コーレル、インテルWiDi/Blu-ray 3D対応の「WinDVD 11」
-WiDi 2.1アップデートでDRMの動画も無線伝送可能に
WinDVD Pro11の画面 |
コーレルは、動画再生ソフトの最新バージョン「Corel WinDVD 11」を9月13日より順次発売する。Blu-ray 3Dにも対応した上位版「WinDVD Pro11」と、BDや3Dに対応しないスタンダード版の「WinDVD 11」を用意し、価格と発売日は下表の通り。
対応OSはWindows XP/Vista/7。64bit OSにも対応するが、ネイティブサポートではない。なお、Blu-ray 3D再生の推奨環境はWindows 7のみ。
製品 | 発売日 | 価格 | |
WinDVD Pro11 | ダウンロード 通常版 | 9月13日 | 9,975円 |
通常版 (パッケージ) | 10月14日 | ||
ダウンロードアップグレード版 | 9月13日 | 8,379円 | |
特別優待/ アップグレード版 (パッケージ) | 10月14日 | ||
WinDVD 11 | ダウンロード通常版 | 9月13日 | 5,775円 |
通常版 (パッケージ) | 10月14日 |
パッケージ |
Pro/スタンダード版共通の新機能として、インテルが開発したPC画面のワイヤレス伝送技術「インテル ワイヤレス・ディスプレイ 」(WiDi)に対応。PCに表示したビデオ画面を、別売のWiDiアダプタを介して離れた場所のテレビなどに表示可能。再生時にWinDVDのアップスケーリングなど画質補正機能を利用して、大画面テレビでも高画質で再生できるという。
なお、WiDiのバージョンは2.0のため、BD/DVDビデオなど著作権保護された映像や3D映像をWiDi経由で視聴することはできない。ただし、2011年秋~冬に予定しているというアップデートにより、WiDi 2.1に対応する見込みで、2.1では著作権保護された映像や、3D映像についても伝送可能になる。こうした動画をWiDi経由で視聴するには、利用するWiDiアダプタについてもバージョン2.1への対応が必要となる。
WiDi 2.0に対応 | ノートPCから、WiDiアダプタ経由でディスプレイにワイヤレス伝送するデモ | アップスケーリングなどの画質補正を加えた上でワイヤレス伝送できる |
Proのみの新機能としては、Blu-ray 3D再生に対応。3D対応パソコンのディスプレイ、またはHDMI接続した3D対応テレビの画面でBlu-ray 3Dの立体視が可能になった。また、2D映像のリアルタイム3D変換にも対応し、3Dの深度(効果の強弱)も調整可能。NVIDIAの3D VISIONにも対応する。
3Dディスプレイの表示方式は、フレームシーケンシャルや偏光、アナグリフに対応。3D映像の形式はMPEG-4 MVCやサイドバイサイドに対応する。なお、ソニーやビクターの3Dビデオカメラで撮影した60pの3D映像は再生できない。
3D映像のデモ | 2D-3D変換に対応し、ワンクリックで切り替えられる |
3Dの深度調整も可能 | 2D-3D変換時は、まず動きの判別を行なうことで移動するオブジェクトを検出し、移動量の情報を取得する | 移動情報の予測情報で得た、各オブジェクトを3D化する際の深度情報を取得。モーフィングとプロジェクション(投影)によって3D用のフレームを生成する |
フレーム挿入で動画を滑らかにするモーションエンハンス機能 |
Pro/スタンダード版共通の高画質化機能では、新たに動画のフレーム間に補間フレームを挿入することで滑らかな動画表現を可能にする「モーションエンハンス」を搭載。また、垂直/水平方向の手ブレを補正する「ビデオスタビライザー」も搭載。
従来バージョンと同様に、SD映像のフルHDへのアップスケーリングも可能。従来は「全画面適用」と、「画面分割適用」に対応していたが、新たに適用後の画質確認ができる「比較表示機能」にも対応した。
その他にも、画面を明るくするフィルタ効果のライティングアジャスト、4:3映像を16:9で表示するスマートストレッチ、ブロックノイズの除去機能も利用できる。なお、これらの補正機能はGPUベースで動作するように変更されたため、CPU負荷を抑えられる。GPUによる再生支援については、インテル、NVIDIA、AMDいずれのプラットフォームにも対応している。
BDレコーダなどでデジタル放送を録画したCPRM付きのディスクも再生可能。なお、CPRM付きディスクの再生時は、初回のみインターネットでの認証が必要となる。そのほかの機能として、音声/映像が不自然にならずに再生スピードを変更できるタイムストレッチや、動画内のシーンをGIFアニメーションで保存(最大15秒)するクイッククリップも搭載する。
再生可能なディスクは、ProがDVDビデオやVRモード記録のDVD、AVCHD、AVCREC、Blu-ray Disc、音楽CD。スタンダード版はこのうちBlu-rayとAVCRECには非対応。動画の対応フォーマットは共通で、MTS、M2TS、WMV、MPEG-2、QuickTime、3GP、FLV、MKV、AVI、DivX、MP4。なお、DivXとMP4はWindows 7のみ対応。
アップスケーリング時の「比較表示」画面 | 手ブレ補正の「ビデオスタビライザー」にも対応 | ライティングアジャストやスマートストレッチ、ブロックノイズ除去機能も搭載 |
■ タブレット/スマートフォン向けライトアプリも展開中
コーレルの堺和夫社長 |
コーレルの堺和夫社長は、製品戦略説明のなかで、スマートフォンなどにおける“ライトアプリ”への取り組みを説明。
同社は既にスマートフォンなどのアプリとして、写真を絵画風に加工する「Paint It! Now」や、キッズ向けのiPad用の塗り絵アプリ「BeepBeep」、Facebookアルバムへの自動写真共有を行なう「SlingShot」といったアプリを無料で提供している。
こうしたアプリを提供することで、これまで同社がリーチしていなかった若年層へ訴求するとともに、同社を知っている人々に対しても、こうした取り組みに関する認知向上を図る。また、これらのアプリのほとんどがSNSサービスとの連携機能を持っていることに触れ、「我々の製品は、PCにインストールしてもらうことで完結する場合も多いが、今後はテンプレートのサービスや、ユーザーとのコミュニケーションを強化したアフターセールスサービスなど、製品購入後のサービスも充実させる」とした。
コーレルが提供している「ライトアプリ」 | 同日には、写真編集ソフトのPaintShop Pro X4も発表された | コーレル製品を使った動画/静止画の作品コンテスト「Digital Art Competition 2011」を実施。応募は12月31日までで、オンライン人気投票は2012年1月6日まで受け付け、発表は同3月15日 |
(2011年 9月 13日)
[AV Watch編集部 中林暁]