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映像と音楽を身近に。小型超短焦点プロジェクタと照明スピーカーをソニーが来春発売
(2015/9/5 08:00)
ドイツ・ベルリンで9月4日~9月9日(現地時間)に開催されている「IFA 2015」のソニーブースにおいて、映像や音楽が生活に溶け込んだ生活スタイルを提案している「Life Space UX」の展示コーナーで、新たに超短焦点のポータブルプロジェクタと、スタンド照明型のBluetoothスピーカーが来春より発売されることが明らかになった。両製品の様々な活用方法を中心に、同コーナーの様子をレポートする。
「Life Space UX」の製品としては、ローボード型の4K対応超短焦点SXRDレーザー光源プロジェクタ「LSPX-W1S」や、LED電球一体型スピーカーの「LSPX-100E26J」が既に販売されている。これらに加え、従来はコンセプト展示という位置付けだった2つの製品が、来春より発売される。なお、発売地域は明らかにしていない。
プロジェクタ映像で列車旅行気分。紙のカレンダーと映像が融合
1つ目は、壁面などに投写可能な「Portable Ultra Short Throw Projector」(ポータブル超短焦点プロジェクタ)。使い方の提案がユニークで、例えば座っている脇に置いて、長距離列車の車窓から見たような流れる風景の映像を投写することで、まるで家の中にいながら旅行しているような気分が味わえる。また、壁の天井近くに設置することで、ベッドで寝ながら映像を楽しむこともできる。
簡単に持ち運べるため、キャンプなどで“たき火”しているような映像を流したり、子供のための“ミニシアター”として使うといった用途にも利用できるという。
そのほか、壁に貼った紙のカレンダーの上から投写することで、映像上で予定を書き加えるといった方法も提案。スマートフォンと連携することでスケジュール管理などをしやすくする。
テーブルの上にプロジェクタを置いた利用も紹介。テーブルに投写された映像をタッチ操作してアプリのようなものを起動し、音楽再生するというデモも行なった。近くに置いたスマホのコンテンツとプロジェクタの映像の連動もできるという。
プロジェクタのスペックとしては、1月に米国で行なわれたInternational CESでは「720p解像度のLCOS(反射型液晶)」としていたが、今回、デバイスなどの詳細は明らかにしていない。実際の映像を見るとコントラストは高いため、部屋を真っ暗な状態にしなくても内容が見やすいと感じる。映像コンテンツを楽しむというだけでなく、スマホと連携させることで、家族や少人数のグループで共用できる情報端末のように活用するのが便利そうだ。
音質も侮れない照明スタンド型スピーカー
もう1つの製品が、「Symphonic Light Speaker」。International CESでは天井から吊り下げるペンダントライト型だったが、下に置くスタンド型に変わった。スマートフォンなどからBluetoothで音楽をワイヤレス受信して聴くことが可能。照明部分にはLEDを使用する。
スタンド型の形状から、有機ガラス管を使った同社の無指向性スピーカー「Sountina(サウンティーナ)」('08年発売)を想起させる。基本的な考え方は同様で、「バーティカルドライブテクノロジー」によってガラス管を振るわせて、360度方向に音を放出する。Sountinaは発売当時105万円という価格だったが、今回のSymphonic Light Speakerは、コンパクトな筐体でSountinaよりも高音質を実現したという。
実際にスマートフォンの音楽を再生したところ、中高域に伸びやかさがあり、低域の量感は控えめながらも、全体のバランスは良く、小型の無指向性Bluetoothスピーカーという枠を超えた音質を実現しているのが感じられた。IFAの来場者からも、口々に音質への驚きの声が聴かれ、デザインのユニークさだけではないスピーカーと言えそうだ。
もう一つの新しいコンセプトモデルとして、観賞植物を照らすライトのようなスピーカーも参考展示。
書斎をイメージした机の上に小さな鉢植えがあり、それを囲むようにメガホン状の傘を上から被せたような形状で、上からライトを照らすとともに音が流れる。上記のSymphonic Light Spearkerと同様にガラスを震わせて音を出すという方式。BGMのように環境の一つとして音楽を流すといった利用を主に想定しており、生活に溶け込んだ形で音を楽しむことを提案している。