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ソニー「Xperia 1 VII」不具合原因は製造工程の温/湿度管理。対象機は無償交換を
2025年9月12日 19:37
ソニーは、スマートフォン「Xperia 1 VII」の不具合について、再発防止策と品質向上の取り組みを発表。モバイル部門の責任者であるソニー パーソナルエンタテインメント事業部長 大島正昭氏が、詳細を説明した。
既報のとおり、Xperia 1 VIIは「電源が落ちる、再起動がかかる、電源が入らない事象がまれに発生する」として、7月4日に製品出荷とソニーストアでの販売が一時停止。不具合の原因は、基板の製造工程において、温度や湿度の影響を受けたこと。現在は再発防止策の実施を経て、8月27日より販売を順次再開。2025年7月4日までのXperia 1 VIIの一部購入者を対象に、無償の交換対応が行なわれている。
不具合の対応策として、製造工程では総点検を実施。とくに今回影響を及ぼした原因が関連する類似の工程や、機能に影響する各設定値の点検を実施したという。
また、今後の機種の製造については、品質管理の評価を目的として、製品特性や状況に応じた点検体制を構築運用するほか、製造工程におけるリスク評価体制をさらに評価する管理体制を構築。これらの体制はXperia 1 VIIの交換用製品や現在製造している製品においてすでに運用を開始しており、今後も厳格な品質基準の上で運用に取り組むとのこと。
不具合の詳細についても説明。一部基板の製造過程において、本来工程毎に定められている温度・湿度の管理が十分でなかったという。
この温度・湿度の管理というのは、例えば、温度・湿度が全ての工程において一定の場合、静電気の発生などで基板が破損するリスクがあるため、各工程毎にそれぞれ適切な温度・湿度に調整されるものだという。今回この管理に問題が生じ、基板に不具合が生じたとのこと。
製造工程は、効率化などを目的に工程の変更や見直しが行なわれており、今回のXperia 1 VIIでは、この工程の変更に対する影響を考慮した品質評価について、「より踏み込んだ工程設計が必要だった」と説明した。
また製造工程で発生した基板の不具合となるため、対象の機種は現在問題なく利用できていても、同様の不具合が発生する可能性があるという。この不具合では最終的に電源が入らなくなってしまうため、対象機全数の交換を目指し、無償交換の対象者には交換を呼びかけている。対象機種はWebページにて確認できる。
大島氏は「今回の不具合でお客様に多大なご迷惑をおかけしてしまったことを重く受け止め、お客様に今一度安心信頼していただけるよう製品作りに真摯に取り組んで参りたいと思っております」とコメント。
またスマートフォン事業については「通信技術については、スマホだけに関わらずソニー全体における重要な技術と捉えておりまして、その起点がスマートフォンのビジネスと考えております。引き続き我々はそのスマートフォンビジネスに真摯に取り組んでいきたいと考えております」と述べた。
なお「Xperia 10 VII」に関しては、今回不具合が発生した製造工程に関わる基板は使用されていないため、影響はないという。