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AKとbeyerdynamicがコラボ、世界初のテスラ技術搭載イヤフォン開発。IFAで公開

 アユートは、iriverのAstell&Kernブランドのイヤフォンとして、beyerdynamicとコラボレーションし、テスラテクノロジーを導入した世界初のカナル型イヤフォン「AK T8iE」を発表した。日本での発売日や価格は未定。米国向けには999ドルで販売するという。ドイツのベルリンにて現地時間の9月4日から開催されるエレクトロニクスショー「IFA2015」にて初公開する予定。

テスラテクノロジーを導入した世界初のカナル型イヤフォン「AK T8iE」

 beyerdynamicはこれまで、1テスラ(=10,000ガウス)を超える強力な磁束密度を生み出すテスラテクノロジーを搭載したヘッドフォンとして、「T1」や「T5」、コンパクトな「T51i」などを手がけているが、その技術をイヤフォンに投入したのが「T8iE」となる。IFAでは「テスラテクノロジーの素晴らしさと、どの様に小型化を果たしたか、デモンストレーションを行なう」という。

 「AK T8iE」は、独ハイルブロンにあるbeyerdynamicの本社にて、手作業により設計・開発。テスラヘッドフォンの特徴であるリング型マグネットをイヤフォンにも投入しているが、そのサイズはリファレンスモデル「T1」の約1/16に小型化。可動コイルは透けて見えるほど薄く加工されており、高効率と高い再現力を備えたユニットになっているという。ユニットはシングルで、口径は11mm。

 音の傾向としては、「小さなスペースにテスラ技術を導入することにより、全ての帯域においてニュートラルで正確なサウンドを実現。多くのイヤフォンで難しいとされる、厚みのある低域再生と洗練された高域再生も可能にした」とする。

 また、ハイレゾプレーヤーのAKシリーズにテスラテクノロジーを最適化。ケーブルも通常の3.5mmステレオミニに加え、AKシリーズ向けに2.5mm/4極のバランスケーブルも同梱する。ケーブルは着脱が可能。ケーブルはケブラー素材で強化され、40,000回の屈曲を想定。

AKシリーズ向けに2.5㎜/4極のバランスケーブルも同梱

 イヤフォンのハウジングには肌に優しく、グリップしやすいクロム合金を使っている。イヤーピースも様々な外耳道を測定した結果、開発した特別なものを同梱。楕円形で、5サイズを用意する。コンプライタイプもS/M/Lサイズを同梱する。レザーケースも付属する。

楕円形のシリコンイヤーピースと、コンプライタイプを同梱
ケース
レザーケースも

開発の経緯について

 開発は2013年の夏からスタート。サウンドチューニングの際は、ハイレゾポータブルプレーヤーの「AK380」をリファレンスプレーヤーとして使用。バランス接続でのチューニング時には、iriverのチームも関与したという。

 共同開発の経緯について、beyerdynamicのCEO、ヴォルフガング ・ルックハルト氏は、「2013年のbeyerdynamicとAstell&KernのコラボアンプであるA200P(※日本未発売)。ここで得た経験から前向きにもっと他のことを進めたいと考えた」という。

 iriverのCEO、ヘンリー・パーク氏は、「Astell&Kernのプレーヤーは最高品質のヘッドフォンを求めます。beyerdynamicは正に最高品質のヘッドフォンとして、相性が良い製品だと思っています。beyerdynamicは Made in Germanyが成しえる高い品質がブランドコンセプトの根幹だと考えています。ドイツ製品は世界中でも評判が高く、特にAstell&Kernブランドのホーム市場となるアジアでも高い評価を得ています。故にA200Pのローンチ後に、次なるコラボモデルであるbeyerdynamicのT5pをベースにし、我々の特定の要件を反映したAKT5pを続けてローンチしました」と、経緯を説明している。

 なお、beyerdynamicとAstell&kernのコラボレーションは今後も展開予定で、他の製品の準備もすでに進行しているという。その製品は、9月末に開催される「CanJamヘッドホン・ショー」に出展予定。

beyerdynamicのCEO、ヴォルフガング ・ルックハルト氏
iriverのCEO、ヘンリー・パーク氏

(山崎健太郎)