ニュース

FiiO、机に置ける“デスクトップオーディオストリーマー”R7

中野サンプラザ

フジヤエービック主催「秋のヘッドフォン祭 2022」が9月18日に中野サンプラザで開催された。1日のみの開催で、入場は事前予約制。ここでは、FiiOやNoble Audioなどの新製品を多数展示しているエミライブースをレポートする。

Noble Audio

FoKus H-ANC

Noble Audioの新TWS「FoKus H-ANC」を9月20日の発売に先駆けて展示。オープンプライスで、店頭予想価格は33,000円前後。

Knowlesが開発したTWS⽤プラットフォームを、“Wizard”ことジョン・モールトン氏が音質チューニングした完全ワイヤレスで、Knowlesの新しいRANバランスド・アーマチュア・ドライバーと、チタン・メンブレン複合素材を採⽤した10mm径ダイナミックドライバーを搭載したハイブリッド構成。

最大-40dBのノイズを低減するアクティブノイズキャンセリング機能を搭載。通話品質の高いKnowles製MEMSマイクも備えている。FoKus専用アプリで、自分好みに操作をカスタマイズできる。

VIKING RAGNAR

本邦初公開となる有線イヤフォン「VIKING RAGNAR」(ヴァイキング・ラグナール)も参考展示。今秋発売予定で、価格は未定だが「現行Noble Audio製有線IEMのなかで最も高額な製品になる予定」だという。

古代インド発祥の特殊な製鋼技術で、金属ながら木目状の文様を持つダマスカス鋼をフェイスプレートに採用。Tri-Level Hybrid Technologyにより、3種の異なるドライバー構成となる。詳細は以下の通り。

  • 低域用:ダイナミックドライバー×2
  • 中域用:バランスドアーマチュアドライバー×2
  • 高域用:バランスドアーマチュアドライバー×2
  • 超高域用:静電型ドライバー×4

4ウェイのクロスオーバーを採用周波数特性は20~40kHz、インピーダンスは17Ω。能率は112dB(@1kHz)。

ケーブルは4.4mmバランスケーブルのみ付属で、3.5mmは付属しない。イヤフォン側の端子は2Pinの埋め込み型0.78mmソケット。

VIKING RAGNAR

FiiO

M15S

FiiOからは、DAPの新モデル「M15S」を参考出品。人気モデル「M15」から1年半、満を持しての登場となる。FiiO製の最新世代ヘッドフォンアンプ回路を搭載し、最大1,100mW(32Ω・バランス出力時)の大出力が可能。「あらゆるヘッドフォン・イヤフォンを鳴らし切る駆動力」を持つという。CPUにはQualcommのSnapdragon 660搭載で、ストリーミング音楽アプリなどもスムーズに動作する。

DACチップは、ESS製フラッグシップ「ES9038PRO」。PCM 384kHz/32bit、DSD256までの再生が可能。高精度水晶発振器を使った「デジタル・オーディオ・ピューリフィケーション・システム」を採用する。MQAのフルデコードも可能。

メモリは4GB。ヘッドフォン出力は、2.5/3.5/4.4mmの3系統。4.4mmは、バランスライン出力も可能。Qualcomm製「QCC5124」も搭載し、BluetoothはSBC/AAC/aptX/aptX HD/LDAC/LHDC送信に対応。Bluetoothトランスミッター/レシーバーとしても機能する。

ヘッドフォン出力

各種アプリのビットパーフェクト再生が可能という。OSは、FiiOカスタム仕様のAndroid 10。Bluetoothトランスミッター/レシーバーとして使える。

6,200mAhの大容量バッテリーを搭載し、待ち受け時間は1,000時間。

Q7

Q7は、フラッグシップDAP「M17」のエッセンスを踏襲し開発されたポータブルヘッドフォンアンプで、Qシリーズの新たなフラッグシップモデルでもある。2022年冬発売予定で、価格は未定。1.3型の液晶を備え、操作性にも優れるという。

DACチップは、ESS製フラッグシップDACチップ「ES9038PRO」を搭載。PCM 384kHz/32bit、DSD256の再生に対応。THXの特許技術を採用し、FiiOとTHXとが新たに共同開発した「THX AAA-788+」ヘッドフォンアンプ回路を2基搭載する。

更なる音質強化が可能なDC給電モードを搭載。最大5段階のゲイン設定が可能で、「IEMからヘビー級ヘッドフォンまでを自在にハンドリング」できるという。

DC給電モードを搭載

ヘッドフォン出力は2.5/3.5/4.4mmに加え、新たに6.3mm出力も搭載。同軸デジタル入出力や、オーディオ専⽤USB2.0ポートも備え、3.5㎜アンバランス/4.4㎜バランスの2系統のラインアウト出力も可能。

Q7の出力端子

パナソニック製ECHUコンデンサや、超高精度水晶発振器によるオーディオ回路部も搭載。 Qualcomm製SoC「QCC5124」搭載で、BluetoothはLDAC、aptX HD、aptX Adaptiveなどに対応。

XMOS製USBコントローラーチップ「XUF208」を搭載し、USB DACとしてPCM 768kHz/32bit、DSD512入力に対応。MQAのx8デコード機能も搭載。高速充電対応の9,200mAh⼤容量バッテリーを搭載する。

R7

「R7」は、据え置きの“デスクトップオーディオストリーマー”。「強力なUI・DAC部を持つデジタルオーディオプレーヤーに据え置き用のアンプを搭載させて電源を強化したらネットワークオーディオプレーヤーになるのでは?」という新機軸のオーディオ製品「R」シリーズの第1弾。

ディスプレイを備え、「M11Plus ESS」譲りのプレーヤー性能を備えるほか、THX-AAA 788+のヘッドフォンアンプ回路も搭載。4.4mm/4pin XLRバランスヘッドフォン出力や、FiiO初のXLRライン出力も搭載。卓上で使いやすい製品になっている。2022年冬頃の発売予定で、価格は未定。

ESS製DAC「ES9068AS」を搭載し、PCM 384kHz/32bit、DSD256の再生に対応。

ヘッドフォンアンプのTHX AAA-788+は、FiiOとTHXが共同開発したもので、これを2基搭載。3,000mW(32Ω/バランス出力時)の強力な駆動力を実現しつつ、SN比122dBの低ノイズも両立したヘッドフォンアンプ回路となっている。最大5段階のゲイン設定が可能。4.4mm/4pin XLRバランスヘッドフォン出力や、FiiO初のXLRライン出力、LAN端子も備える。

低ノイズ・高安定性が特徴というQualcomm製8コアSoC「Snapdragon 660」と、4GB RAMを搭載。スムーズな動作が可能。各種アプリのビットパーフェクト再生に対応。OSは、FiiOカスタム仕様のAndroid 10を搭載する。

高品位外部電源による音質強化が可能なDC給電モードも用意。最大2TBまで対応するmicroSDカードスロットを装備。USBストレージからのファイル読み込みにも対応する。

K7

「K7」は、4.4mmバランスヘッドフォン出力などを備えた据え置きのヘッドフォンアンプ。DACも搭載し、DACからヘッドフォンアンプ回路に至るまで完全バランス構成を採用しつつ、低価格も追求したのが特徴。冬の発売予定で、価格は未定。「FiiO製デスクトップUSB DAC・アンプの戦略モデル」と位置づけられている。

ヘッドフォンアンプ回路には、FiiOとTHXの共同開発によるTHX-AAA 788+を使っており、超低ノイズながら大出力を実現。

DACは、AKM製フラッグシップDACチップ「AK4493EQ」をデュアル構成で搭載。PCM 384kHz/32bit、DSD256の再生に対応。

超低ノイズLDOレギュレーターによる安定した電源制御で、低ノイズ・高安定性・高耐久性を実現したセパレート設計電源回路を内蔵。

音量の左右不均等を解決し、微細な音量調節を可能とするADCボリュームコントロール機能も搭載。

2段階のゲイン切り替えも可能。4.4mmバランスヘッドフォン出力のほか、高性能DAC/プリアンプとしても使える豊富な入出力端子を備える。

FW5

「FW5」は、FiiOの完全ワイヤレスイヤフォンの新フラッグシップモデルで、冬の発売予定。価格は未定。

AKM製DACアンプ統合チップ「AK4332」を採用するほか、Knowles製BAドライバー×2基、10mm径DLCコートダイナミックドライバー1基を組み合わせ、「音質的ブレークスルーを達成」したという。

Qualcomm製SoC「QCC5141」を搭載し、Bluetooth 5.2、SBC/AAC/aptX adaptive/LHDCに対応。周囲の⾳を漏らさず自然に聞き取れるというアンビエントモードも備える。

AKM製DACアンプ統合チップ「AK4332」は、TWS向けに設計を最適化することで、THD+N=-101dB、SNR=109dBの高性能と業界最高水準の超低消費電力2.8mWで実現した。

優れた装着感、高い密閉性を実現するというFiiOオリジナルの新開発イヤーピース「HS18」を同梱。筐体は有線イヤフォン「FD」シリーズのアイコニックなデザインを採用。EQや各種設定をカスタマイズ可能な「FiiO Control」アプリに対応する。

FH7S

「FH7S」は有線イヤフォン。Knowles製BAドライバー×4基と、13.6mm径第2世代ダイヤモンドライクカーボン振動板を搭載したハイブリッド構成で、「ハイ・パフォーマンス・ユニバーサルIEM」と位置づけられている。秋の発売で、価格は未定。

特許技術を含むFiiOの最新技術を多数投入。新開発イヤーピース「HS18」が付属する。筐体には新デザイン「Sci-Fi armor design」を採用した。

低域ドライバーの真価を発揮させるという「S.TURBOテクノロジー」も搭載。ドライバー間の相互干渉を抑制する「ノッチ・フィルター・キャビティ」構造も採用。筐体はセミオープンで、広大なサウンドステージを提供する。

ユーザーが交換可能な3種類のフィルターを用意し、サウンドコントロールが可能。FiiOオリジナルの新開発イヤーピース「HS18」が付属する。

ケーブルは着脱可能で、ステンレス製MMCXコネクターを採用。3.5/4.4mmプラグが付け替え可能な152本構成の純メッキ⾼純度単結晶銅ケーブルを採用している。

Ferrum Audio ERCO

左の上段がERCO、右の上段がOOR。どちらもHYPSOSと接続した状態

Ferrum AudioのDAコンバーター「ERCO(エルツォ)」は、長年DACのOEM製造開発を手掛けてきた同社のノウハウを結集させたというモデル。「現代のデジタルファイル再生に求められる機能・スペックを満たしながら、流行に左右されることのないタイムレスなデザインと、長期間安⼼して使用できる質実剛健な物作りを追求して“鍛え上げた”」という意欲作。9月30日発売で、予価は423,500円。

DACチップはESS製「ES9028PRO」。PCM 384kHz/32bit、DSD256(Native)/DSD128(DoP)に対応。DACチップの真価を発揮させるため超低ジッター水晶発振器を搭載。

DAC出力段から出力端子に至るまでフルバランス設計を徹底。アナログ入力時130dB/デジタル入力時120dBの優れたダイナミックレンジを実現。

ヘッドフォンアンプも搭載し、1.2W(@300Ω)、6.1W(@50Ω)の大出力(バランス駆動時)を実現。独自設計のヘッドフォン駆動用ICパワーアンプセクションを採用する。

4.4mmによるヘッドフォンのバランス駆動に対応するほか、シングルエンド6.35mmのヘッドフォン出力端⼦も備える。バランスXLR、アンバランスRCAライン出力も備え、アンバランスRCAライン入力も備えるため、プリアンプとしても利用可能。

オーディオ⽤にデジタル入力信号制御の最適化を施したARMチップを採用。独自のMQAレンダリング/デコード機能も備える。

高精度なアナログボリューム機構を搭載。バイパスしてシンプルなUSB DACとしても使える。同社のHYPSOS接続用の専用4ピン・コネクタも備え、電源品質を大幅に強化することもできる。

同じくFerrum Audioの「OOR(オア)」はヘッドフォンアンプ。こちらも、長年のOEM製造開発で培った同社のノウハウを結集。独自のフルバランス・ディスクリートアンプ回路と、HYPSOSのエッセンスを投入した電源回路設計、機能重視の筐体設計が特徴。9月30日発売で、予価352,000円。

クラスAとクラスABの利点を兼ね備えるという独自のディスクリート構成のアンプ回路により、極めてフラットな周波数特性(20Hz~100kHz -0.1dB)と低歪を実現しながら、300Ω時のバランス出力1,600mWと、高い出力も両立している。

4ピンXLR端子によるヘッドフォンのバランス駆動に対応するほか、シングルエンド6.35mmジャックヘッドフォン出力も装備。バランスXLR、アンバランスRCAライン出力を搭載。アンバランスRCAライン入力も備え、高性能プリとしても使える。

入力からボリューム、出力までの徹底したフルバランス構成により、回路から不要なトランスやインダクターを排除。リニアかつ高速なシグナルパスを実現した。

HYPSOSのノウハウを投入した電源部には、8つの独立した電源レールを用意。チャンネルセパレーションを向上させるため、プリ部とメイン部では左右独立の高速&低ドロップアウトのレギュレーターを搭載。

アルプス製フルバランスポテンショメーター「RK27」を採用。使い勝手を向上させるカスタムデザインのボリュームノブ&セレクタースイッチも搭載。

自社設計によるPCB基盤回路設計を投入。HYPSOS専用4ピン・コネクタを搭載し、電源品質を大幅に強化できる。

Vortex Cables Tiana

左からNira、Alida、Tiana

エミライが日本での取り扱いを検討しているVortex Cablesの製品も参考出品。Vortex Cablesは、2018年に香港で創業したオーディオケーブルブランド。「Tiana」は、本国に先駆けて世界初公開となる、同ブランドの新フラッグシップケーブル。発売時期は検討中だが、価格は18万円前後のイメージ。

導体に4N純銀線+5N LC-OFC(無酸素銅)線を採用。イヤフォン側端⼦にEffect Audio製「Con X」を使い、プレーヤー側にはOE Audio製「Ultra Premium Multi-Plug Gen II 」を採用。Con Xは、2pin/MMCX/A2DC/Ear/IPXの各端⼦を自由に換装可能。Ultra Premium Multi-Plug Gen IIは、3.5mmシングルエンド、2.5mmバランス、4.4mmバランスを換装できる。

「Alida」は、同ブランドの知名度を香港、中国市場で高めたという記念碑的製品。発売時期検討中で、価格は11万円前後のイメージ。

導体素材は、金メッキ4N純銀線+5N LC-OFC(リニアクリスタル無酸素銅)線。イヤフォン側端⼦にEffect Audio製「Con X」を採用し、プレーヤー側はOE Audio製「Ultra Premium Multi-Plug Gen II」を採用予定。ただし、デモ展示品は通常のOE Audio製プラグとなる。

こちらのケーブルも、Con Xは2pin/MMCX/A2DC/Ear/IPXを換装可能、Ultra Premium Multi-Plug Gen IIも、3.5mmシングルエンド、2.5mmバランス、4.4mmバランスの各種端⼦を自由に換装できる。

「Nira」は、上位モデル「Alida」の開発で培われた経験を活かして設計された、同ブランドのケーブル第2弾。発売時期検討中で、価格は9万円前後の見込み。

導体に、銀メッキ5N LC-OFC(無酸素銅線結晶)線を採用。イヤフォン側端子はEffect Audio「Con X」、プレーヤー側はOE Audio「Ultra Premium Multi-Plug Gen II」(こちらも予定で、デモ展示品は通常のOE Audio製プラグ)。各端子の感想もできる。