シャープ、ミリ波「デジタル放送伝送システム」を開発

-古い建物などで安価にデジタル対応。DXアンテナ販売


7月13日発売


デジタル放送伝送システムの利用イメージ

 シャープ株式会社は、ミリ波を使い、マンションなどで複雑な改修工事をせずに地上デジタル放送の伝送が行なえるシステムを開発。同システムを、DXアンテナ株式会社が「デジタル放送伝送システム」として13日より、アンテナ施工事業者や電設工事会社向けに販売開始する。

 60GHzのミリ波帯を用いてハイビジョン放送を無線伝送するシステム。ミリ波は30~300GHzの広い帯域を使用することで、短距離であれば1Gbpsを越える通信速度が得られるため、地上デジタルだけでなく、BS/110度CSデジタル放送の送信にも対応できる。

 今回販売開始されるのは、マンションの集合アンテナなどから、入居する各家庭にデジタル放送を伝送するために使うシステムとなる。具体的には、送信機を建物の屋上に設置し、建物の外壁に沿うように、階下に向けてミリ波でデータを送信。各部屋のベランダに受信機を取り付け、上から送信されたミリ波を受信するという構造になる。

 無線伝送を採用することで、従来ではケーブルを新設する必要があった建物でも、低コストでデジタル放送に対応できる。デジタル放送対応のためにケーブルの新設などの大規模改修が必要な集合住宅は、全国に約42,000棟あるとされており(総務省の2008年3月調査より)、こうした施設での導入を進めることで、地上デジタル放送受信世帯数拡大に貢献していくとしている。



(2009年 7月 13日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]