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ソニー、重低音「ULT POWER SOUND」スピーカー3種。国内ソニー最大サイズも
2025年4月10日 10:03
ソニーは、スタジアム最前列のような音圧と重低音が味わえるとする「ULT POWER SOUND(アルトパワーサウンド)」シリーズのBluetoothスピーカーとして、2ウェイのコンパクトモデル「ULT FIELD 3」、オーディオ入力を備えたステレオモデル「ULT FIELD 5」、同社国内ワイヤレススピーカー史上最大ボディを謳う「ULT TOWER 9」の3機種を、4月25日より順次発売する。いずれも価格はオープン、市場想定価格はULT FIELD 3で3万円前後から。
- 「ULT FIELD 3」 4月25日発売 30,000円前後
- 「ULT FIELD 5」 4月25日発売 39,000円前後
- 「ULT TOWER 9」 5月16日発売 143,000円前後
カラーバリエーションはULT FIELD 3がブラック、オフホワイト、フォレストグレー。ULT FIELD 5がブラックとオフホワイト。ULT TOWER 9がブラック。
既存のULT FIELD 1、ULT FIELD 7とあわせ、ULT POWER SOUNDシリーズは合計5モデル展開となる。ソニーによれば、1万円以上のスピーカー購入者が重視するポイントの第1位は「重低音」、第2位が「音質」だといい、ULT POWER SOUNDシリーズのラインナップを拡充することで「使用シーンやニーズに合わせた選択肢を広げ、最適なスピーカーを提案する」という。
新モデルのうち、ULT FIELD 3は持ち運びに便利なスタンダードモデル、ULT FIELD 5は高音質と携帯性を兼ね備えた中型モデル、ULT TOWER 9は大音量、大迫力で楽しめる大型モデルと位置づける。
また、ULT POWER SOUNDシリーズは、アプリ「Sound Connect(旧Headphones Connect)」に対応。これまではイコライザー(EQ)設定などができる「Music Center」と、ライティング設定などができる「Fiestable」の2種類のアプリに対応していたが、今後はSound ConnectからEQ設定、ライティング設定などを操作できる。
すでに発売済みの2機種についても、ソフトウェアアップデートでSound Connectアプリに対応。従来どおりMusic Center/Fiestableから操作することもできる。
ULT FIELD 3
本体上部に低音を増強する「ULTボタン」を搭載。ULT POWER SOUNDをONにすると低域とパワー感が強化されたサウンドを楽しめる。ULT POWER SOUNDのモードはON/OFFの2段階。
ドライバー構成は、約86×46mmのウーファーと約20mm径のツイーターを組み合わせた2ウェイ。低音を増強するパッシブラジエーターも2基搭載している。コーデックはSBCとAACをサポートした。2台を組み合わせるステレオペア、最大100台まで連携できるパーティーコネクトを利用可能。
バッテリー駆動時間はULT POWER SOUND ON時で約24時間。10分の充電で約120分使える急速充電に対応したほか、本体のUSB端子経由でスマートフォンなどに給電する「おすそわけ充電」が利用できる。
本体はIP66/IP67の防水・防塵+防錆仕様で、落下の衝撃にも強いショックプルーフ仕様。タテ・ヨコどちらでも設置できるマルチレイアウトデザインを採用している。
外形寸法は約256×79×113mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約1.2kg。USB Type-Cケーブル、着脱式のショルダーストラップが付属する。
ULT FIELD 5
同じく本体上部に「ULTボタン」を搭載。モードは深い低域を強調する「ULT 1」、パワー感を強調する「ULT 2」、ULT OFFの3種類から選択できる。
ドライバー構成は、約79×107mmのウーファー×1、直径約46mmのツイーター×2で、低域を増強するパッシブラジエーターも2基搭載。このうちウーファーは振動板面積を拡大したソニー独自の「X-Balanced Speaker Unit」となっている。本体側面には音楽に合わせて光るライティング機構も備えた。
BluetoothコーデックはSBC、AACに加え、LDACもサポート。ステレオペア、パーティーコネクトも利用できる。アプリ「Sound Connect」で10バンドEQも利用可能。
バッテリー駆動時間は、ULT 1/2使用、ライティングOFF時で最大約25時間。10分の充電で約100分使える急速充電に対応している。おすそわけ充電も利用可能。本体背面にはオーディオ入力端子も備えている。
本体はIP66/IP67の防水・防塵+防錆仕様で、タテ・ヨコどちらでも設置できるマルチレイアウトデザインを採用している。
外形寸法は約320×125×144mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約3.3kg。USB Type-Cケーブル、着脱式のショルダーストラップが付属する。
ULT TOWER 9
国内ソニーワイヤレススピーカー史上最大サイズという約410×456×910mm(幅×奥行き×高さ)の大型ワイヤレススピーカー。重さは約29.6kg。本体下部にキャリーホイール、上部にハンドルを備えており、簡単に移動させられる。
ULTモードは、深い低域を強調する「ULT 1」、パワー感を強調する「ULT 2」、ULT OFFの3種類を利用可能。BluetoothコーデックはSBC、AAC、LDACをサポートする。アプリ「Sound Connect」から10バンドEQの設定が可能。
ドライバー構成は、約320×320mmのウーファー×1、約120mm径のミッドレンジ×2に加えて、ツイーターをフロントとリアに合計4基搭載する。口径はフロントが約50mm、リアが約40mm。ツイーターを前後に搭載することで、360度どこからでもクリアなサウンドを楽しめるという。
バッテリー駆動時間は、ULT 1/2使用、ライティングOFF時で最大約25時間・10分の充電で約180分使える急速充電にも対応した。
入力端子として、本体天面にマイク端子、マイク/ギター端子、背面にオーディオ入力と給電/音楽再生に対応したUSB端子、さらに光デジタル入力端子を備える。天面にはカラオケを楽しめるようにキーコントロール、マイクエコーボタンを備えた。
本体背面の光デジタル入力を使って、テレビと組み合わせると、テレビの音に加えてULT TOWER 9から重低音・高音を再生する「TV Sound Booster」も利用可能。リアツイーターから高音を壁や天井に反射させて音場を広げつつ、ウーファーから迫力ある低音を再生することで、大迫力サウンドを楽しめるというもの。TV Sound Boosterの利用には光デジタルケーブルでの接続が必要で、同機能利用時はULT TOWER 9前面のツイーター、ミッドレンジドライバーは駆動しない。
そのほか本体天面には、スマホやタブレットなどを置けるスタンドを搭載。本体上部と下部にはライティング機構も備えている。付属品は電源コードと光デジタルケーブル。
音を聴いてみた
短時間ながら実際に音を聴いてきた。まずは比較的コンパクトなULT FIELD 3とULT FIELD 5を、発売済みのもっともコンパクトなモデル「ULT FIELD 1」と聴き比べてみた。いずれも試聴曲は「LE SSERAFIM/CRAZY」。
既発売のULT FIELD 1はもっともコンパクトなモデルで、ULTモードはON/OFFの2種類のみ。ULT ONの状態でも小さな筐体から出ているとは思えない迫力ある低音が味わえるが、より大型のULT FIELD 3/ULT ONのほうが、「ズゥゥン」とより深みのある低音を楽しめる。またボーカルもULT FIELD 3のほうがよりクリアに聴こえてくる。
続いてULT FIELD 5は、この3機種のなかでもっとも音圧が高く、組み合わせているスマホのボリューム設定を変えていなくても、2~3割音量を上げたような大音量を味わえる。そのままULT 1にチェンジすると、低域のアタック感が鮮明になり、思わず体を動かしたくなるサウンドに。ULT 2ではさらに低域の沈み込み感がアップし、まるでクラブ気分を味わえた。
最後にもっとも巨大なULT TOWER 9。ULT OFFの状態でも、これまでの3機種とは“格の違う”低域が味わえるが、ULT 1/2ではドームやアリーナクラスの最前列でライブを観ているかのような、身体の芯にズシンと響く低音を浴びることができた。
またULT TOWER 9で印象的なのは音圧。講演会などが行なえる中規模のホールのような場所で試聴したのだが、ULT TOWER 9のボリュームを50%、本体から5mほど離れていてもライブハウスの最前列にいるような大音量を再生できる。
せっかくなので、本体から10m程度離れてボリューム100%も試してみると、ドーム/アリーナ最前クラスの轟音に身を包まれた。ULT TOWER 9はマイク入力も装備しているので、体育館やホールなどを使ったイベントのPAスピーカーとして活用することもできるだろう。
最後にULT TOWER 9の「TV Sound Booster」も体験してみた。YouTubeで「ROSÉ & Bruno Mars/APT.」のMVを再生すると、テレビ単体では奥行きが少なく、迫力のないサウンドだったのに対し、TV Sound Boosterを使うと、低音と高音がULT TOWER 9から再生されることで、音全体の厚みが増して、映像と音が組み合わさったミュージックビデオ本来の持ち味をしっかり楽しむことができた。