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三菱、BT.2020カバー率98%のRGBレーザーディスプレイ

ハイレゾ対応「DIATONE SOUND.NAVI」もデモ

 10月7日~10日に千葉・幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2015」において、三菱電機はレーザー光源を用いて、BT.2020カバー率98%を実現した超広色域ディスプレイを参考出展した。

CEATEC JAPAN 2015 三菱電機ブース

 8K/SHV放送で導入が見込まれる広色域規格のBT.2020だが、現時点ではテレビやモニターで、その色域全てを表現できるものはない。レーザーの広い色表現能力を活かし、BT.2020のカバーを目指して開発しているのが、RGBレーザーディスプレイだという。

超広色域ディスプレイでBT.2020 98%カバー

 50型の4K/3,840×2,160ドット液晶パネルと、バックライトにRGB(赤/緑/青)の半導体レーザーを用いて、BT.2020カバー率98%を実現。同社の液晶テレビ「REAL LS1シリーズ」では、赤色レーザーとシアンLEDを用いて、BT.2020カバー率80%と民生用テレビでは最高水準の広色域を実現しているが、今回の展示機では、青や緑も半導体レーザーを採用することで色域を更に拡大した。

通常のBT.709(左)とBT.2020 98%カバーのRGBレーザー(右)
超広色域ディスプレイの概要

 ただし、新レーザーのコストも高いため、民生用テレビなどでの採用は難しく、放送/業務向けのマスターモニターなどでの採用を検討しているという。

 同ディスプレイは、5月のNHK技研公開でも紹介されており、NHKとの共同開発品となる。NHKが8K/SHV放送を推進するにあたり、BT.2020の広色域をカバーできる製品が放送用でも存在しないため三菱電機とNHKが共同開発を行なっている。そのため、今後の4K/8K放送でのBT.2020の普及にあわせて、マスターモニター向けの販路を持つメーカーへの技術供与なども含め、実用化に取り組むとしている。

 また、10月1日に発表した、ハイエンドカーナビ/オーディオ「DIATONE SOUND.NAVI NR-MZ100」シリーズも紹介。アルファ・ロメオのジュリエッタを使ったハイレゾ再生デモを行なっている。

アルファ・ロメオ ジュリエッタでハイレゾデモ

 NR-MZ100シリーズは、音楽CDやBluetoothのほか、USBメモリなどの記録した最高192kHz/24bitまでのFLAC/WAVなどのハイレゾファイル再生に対応する。ただし、出力時には44.1kHz/24bitにダウンコンバートして出力される。

NR-MZ100PREMI

 NR-MZ100は、フロントスピーカーのマルチアンプや31バンドグラフィックイコライザに対応する上位モデル「NR-MZ100PREMI」(24万円)と、「NR-MZ100」(17万円)の2モデルで展開。デモはNR-MZ100PREMIを用いて、DIATONEのツィータ、ウーファ、サブウーファから構成されるシステムでハイレゾとCDの比較などが行なえる。

NR-MZ100PREMI
ツィータ
システム構成

(臼田勤哉)