフルアナログ回路処理で採用。オールアルミニウム合金のダブルカラーケースや、アナログボリュームポテンショメータも装備。リチウム電池電源で13時間の再生が可能。デュアルモード電源設計となっている。

DAPの新製品は「M23」

M23は、FIIO DAPの中核モデルであるM11 Plusシリーズの最新世代。DACにAKM製フラッグシップ・セパレートシステム「AK4499EX+AK4191EQ」を採用。アンプにはTHX特許技術アンプ「AAA-78」を搭載している。PCM 384kHz/32bit、DSD 256まで対応。

DAPの新製品「M23」

Qualcomm製8コアSoC「Snapdragon 660」も搭載。ヘッドフォン出力は3.5mm/4.4mmと、4.4mmバランスライン出力も可能。BluetoothはSBC/AAC/LDACの送受信に対応。家でPCなどと接続して使用するための「DESKTOP MODE」も新たに実装。最大1Wの大出力も可能になっている。今春発売で、価格は未定。海外での予価は税別699ドル。

「KA11」は、USBスティック型DAC、KAシリーズの最新エントリーモデル。DACにCirrus Logic製の「CS43131」を採用し、PCM 384kHz/32bit、DSD 256の再生に対応する。

KA11のホワイト

今春発売で、価格は未定。海外での予価は税別29.99ドルと安価だが、170mWの高出力を実現。「UAC2.0」と「UAC1.0」の2つのモードに対応し、ゲーム機との接続も想定している。端子はUSB-Cで、カラーはブラックとホワイトの2色展開予定。

「KA17」は、FIIOのスティック型DAC/ヘッドフォンアンプ「KAシリーズ」の最上位となる。

KA17

ESS製ハイエンドDACチップ「ES9069」をデュアル構成で採用し、「THX AAA-78」ヘッドフォンアンプと、USB-C外部給電によるデスクトップモードで最大出力650mWを発揮する。今冬発売で、価格は未定。海外での予価は税別149.99ドル。

XMOS XU316レシーバーチップによってPCM 768kHz/32bit、DSD 512に対応。ヘッドフォン出力は4.4mmバランス、3.5mmアンバランスを搭載。3.5mm端子はS/PIDF出力にも対応する(アナログ出力と排他)。

通常再生時に使用するUSB-Cに加え、側面にデスクトップモード給電用のUSB-Cポートも装備する。本体には0.91インチドットマトリックスディスプレイを備え、ステータスを表示。ボリューム調整、インラインコントロールなどの複数のハードウェアボタンを備えている。

デスクトップオーディオの「R9」が、今回のイベントにも登場。「R7」の機能性やコンセプトは踏襲しつつ、音質の更なる向上や新たな拡張性を追求した「Rシリーズ」最上位モデルとなる。今冬発売で、価格は未定。海外での予価は税別1,499ドル。

デスクトップオーディオの「R9」

DACには「ESS9038PRO」を2基搭載、アンプは「THX AAA-788+」を搭載し、K9ProESS以上の大出力を実現。アルミ合金+鏡面仕上げの筐体に、RGBライトバーを配置しており、デスクトップを演出する機能もある。

DAC/ヘッドフォンアンプ/プリアンプ/Bluetooth送受信/デジタルオーディオプレーヤーなどの機能を1台に詰め込んだ。

有線イヤフォンのフラッグシップシリーズ「ONYX(オニキス)」

Noble Audio

Noble Audioからは、新たな有線イヤフォンのフラッグシップシリーズ「ONYX(オニキス)」が登場。ダイナミック、BA、静電型、骨伝導といった異なる4種のドライバーと、5ウェイの精密なクロスオーバー設計を組みわせ、「渾然一体を全身で体感するような新たな表現に到達した」という。今春発売で、価格は未定。海外での予価は税別3,499ドル。

低域用には特注仕様の10mmダイナミックドライバーを採用。余分な中高域成分を抑え低域を最大限に引き出すというアンテチャンバーも搭載。中高域用にはBAを4基備え、高域用のアンテチャンバーには太いチューブを採用する事で、音の減衰を極限まで抑制。

高域用にはSonion製の静電型ドライバーを2基搭載。70kHzに達する超高域の再生が可能。超高域のサポート用として骨伝導型ドライバーを備え、鼓膜の振動だけでは得ることが難しい超高域の豊かなディテールを表現したという。

ONYXのケーブルはELETECHが手掛けている

さらにNoble Audioから、MEMSドライバーを採用した有線イヤフォン「XM-1」が参考出品。

MEMSドライバーを採用した有線イヤフォン「XM-1」

xMEMS製「Cowell」MEMSドライバーと、「Aptos」専用アンプを搭載し、専用USB DAC内蔵イヤホンケーブルによって、専用のアンプを別途必要としない有線イヤフォンとなる。

MEMSドライバーだけでなく、8.3mm径ダイナミック・ドライバーも搭載。ダイナミック型が体温を担当し、MEMSドライバーによるクリアな中高音と組みわあせている。今冬発売で、価格は未定。海外での予価は税別699ドル。

“Wizard”ことジョン・モールトンが音質チューニングを担当。筐体には、ステンレス製ノズルとワックスガードを備えたアルミニウム製シェルを使っている。

4ピンのIEMコネクターを採用。USB DAC内蔵のアクティブUSB-Cプラグを備え、アルミニウム製パーツにより高い精度でのフィッティングを実現したという高品質ケーブルを採用。スマートフォンやUSB-Cポートを持つデバイスとの接続を想定しているが、仕様上、Astell & Kern製デジタルオーディオプレーヤーとは互換性が無いという。製品にはLightning - USB-Cアダプターを同梱する。

USB DAC内蔵のアクティブUSB-Cプラグを備えている