'11年の家電市場は約8兆5,000億円規模で'09年同等
-GfK調査。アナログ停波の買い替えに支えられる
ジーエフケー マーケティングサービス ジャパンは、2011年の家電とIT市場の販売動
向の調査結果を発表。家電小売市場規模は約8兆5,000億円で、2009年とほぼ同規模になったという。
2010年はエコポイントの駆け込み需要により、市場規模は異例の9兆4,000億円になったが、2011年はそれに届かないものの、2009年と同規模は維持。GfKでは「節電志向の高まりによる省電力製品への需要増加や、アナログ停波による映像機器の買い替え需要に支えられた」と分析する。販売チャネル別では、節電需要を追い風にホームセンターが好調。ネット通販も拡大しており、ネット通販の構成比は前年から1%ポイント増加の、7.5%になったと見込まれている。
エコポイントやアナログ停波による買い替えなどで、薄型テレビ市場は2,081万台と、2010年に次ぐ国内テレビ史上2番目の販売規模を達成。エコポイント終了直前の3月には282万台、アナログ停波直前の7月には413万台を記録している。
2、3台目のアナログテレビの買い替えニーズが高まっており、26型以下の小型テレビの数量構成比は40%と、前年から6%ポイント増加した。2012年のテレビ市場については「故障等による買い換え需要がメインになると考えられる」とし、GfKでは市場規模を1,100万台程度と見込んでいる。
レコーダ・プレーヤー市場は数量が前年比13%増の1,021万台、レコーダ市場は同19%増の708万台。その内、BDレコーダは同35%増の615万台と好調。アナログ停波直前には駆け込み需要も発生し、7月のBDレコーダ販売台数は月間で過去最高となる104万台になったという。また、BDレコーダの内蔵HDDは大容量化が進んでおり、500GBクラスの数量構成比は前年から17%ポイント増加し、58%になったとしている。
PCディスプレイ市場は、数量前年比4%減の380万台と微減。リテール市場だけでも同5%減の92万台で、大画面モデルへの買い替え需要が一巡したことなどから、2010年に続き前年割れとなった。
デジタルカメラは、東日本大震災の影響に伴う販売減や、タイ洪水による一部製品の品薄などで数量前年比9%減の957万台と、2年ぶりのマイナス成長。しかし、ミラーレス一眼のみを見ると、数量前年比45%増の49万台に拡大。レンズ交換式カメラに占める販売数量構成比は、前年から11%ポイントの増加となる35%に達している。
ほかにも、携帯電話市場は数量前年比6%増の3,739万台と2年連続プラス成長。スマートフォンは同140%増の1,641万台で、全体に占める数量構成比は前年から24%ポイント増加の44%となっている。
(2012年 2月 16日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]