ビクター、スタイリッシュなAVCHDカメラ「Everio X」
-レンズ前手ブレ補正。ベッキーが新キャラクターに
日本ビクター株式会社は、スリムで高級感のある横型筐体を採用した、フルHD撮影可能なAVCHDビデオカメラ「GZ-X900」を6月上旬に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は12万円前後の見込み。記録媒体はSDHCカード。
グリップ部のカーボンパターンやメタルフレームなど、ハードなデザインと高品質なパーツを投入することで「携帯欲が生まれる上質コンパクトになった」という。黒を基調としたカラーリングで、主に男性ユーザーがビジネス/プライベートの両方で活用できるモデルとして訴求する。
レンズはコニカミノルタ製の光学5倍ズームレンズで、ビクターの民生カメラとして初めて、3群移動ズーム光学系を採用。1/2.33型CMOSセンサーのパッケージ幅は15mmだが、鏡筒幅も同じ15mmで、レンズ部の薄型化を追求。デジカメ用レンズに匹敵する周辺光量/解像度と、ビデオカメラに求められる追従性(ズーム/絞り)を高次元で両立したという。全長は55.5mm。構成は8群11枚。焦点距離は35mm換算の動画時で48.5~242.5mm、静止画時で38.3~191.5mm。F値は3.4~5.6。
光学式手ブレ補正部に特徴がある。従来の手ブレ補正は、レンズ群の真ん中に補正レンズを組み込み、補正を行なっているが、今回のモデルではレンズの前玉の前に、補正用ブロックを装着。途中で補正する従来方式では、内部で光軸がズレることがあり、収差が発生。画質が劣化したり、レンズシフトの影響が出にくいように設計で収差を抑制する必要があった。
新モデルでは、レンズの入口から手ブレを補正することで、安定した光軸でレンズを通過。手ブレ補正を利用しても高画質を維持できるという。顔検出機能も搭載。液晶モニターは2.8型、約21万画素。
レンズ部の仕様 | 前玉の前に手ブレ補正ユニットを装着した | 「HD Gigabrid Premium II」の解説 |
奥に円形のレンズがあるが、その手前に一回り大きな、角の丸い四角形レンズが見える。これが手ブレ補正レンズであり、本体を手に持つとプルプルと左右に揺れる | レンズ部。レンズの前に手ブレ補正ユニットが装着されてるのがわかる |
録画のビットレートは24Mbpsの「UXP」が最高。「XP」(17Mbps)、「SP」(12Mbps)、「EP」(約5Mbps)も含め、合計4種類の記録モードが選択できる。最高600fpsのスーパースローモーション撮影も可能。640×72ドットサイズでは、600fpsで2.4秒間の撮影(撮影動画の再生時間は24秒)、480×116ドットでは300fpsで4秒間(同20秒間)、480×270ドットで4秒間(同8秒)のスローモーションが撮影できる。
静止画の高速連写もでき、900万画素の画像を15コマ/秒で6秒間(撮影時間0.4秒間)、7コマ/秒で6秒間(0.9秒)、2コマ/秒で無制限で撮影できる。フルHD動画撮影時に、530万画素の静止画同時撮影も可能。60コマ/秒、もしくは10コマ/秒で連続11コマの連写ができる。
iTunesとYouTubeの連携機能も搭載。本体にUPLOAD、EXPORTボタンを用意しており、どちらかを押してから撮影すると、PCに取り込んだ場合、付属ソフトのMediaBrowserで、UPLOADを押した動画はYouTubeアップロード、EXPORTはiTunes転送用動画として自動でピックアップされる。そこから、ソフトの機能を使ってYouTubeへの投稿や、iPod再生用動画としてiTunesへの転送などが行なえる。対応OSはWindows XP/Vista。
AV出力やコンポーネント出力、USB端子を備えた専用ドックを同梱。付属バッテリ「BN-VF908」利用時の連続撮影時間は1時間15分、実撮影時間は約40分。ビデオカメラとDVD/BDドライブを直接接続してのメディア書き出しも可能。専用DVDライターCU-VD3や、アイ・オー・データの対応BDドライブ、HDDなどに書き出すことができる。
従来のビデオカメラについては、「動画撮影を前提としたビデオカメラは、静止画においては実画素不足や連写性能、本体の大型化など課題があり、デジタルスチルカメラは長時間のハイビジョン動画記録や動画AFなどに課題を抱える」と指摘する。Everio Xは「動画/静止画それぞれの最適処理を実現する」として、新開発の大型CMOSセンサーや、画像処理エンジンをアピールし、「1台2役のコンセプトを、本当の意味で実現する」と述べた。
同事業部商品企画部 企画開発グループの松尾浩司リーダーは、愛称の「X」が、“エックス”(未知なるもの・先進性)と“クロス”(融合する・結合する)という意味を持つと説明。3つのキーワードとして、高性能/高機能とコンパクトを融合した「Premium Compact」と、高次元の動画/静止画画質を兼ね備えた「Premium Quality」、スーパースローや連写などで“動き”と“瞬間”をとらえる「Premium Shot」を提示した。
「真の1台2役」を目指す | カムコーダー事業部の松尾氏 | 「X」の3つのキーワード |
製品戦略としては2つの新たな取り組みを説明。一つは、これまで海外で展開していた「JVC」ブランドを、初めて国内家庭向け製品に冠したこと。同社は、「新しいコンセプトを持った製品に対して、国内にもJVCブランドを導入する」と表明している。GZ-X900の広告などでは「JVC is」をキーワードに展開する。
ビデオカメラをよく使うというベッキーさんに、GZ-X900がプレゼントされた |
21日に行なわれた発表会に、ベッキーさんも来場。「ビクターさんというと、高品質というイメージがあるので、一緒に仕事ができてうれしい」と笑顔を見せた。動画に興味があり、高校生の頃からビデオカメラをよく使っていたというベッキーさんは、「高校のとき、友達と遊んでいた映像を観ると、こういうの撮っておいてよかったね、という気持ちになります」という。
自身の子供の頃のビデオもたくさん残っているとのことで、「バラエティ番組に出せるから助かっています」とのこと。「自分が将来家族を持っても、残しておきたいな、と思います」と話した。Everio Xについては、「すごくシンプルでかっこいいという言葉が最初に出てきます。ビデオカメラって“重い”というイメージがありましたが、これだったら、連れて行きたくなる」と気に入った様子だった。
Everio Xは「軽いのでバッグに入れて持ち歩きたくなる」と好印象 | 製品プロモーション用の広告写真では、普段のベッキーさんの元気なイメージとは違った、クールな表情を見せている。Everioが新たなスタートを切ったことに合わせて、「皆さんに、こういうベッキーもあることを知ってもらえたら」と話した |
(2009年 5月 21日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]