ニュース
FIIO、AV入出力も搭載したデスクトップオーディオ最上位「R9」
2024年3月26日 10:00
エミライは、FIIO Electronicsの“デスクトップオーディオデバイス”の最上位モデル「R9」を、4月2日に発売する。価格はオープンプライス、店頭予想価格は269,940円前後。従来モデルの機能性やコンセプトを踏襲しながら、音質のさらなる向上やAV入力端子の追加など拡張性を追求したモデルとなる。
「FIIOが現代のオーディオユーザーの多様なニーズに応えるために開発した、様々なオーディオ機器の機能を備えるデスクトップオーディオデバイス」と位置づける。Android OSを搭載し、単体でストリーミングサービスが利用可能で、イヤフォンやヘッドフォンアンプ、アクティブスピーカー、Bluetoothヘッドセットなど、さまざまな機器と簡単に接続できる。
DACチップには、ESS Technology製「ES9038PRO」2基を左右独立構成で搭載した。132dBのダイナミックレンジと-122dBのTHD+N特性を実現し、正確でクリア、かつ滑らかなサウンドが楽しめるという。
ヘッドフォンアンプには、THX AAA 788+を8チャンネル分搭載。各ヘッドフォンアンプには高電圧電源が供給され、4ウェイ完全バランス設計となっている。
この完全バランス設計により、音の追随性のパフォーマンスが大幅に向上。櫛形ヒートシンクと最適化された回路レイアウトにより熱を効率的に放出し、継続的で安定したハイパワー出力が可能に。発売済みモデル「R7」の2倍位上となる7.3Wの高出力を実現した。
オペアンプは「OPA2211」で、可変ゲインと可変電源電圧設計により、5段階のゲインを実現。駆動パワーが異なるイヤフォン、ヘッドフォンを使っていても好みのリスニング音量を正確に設定できる。
筐体は、熱伝導率が高く、耐食性に優れた亜鉛合金構造で鏡面仕上げ。11段階の研磨加工を経て電気メッキが施されており、高級感と堅牢な耐久性を実現している。亜鉛合金ボディは、耐久性だけでなく、その硬度と安定性により振動による音の悪影響も軽減。指紋やホコリの付着を防ぐ効果のある保護シートも装着されている。
電源も強化された。低ノイズ、高効率、長寿命を兼ね備えた産業用レベルの新型40W電源を搭載しており、広範囲の入力電圧(85~305VAC)に対応。幅広い温度範囲(-40度~85度)で動作できる。定格寿命は50万時間。
外部DC電源からの給電もでき、その場合はノイズの発生元となるグランドループを解消する「グランドリフト機能」を使用できる。
オーディオ回路では、アナログ電源とデジタル電源を分離・遮断してクロストークを回避。アナログ部にはELNA電解コンデンサーや12個の低損失メタライズドフィルムコンデンサー、ノイトリック製金メッキプラグなど、高性能部品を採用した。
上述のとおり、OSはAndroidで、2024年第1四半期にはAndroid 12にアップグレード予定。2,160×1,080ドットの縦長6インチフルHDスクリーンを備えており、快適かつ直感的な操作が可能。
SoCはQualcomm製「snapdragon 660」で、USBコントローラーはXMOS製「XU316」、Bluetooth SoCは「QCC5125」。最大768kHz/32bitまでのPCMとDSD 512のネイティブ再生に対応。MQAのフルデコードもできる。Bluetoothは受信コーデックがSBC、AAC、aptX、aptX LL、aptX HD、aptX Adaptive、LDACを、送信コーデックがSBC、AAC、aptX、aptX HD、LDAC、LHDCをサポートする。
HDMI形状のポートを装備し、BDプレーヤーなどの映像機器とも連携が可能になった。AVモードとして、PCやゲーム機、BDプレーヤーなどとつないで、AV OUTからモニターに接続し、音声をハイレゾ音源、映像をハイビジョンで楽しめる「AV INモード」、AV OUT経由で外部テレビやモニターに接続できる「AV OUTモード」、テレビやBDプレーヤーなどと接続し、RCA、またはXLR出力で外部のオーディオ機器と連携できる「AV ARCモード」の3種類を搭載している。
そのほかデジタル入出力はUSB3.0 Type-C、USB2.0 Type-A、同軸デジタル、光デジタル、Bluetooth、イーサネットを装備。そのほか出力は6.3mmシングルエンド、4.4mmバランス、4ピンXLRバランス、3ピンXLRバランス、RCAライン×2を備える。
操作モードは、音楽ストリーミングサービスを含むさまざまなサードパーティ製アプリが使える「Androidモード」や、ローカルファイルの高音質再生に特化した「PureMusicモード」、iOSデバイスから受信した音声を高音質で楽しめる「AirPlay受信モード」のほか、「USB DACモード」「Bluetooth受信モード」「同軸/光デコードモード」「RoonReadyモード」「AV INモード」「AV ARCモード」を備える。
本体前面に出力切り替えノブを備え、4つの音声出力を簡単に切替可能。各出力モードごとに音声出力端子や音量調整機能の有効・無効が設定されているため、一度R9に接続したケーブルは都度抜き差しする必要はない。
筐体はシンプルで無駄のない四角形デザイン。側面には放熱性とデザイン性を兼ね備えたハニカム構造ベントを備える。前面ノブの周囲にはLEDインジケーターライトを備えており、自由に表示をカスタマイズ可能。本体カラーは「高級車を想起させるメタリック感のあるデュアルカラーデザイン」となっている。
メモリ容量は4GB、内蔵ストレージは64GB、最大2TBまで対応するSDカードスロットを搭載。外形寸法は約115×127×160mm(幅×奥行き×高さ)、重さは2.3kg。リモコンやUSB3.0 Type A to Cケーブルのほか、傾斜付きタイプとフラットタイプの計2種類のスペーサーなどが付属する。