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ゼンハイザー、小型ヘッドフォン「MOMENTUM On-Ear」

柔らかなAlcantara素材。大人向け4色展開

4色のカラーバリエーションを用意する

 ゼンハイザーは、ヘッドフォン「MOMENTUM」シリーズの新モデル「MOMENTUM On-Ear」を発表した。8月上旬発売で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は22,000円。カラーはブルー、グリーン、アイボリー、ピンクの4色。

 既発売の「MOMENTUM」はアラウンドイヤータイプだが、「MOMENTUM On-Ear」はコンパクトなハウジングを採用し、オンイヤータイプになっているのが特徴。ハウジングは密閉型で、ダイナミック型ユニットを採用する。

アイボリー
ブルー
グリーン
ピンク

 「ヘッドフォン市場におけるカラーヘッドフォンは、カジュアルやポップな雰囲気の製品が多い中、大人の男性/女性までがヘッドフォンのカラーを楽しめるようにとの思いも込めて企画開発した」という製品。

4色展開
MOMENTUM BLACK(右)とのサイズ比較
アイボリー
着脱できるヘッドフォン側の端子はステレオミニ。根本に切り欠きがある

 ハウジングを支えるスライド部分にステンレススチールを採用。ヘッドパッドやイヤーパッドには、柔らかなイタリア製のAlcantara(アルカンタラ)という素材を使い、装着感を高めている。

 インピーダンスは18Ω、再生周波数帯域は16Hz~22kHz。出力音圧レベルは112dB。ケーブルは着脱でき、通常のケーブルに加え、リモコンとマイクを備えたケーブルも同梱。着脱できるヘッドフォン側の端子はステレオミニで、落下防止用に、端子の根本に切り欠きが設けられている。長さはどちらも約1.4m。リモコンの対応製品はiPhone/iPadなどのアップル製品。ケーブルを省いた重量は約152g。キャリングケースなども同梱する。

写真家のAlexander Gnadinger氏

 発売を記念し、写真家のAlexander Gnadinger氏が、MOMENTUM On-Earを着用したファッションブロガーを撮影した写真も公開されている。

Alexander Gnadinger氏が撮影した写真

MOMENTUM On-Earの音質チェック

 10日に開催されたマスコミ向けの体験会で、音質や装着感をチェックした。

 特徴的な外観とカラーリングだが、いずれのカラーも落ち着いた発色で、ハウジングを支えるスライド部分に使われたステンレススチールも合わせ、高級感がある。カラフルではあるが、「大人向け」という雰囲気で、特にピンクやアイボリーは、大人の女性にもマッチしそうだ。また、アイボリーは、ヘッドアーム部が茶色になっている事で、レトロな雰囲気も醸し出しており、男性にもかなりグッとくるデザインになっている。

MOMENTUM BLACK(左)とのハウジングサイズ比較
左がMOMENTUM On-Earのアイボリー、右は通常のMOMENTUM
アイボリーモデルのヘッドアーム部

 ハウジングは、通常のMOMENTUMやMOMENTUM BLACKと比べ、かなり小型化している。側圧もやや強くなっているが、耳に触れる部分のイヤーパッドに使われている素材Alcantaraにクッション性があり、肌触りもソフトなので、あまり圧迫感は感じない。この素材は自動車の内装などに使われているほか、HD800など、ヘッドフォンの上位モデルにも使われているという。

ピンク
ブルー
グリーン
ピンクモデルのヘッドパッド部分

 MOMENTUM通常モデルの音質は、密閉型ながら広い音場と、量感のある低域、抜けが良くて綺羅びやかな高域を再生するモデルで、ストイックにストレートなサウンドを出すというよりも、音楽の美味しいポイントをドラマチックに聴かせてくれる製品だ。「山下達郎/希望という名の光」でも、量感のあるベースがキッチリ押し寄せながらも、ボーカルの中高域が濁らず、スッと抜け出て来て心地良い。

 小型になった「MOMENTUM On-Ear」だが、音質の傾向は「MOMENTUM」とよく似ている。低域の沈み込みの深さや、量感はやや少なくなるが、低域の力強さや、華のある高域は踏襲されている。また、ふわっと広がる音場サイズが、MOMENTUMに負けない広さを持っているため、閉塞感や圧迫感をほとんど感じない。ハウジングがコンパクトなオンイヤーヘッドフォンは、一般的に音場が狭くなりがちだが、MOMENTUM On-Earは小型ながらも伸びのびとした気分で音楽が楽しめるモデルという印象だ。

その他の新製品も音質チェック

 既に発表済みのモデルだが、8月上旬に発売予定の新製品「HD 25 ALUMINIUM」(オープンプライス/実売33,000円前後)、オーバーヘッド型のヘッドフォン「PX 95」(オープン/実売6,000円前後)、ネックバンドタイプのカナル型(耳栓型)イヤフォン「PCX 95」(オープン/実売7,000円前後)、同じくネックバンド型ヘッドフォン「PMX 95」(オープン/実売7,000円前後)も体験会場に用意されていたので、こちらも聞いてみた。

 「HD 25 ALUMINIUM」は、1988年から発売しているお馴染みの密閉型ヘッドフォン「HD 25」の誕生25年を記念した製品で、ハウジングにアルミニウムを使っているのが特徴。通常モデルと比べると、パワフルさがありながらも、中低域の余分な膨らみをキッチリ制動したクリアさ、見通しの良さに重きを置いたサウンドでになっている。

HD 25 ALUMINIUM
通常のHD 25

 PX 95/PMX 95/PCX 95は、実売6,000円~7,000円の比較的低価格なモデル。オーバーヘッド型ヘッドフォン「PX 95」とネックバンド型ヘッドフォン「PCX 95」は、ヘッドフォンでありながら、手に持つと非常にコンパクトに感じる。軽量であるため、装着しても頭部の負担は少ない。

 3機種とも低域を豊かに再生するタイプだが、ネックバンド型カナルの「PCX 95」は中低域の膨らみが強め。高域は、やや頭を抑えられた印象があり、全体的にパワフルなサウンドだ。

 ネックバンド型ヘッドフォン「PMX 95」と、オーバーヘッド型「PX 95」の傾向は良く似ており、低音は強めだが、バランスは良く、高域の抜けも良好。余分な付帯音も少なく、迫力がありながら、モニターライクな素直さも兼ね備えている。どちらも低価格なモデルだが、再生能力の高いポータブルヘッドフォンとして、要注目の2機種だ。

オーバーヘッド型のヘッドフォン「PX 95」
ネックバンド型ヘッドフォン「PMX 95」
ネックバンドタイプのカナル型イヤフォン「PCX 95」

(山崎健太郎)