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「きっかけはブルーハーツ」堀江貴文らのハッカーズがハイレゾ配信開始。紅白にも意欲

ゼロ ~裸の俺たち~

 オンキヨーエンターテイメントテクノロジーは28日、ハイレゾ音源配信サイト「e-onkyo music」において、堀江貴文氏、茂木健一郎氏、金杉肇氏による音楽ユニット「ハッカーズ」のデビュー曲「ゼロ ~裸の俺たち~」のハイレゾ配信を開始した。24bit/96kHzのWAVとFLACでの配信となり、単曲500円。同日には、配信開始を記念して、ハッカーズのメンバーも参加する試聴会が開催された。

 既報の通り、ハッカーズは、堀江氏の著書「ゼロ___なにもない自分に小さなイチを足していく」をキッカケとして結成された音楽ユニット。デビュー曲となる「ゼロ ~裸の俺たち~」は、堀江氏の経験に基づいた歌詞をパンクサウンドに乗せた、メッセージ性の強い楽曲となっている。

「新しい」からハイレゾ。紅白やロックフェスも視野に

左から、金杉肇氏、堀江貴文氏、茂木健一郎氏

 28日の試聴会は、都内のレコーディングスタジオでマスコミ向けに開催。ハッカーズのメンバーである堀江氏、茂木氏、金杉氏とともに、CDと同等の音質である16bit/44.1kHzバージョンと、e-onkyoで配信されるハイレゾ音質の24bit/96kHzバージョンの聴き比べを行なった。

 最初に再生された16bit/44.1kHzバージョンは、パンクサウンドらしいノイジーなテイストに仕上げられており、堀江氏のボーカルが激しいギターやドラムの音に隠れてしまうところもあったが、ハイレゾ版は音の分離がよくスッキリとしており、ボーカルが一歩前に出てきたような解像度の高い仕上がりに感じられた。

金杉氏

 楽曲をハイレゾで配信した理由について、音楽プロデューサーでもある金杉氏は、「昨年の秋ごろからハイレゾに注目が集まっていると感じていた。やるなら新しい方がいいと思い、ハイレゾでリリースすることにした」と説明。また、「ハイレゾはクラシックが主で、最近アニソンなども出てきているが、その中にハッカーズのようなパンクミュージックが一緒に並べられるのも面白いのではという思いもあった」と、ハイレゾ市場に一石投じたい気持ちもあったという。

 作詞を担当した堀江氏は、「ゼロはブルーハーツにインスパイアされて出来た曲。元々ブルーハーツが好きで、よくカラオケで歌う」といい、ハッカーズ結成のきっかけもブルーハーツであると話した。著書「ゼロ___なにもない自分に小さなイチを足していく」の出版記念パーティの2次会で、堀江氏がブルーハーツの曲を歌っていたところ、その姿に「ロックを感じた」という金杉氏が声を掛けたところから話が始まったという。堀江氏はハッカーズ結成をきっかけにギターを購入し、仕事の合間を縫って練習に励んでいるそうで、「いつかロックフェスで演奏したい」と意気込みを語った。

堀江氏
堀江氏は取材終了後、スタジオの隅でギターの練習をしていた
茂木氏

 茂木氏は、「ハイレゾ楽曲は、2万Hz以上の可聴域を超えた音を再生できる。これはインドネシアのガムランなどにも含まれているもので、耳には聴こえなくても、身体で感じることができると科学的に証明されている」と、脳科学者の立場から説明。「音楽は何回聴いても脳が飽きないという特徴があるが、今回の曲もレコーディング時から30回以上繰り返し聴いている」と話すと、横にいた堀江氏が「俺は歌入れのときに1回しか聴いていない」と明かし、取材陣の笑いを誘った。茂木氏は、「12月31日の予定は空けているので、ぜひ紅白出場を目指したい」と、年末に向けての意気込みを語った。

 なお、現在茂木氏作詞による第2弾の「卒業」という曲を制作中で、3月末ごろにリリース予定。第3弾も既に収録済みで、2、3、4月と3カ月連続リリースを予定している。第3弾の曲では"ひきこもり"をテーマに、「音楽的にも新しいことにチャレンジしている」としており、パンク以外のジャンルになる可能性もありそうだ。いずれも現在のところe-onkyoでの先行配信で、その他の配信サイトやCDでのリリースは未定。

(一條徹)