ニュース

XREAL、シリーズ最上位ARグラス「Air 2 Ultra」国内初披露。予約殺到で出荷は延期

「XREAL Air 2 Ultra」

日本XREALは3月19日、開発者向けと位置づけるメガネ型ディスプレイ最上位モデル「XREAL Air 2 Ultra」を日本初公開した。現在予約を受け付けており、価格は99,800円。当初は3月31日までに出荷開始としていたが、世界的に注文が殺到しているといい、予定を延期し、5月末から順次発送する。

XREAL Air 2 Ultraは、1月のCES 2024で発表されたXREAL Air 2シリーズ最上位モデル。6DoFやハンドトラッキング、ヘッドトラッキングに対応する。開発者向けと位置づけているが、一般ユーザーでも購入できる。

世界的に予約注文が多いため、出荷時期が延期された

当初は3月31日まで出荷開始予定とされていたが、世界的に予約注文が多く、製品供給が追いつかないため、3月31日までに注文した人の製品は5月末まで出荷を延期し、一斉発送。4月以降に予約した場合は、5月末以降に順次発送する。

予約した人にプレゼントされるXREAL製空間マーカー
マーカー中央部分が動かせるようになっている。CES 2024と同じ内容で行なわれたデモでは、マーカーの操作に連動してARグラス内の表示が変化していった

延期に伴い、予約したユーザーには別売りを予定しているXREAL製空間マーカー(3種)を無料でプレゼントする。「開発者には必要なアクセサリ」とのことで、一般ユーザーの場合も、CES 2024の展示内容を、この空間マーカーで体験できるとのこと。

メガネの前面、左右のレンズ横に小型センサーを内蔵する

メガネの前部、左右2箇所に小型の3D環境センサーを搭載し、精密なハンドトラッキングを実現した。このデュアル3D環境光センサーは18度下向きに設置されているため、手を大きく上げることなく操作が可能。実際に試してみても、机の上に手を置いた状態でも認識された。

そのほか環境認識機能として、デプスメッシュ、空間アンカー、平面検出、画像追跡が利用できる。

ソニー製のOLED(有機EL)マイクロディスプレイや独自の光学エンジンを採用し、両眼でフルHDの高精細な視聴が可能。視野角は52度で、最大120Hzの高リフレッシュレートと500nitのピーク輝度も実現している。

既発売の「XREAL Air 2 Pro」と同じく電子式の調光機能を搭載。本体に備えたボタンを操作することで、レンズ部分の明るさを3段階で調整でき、屋内外で使用できるという。

フレームにはチタンを採用

人間工学に基づいたデザインを採用しており、フレームはARグラスでは初というチタン製。チタンフレームを採用することで頑丈さや軽さなどを両立した。

重さは約80gだが、フレーム部とテンプル部の重量配分が5:5のため、「かけてみると80gとは思えない軽さ(日本Xrealプロダクトマネージャー・高天夫氏)」だという。

S/M/Lのゼロプレッシャーノーズパッド、3段階の調整ができるテンプル、取り外し可能な処方型インサートレンズを備える。

他シリーズと同様、USB Type-Cケーブルでデバイスと有線接続して使用でき、WindowsやMac、iPhone、iPadなどUSB-Cビデオ出力を備えたデバイスと連携可能。ケーブルはテンプルの先端部分に接続する。

そのほか別売りアクセサリを使えばHDMI出力デバイスとも接続できる。

外形寸法は48×148.5×161.5mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約80g。USB Type-Cケーブルや眼鏡クリーナー、専用ケースなどが付属する。

体験会ではXREALのARグラスをファッションアイテムに見立てたショーも行なわれ、XREAL Air 2 Ultraをサングラスのようにかけたモデルたちが、ランウェイを練り歩いたほか、2023年の調査でグローバルのAR市場シェアで45.2%を占めたこと、これまでシリーズ累計で35万台を出荷していることなどが明かされた。

ファッションショーの様子。なお、実際にARグラスを使うには、デバイスと有線接続する必要がある

実際に触ってみた

体験会では、XREAL Air 2 Ultraをスマートフォンと接続。3つの空間マーカーを操作すると、カレンダーや3DCG、3D映画など、表示されるコンテンツが順次切り替わっていくというデモンストレーションを体験できた。このデモはCES 2024と同じものだという。

XREAL Air 2 Ultraは前後の重量配分が5:5になっていることもあり、装着感は良好。10分程度の短い体験時間だったが、特に装着感に不満を感じることはなかった。

ソニー製マイクロ有機ELディスプレイを採用していることもあり、映像は鮮明。輝度も十分で照明を暗くしなくても、しっかりと映像を視認できた。本体の電子式調光機能を使うことで、より映像への没入感を高めることができた。

デモの様子を外部ディスプレイで擬似的に確認できた

ハンドトラッキングについては、右手の人差し指と親指を”OKマーク”を作るようにタップすることで、見ている項目をクリック可能。センサーが下向きについていることもあり、腕を大きく上げることなく操作ができるので、つねに腕を持ち上げていて疲れてしまうということもなさそうだ。

ただ、ハンドトラッキングの認識エリアは左右方向には広くないようで、例えば左側に表示されている仮想ディスプレイを見ようと、手は正面に置いたまま、首だけを左に向けて操作しようとすると、タップ操作が認識されないことがあった。

首の向きに合わせて、手の位置も移動させれば操作が認識されたので、このあたりは"慣れ”が必要かもしれない。

XREAL Airの新生活応援セールも開催

3月19日からは「新生活セール」として、XREAL AirやXREAL Beamとのセットのセールも順次実施する。

19日から31日までは第1弾として、XREAL Airを通常49,980円のところ41,980円の特別価格で販売。

また3月22日から4月1日までは第2弾として、XREAL AirとXREAL Beamのセットを通常66,960円のところ56,916円の特別価格で販売する。この第2弾は数量限定でなくなり次第終了となる。