ヒビノ、実売1万円のShure新カナル型イヤフォン

-ダイナミック型で豊富なカラー/低域が特徴


カラーリングは左上から右へレッド×ブラック、ブルー×ブラック。下段は左からピンク×ブラック、ブラック

6月12日発売

標準価格:オープンプライス

  ヒビノインターサウンド株式会社は、Shureのカナル型(耳栓型)イヤフォン新モデル「SE115」を6月12日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は1万円前後の見込み。カラーリングはブルー×ブラック、レッド×ブラック、ピンク×ブラック、ブラック4色を用意している。

 同社イヤフォンのカラーリングは、ブラックやホワイトが多かったが、iPodやウォークマンとの組み合わせを意識し、豊富なカラーバリエーションを用意しているのが特徴。イヤフォンをファッションの一部として楽しむ層にも訴求するモデルとして展開する。

iPodとの組み合わせを意識したカラーバリエーションを採用している

William Chan氏

 エントリーモデルとして2007年に発売された「SE110」の後継。SE110はシングルのバランスドアーマチュアユニットを採用していたが、SE115では8mm径のダイナミック型に変更された。

 同社では変更理由について、「バランスドアーマチュアの魅力はハイスピードな中域と、独特の艶にある。しかし、低域が弱いという弱点があり、補うためにはマルチウェイドライバを内蔵したり、ネットワークを導入しなければならない。SE110では、このクラスでのニュートラルな音質を追求し、ダイナミック型の方が良いという結論に至った」(Shure AsiaのRegional Marketing Director William Chan氏)という。

 その結果、音のキャラクターは「SE110の中域を意識しつつフラットな特性から、豊かな低域とクリアでウォームな中高域に変化した」(Chan氏)とのこと。なお、同様の価格帯に「SE102-K」(実売8,000円前後)や、旧モデルの「E2c」(実売1万円前後)が存在するが、これらには10mm径のダイナミックドライバが使われている。

 ドライバは第2世代のダイナミックマイクロスピーカーと呼ばれるもので、ユニット自体が小さいのが特徴。それに伴い、音が放出されるノズルの径も従来モデルより細くなり、耳穴が小さい人でも挿入しやすくなった。ハウジングのチューニングを見直すことで、細いノズルでも十分な低域が出るという。

上から見たところ

側面

L/Rの表示はハウジング外側に記されている

イヤーピースを外したところ

ノズルが細いのが特徴

従来モデルとの比較

 イヤーピースはソフトフォームタイプとフレックスタイプを用意し、どちらにもS/M/Lの3サイズを揃えている。感度は105dB。インピーダンスは16Ω。再生周波数帯域は22Hz~17.5kHz。重量は約30g。Y型のケーブルで、91cmの延長ケーブルを同梱。クリーニングツールやキャリングポーチを同梱する。

ケーブルはY型

延長ケーブルも同梱する

都内で行なわれた発表会にはカラーバリエーションに合わせた衣装を纏ったモデルも登場した

 


 

■ 低域が豊富な迫力サウンド

 編集部で試聴したところ、バランスは低域寄りで、どんなソースを再生しても元気な中低域が強く主張してくる。ヒップホップやパンク、メタルなどの激しいサウンドが良く合い、Sum 41の「No Reason」などは鼓膜を揺するような量感のある中域が実に心地良い。

 反面、山下達郎など、清涼感のあるポップな楽曲では音のこもりを感じ、高域が中低域に埋もれて抜けが悪く感じる面もある。ニュートラルさではSE110やE2cの方がウェルバランスであり、「SE115」は“力強い中低域でロックなどを楽しく聴かせる”というキャラクターが特徴といえるだろう。



(2009年 5月 11日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]