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ヤマハ、HDCP 2.2/DSD/Bluetooth/FM補完対応で約6~7万円のAVアンプ2機種

 ヤマハは、全チャンネルディスクリート構成で、4K/60pのパススルーに対応するAVアンプ2機種を7月中旬に発売する。価格は、5.1chアンプの「RX-V479」が61,000円、7.1chの「RX-V579」が72,000円。カラーはどちらもブラック。

7.1chの「RX-V579」

 最大出力は、RX-V479は135W×5ch(6Ω)、RX-V579が135W×7ch(6Ω)。各モデル、従来機種との違いはBluetooth受信に対応した事。さらに、HDMI入力がHDCP 2.2に対応、4K/60p 4:2:0の映像もパススルー出力も可能になった。ラジオチューナもFM補完放送対応になっている。

5.1chアンプの「RX-V479」

 HDMIは6入力、1出力を搭載。BluetoothのコーデックはSBCとAACをサポートする。プロファイルはA2DP、AVRCPに対応。スマートフォンでの操作に加え、AVアンプ側から選曲・再生操作もでき、HDMI出力での曲名表示にも対応する。

 圧縮された音楽データの再生時に、16kHz以上の不足している高音域などを補完するミュージックエンハンサー機能を搭載。この機能はBluetooth再生時にも利用できる。

「RX-V479」
「RX-V579」

 USB端子に接続したUSBメモリ内からの音楽再生に加え、EthernetとIEEE 802.11b/g/nの無線LAN機能を搭載し、DLNAを使ったネットワーク経由での再生も可能。WAV/FLAC/AIFFの192kHz/24bitまでのハイレゾファイル再生も可能。DSD 2.8/5.6MHzのファイルも再生できる。従来モデルはAIFFやDSDには対応していなかった。

 USB端子も備えており、USB接続したiPhoneなどからデジタル再生する事もできる。AirPlayやネットラジオのvTunerにも対応する。スマートフォン/タブレット用アプリの「AV CONTROLLER」からのワイヤレス操作も可能。無線LANルータが無い環境で、スマホ/タブレットのAV CONTROLLERと直接ワイヤレス接続する「Wireless Direct」も利用可能。

 ネットワーク、USB、Bluetooth再生で利用するネットワークモジュールも刷新。高精細、ロージッタのクロックを導入する事で、ノイズレベルを約10%低減させた。

RX-V579とRX-V479に付属する新リモコン

 シネマDSPは、“高さ”方向の音場データを加え、立体的なサラウンド空間を実現する「シネマDSP 3Dモード」に対応。音楽再生プログラムでは天井や床の反響音まで計算することで、ホールの空間を再生可能。映画用プログラムでは、映像とサラウンド音場の一体感を高めている。さらに、仮想のプレゼンススピーカーを生成する「バーチャル・プレゼンススピーカー」機能も利用可能。

 視聴環境最適化システムの「YPAO」も装備する。付属リモコンのデザインを変更。従来のリモコンのボタンを個々に吟味し、各入力をダイレクトに選択するボタンを削減するなど、数を減らし、ボタンのサイズを大きく、シンプルな配置にしたという。

V579のみの特徴

 V579はさらに、新たな高音質パーツとしてフィルムに近い素材の新キャパシタを導入。ヤマハとルビコンが共同開発したもので、従来はセラミックを使っていたが、新たな素材の採用により音の明瞭さがアップしたという。V479はセラミックを使っている。

 また、新たに「バーチャル・サラウンドバックスピーカー」機能を搭載。サラウンドの2chデータを使い、サラウンドバックの音をバーチャルで創り出す技術で、5.1chのスピーカー環境において、6.1ch以上のサラウンドデータを入力した際に利用できる。

 従来モデルから踏襲している機能として、5.1chスピーカー環境時にシネマDSPをかけると、サラウンドの仮想音源と、センタースピーカーから出る音のクロストークキャンセルを用いて、フロントの上方向にフロントハイスピーカーをバーチャルで再現する「VPS」(バーチャル・プレゼンス・スピーカー)も利用可能。

 このVPSと、前述のバーチャル・サラウンドバックスピーカー機能を組み合わせて、5.1chスピーカー構成に、例えば7.1chの音声を入力し、背後のサラウンドバックの音と、上方向の音を創成し、9.1chの仮想再生を行なう事もできる。

 フロントスピーカーとサラウンドスピーカーをリスナーの前方に並べて、5.1ch再生を行なう「バーチャル・シネマフロント」にも対応。V579のみ、HDMIのゾーン機能にも対応する。

筐体サイズは共通

 HDMI以外の入出力として、音声入力は、アナログステレオ×4(RCA×3/ステレオミニ×1)、光デジタル×1、同軸デジタル×2を用意。映像入力はV579がコンポーネント×2、コンポジット×4。V479はコンポジット×4。出力は、V579がコンポーネント×1、コンポジット×1、サブウーファ出力×2、ヘッドフォン出力×1。V479がコンポジット×1、サブウーファ出力×1、ヘッドフォン出力×1を装備する。

 消費電力はどちらも260W。外形寸法は、435×327×161mm(幅×奥行き×高さ)、重量はが8.1kgで共通。

RX-V579の背面
RX-V479の背面

(山崎健太郎)