オーテク、ダイナミック型2基の新方式イヤフォン

ATH-IM70

　オーディオテクニカは、同口径のダイナミック型ユニットを2基配置し、同期させて駆動するデュアル・シンフォニックドライバを搭載したカナル型(耳栓型)イヤフォン「ATH-IM70」と「ATH-IM50」を11月15日に発売する。価格はどちらもオープンプライス。店頭予想価格は「ATH-IM70」が11,000円前後、「ATH-IM50」が6,000円前後。

　カラーは「ATH-IM70」がレッド。「ATH-IM50」はブラックとホワイトを用意する。

ATH-IM70

ATH-IM50のブラック

ATH-IM50のホワイト

デュアル・シンフォニックドライバの内部構造

　どちらのモデルも8.8mm径のダイナミック型ユニットを2基内蔵。内部では、筒の中に2つのユニットを配置したようになっており、2基のユニットに同じ信号を入力し、同じ空間の中で同調して動作させる。こうする事で、ユニットが振幅する際の乱れが抑えられ、よりストレートな振幅が可能になり、歪の少ない、高解像度なサウンドが再生できるという。オーディオテクニカではこのシステムを「デュアル・シンフォニックドライバ」と名づけている。

　筐体の素材は、「ATH-IM70」がアルミと硬質樹脂のハイブリッドで、共振を低減。「ATH-IM50」は樹脂で構成されている。

　ケーブルは着脱式で、端子は2ピンを採用。イヤフォン側のケーブルにはワイヤーが入っており、耳掛け式の装着ができる。長さはY型で1.2m。イヤーピースはS/M/Lの3サイズで、コンプライフォームイヤーピースも同梱する。

ATH-IM70

ケーブルの着脱が可能

ATH-IM50のブラックモデル

こちらもケーブル着脱可能

　各モデルの詳細は下表の通り。

音を聴いてみる

　ハイレゾプレーヤーの「AK120」と組み合わせて試聴した。

　「ATH-IM70」は、ダイナミック型らしい厚みのある音で、中低域の迫力が印象的。どちらかと言えばパワフルなバランスで、中域の張り出しも強い。一方で、中高域はそれに覆われないクリアさを維持している。搭載ユニットはどちらもダイナミックであるため、BAとダイナミックのハイブリッドのような、ユニットによる音色の違いは感じられない。ダイナミック型の2ウェイや、ハイブリッドとは一味違う、興味深いサウンドだ。

　下位モデルの「ATH-IM50」もデュアル・シンフォニックドライバを搭載。「IM70」と比べると、中低域のパワフルさが一歩引いたバランスになる。だが、逆にそれによりバランス良好なモニターサウンドになっており、個人的にはIM70より好みだ。「IM50」では、高域だけでなく、低域の分解能の高さも聴き取りやすく、歪を抑えるというデュアル・シンフォニックドライバの利点が実感しやすいイヤフォンと感じる。実売6,000円前後と低価格だが、要注目機種だ。

　前述の通り、「デュアル・シンフォニックドライバ」はドライバを2基搭載しているが、中低域をパワーアップさせる技術ではなく、あくまで高解像度なサウンドを再生させる技術となっている。