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オンキヨー&パイオニア、ポータブルプレーヤー本格参入。ハイレゾヘッドフォン予告も
(2015/10/14 21:41)
オンキヨー&パイオニアイノベーションズは14日、ハイレゾ対応ポータブルオーディオの新製品発表会を開催し、ポータブルオーディオ事業へ本格参入するとの方針を示した。オンキヨーブランドの2.5mmバランス対応ハイレゾプレーヤー「DP-X1」や、パイオニア初となるハイレゾプレーヤー「XDP-100R」などを披露したほか、今後発売予定のハイレゾ対応ヘッドフォンも予告した。
発表会は、東京・池袋のニコニコ本社のイベントスペースで「ハイレゾワールド2016@ニコニコ本社」として開催。ゲストとして、アニメ「黒子のバスケ」などで知られる声優の小野賢章さんが登場し、「XDP-100R」を使った感想などを語った。会場は東京・池袋のニコニコ本社で、その模様はニコニコ生放送でライブ配信された。
発表された新製品の詳細は別記事で掲載している。ハイレゾプレーヤーの「DP-X1」(オンキヨー)や、「XDP-100R」(パイオニア)、クラブミュージック向けなどパイオニアブランドのヘッドフォン、オンキヨーのハイレゾ対応ヘッドフォン/スポーツ向けイヤフォン、Bluetoothスピーカーなどを用意する。
ポータブル事業に本格参入。TIDAL採用が決まったMQAのe-onkyo対応も検討中
ポータブルオーディオに本格参入する理由について、オンキヨー&パイオニアイノベーションズの宮城謙二社長は、ハイレゾ音楽配信のe-onkyo musicにおいて'15年内に楽曲数が13万曲以上まで伸びるとの予測を示したほか、ハイレゾとは別の動きとして、海外ではSpotifyの普及に加え、DEEZERやTIDALといった高音質を特徴とする音楽配信も拡大しつつあることを紹介。パイオニア/オンキヨーの両ブランドでは、これまでもホームオーディオ機器でハイレゾ対応のモデルを数多く製品化したことなども振り返り、こうした状況を踏まえて新たなライフスタイル提案として今回の新モデルを投入するとした。
ハイレゾプレーヤーの新機種である「DP-X1」や「XDP-100R」はいずれも今後のアップデートでストリーミング配信でも利用可能なハイレゾ対応の新フォーマット「MQA」に対応することも予告。海外の動向としては、MQAを展開するMeridianが、音楽配信のTIDALと提携し、'15年の第4四半期をメドにMQAでの配信も予定しているという。e-onkyoでのMQA配信について現時点では未定だが、ダウンロード配信を含む様々な方法で、MQAに対応するための検討を進めているという。
同社のイノベーション事業本部 本部長の土田秀章氏は、DP-X1とXDP-100Rについて、「DAC以降の回路にオーディオメーカーとしてのノウハウを投入し、ハイレゾ音源以外でも手持ちの音楽コンテンツをハイクオリティで再生できて、スマートフォンよりももっといい音で楽しめる」と紹介。それぞれの製品について「DP-X1は音質を追求する人(オーディオファン)、XDP-100Rはハイレゾをこれから楽しみたいエンターテイメント関心層がターゲット」と説明。価格はオープンプライスだが、店頭予想価格はDP-X1が69,800円前後、XDP-100Rが59,800円前後の見込みであることについて、「日本でハイレゾの市場拡大を図る武器とする」との考えを示した。
パイオニアのハイレゾ対応ヘッドフォンも今冬に
同事業部のマーケティング部長 畑光史氏は、パイオニア/オンキヨーブランドで一挙に投入するヘッドフォンの新モデルを紹介。ハイレゾ対応のオンキヨー「H500M」や、クラブサウンド向けの「SE-MX8」などの特徴をアピールした。
加えて、今冬の発売を見込むパイオニアブランドの新たなハイレゾ対応ヘッドフォンも予告。「より多くの方にハイレゾを楽しんでいただけるモデル」としており、価格や仕様の詳細は明かされなかったが、前述のクラブサウンド向けとは異なり、ハイレゾの音質を重視した密閉型のポータブル上位機種と位置付けられる。ヘッドフォン側のケーブルは片出しで着脱可能。バランス接続に対応するかどうかは検討中だという。
発表会では、声優の小野賢章さんを招いたトークセッションを開催した。小野さんは、オンキヨーのカスタムイヤフォンを制作し、ライブなどのイヤモニターとして愛用しているという。それまで自分専用のイヤモニを使っていなかったことから、「愛着もあって手放せない。無いと不安でしょうがないほど」とのこと。学生時代は軽音楽部に所属し、今もロックをよく聴くという小野さんは、新モデルのXDP-100Rを試用した感想として「スマートフォンと比べると、向こう側に演奏している人がいるんじゃないか、というぐらいにクリアな音。好きな曲で聴き比べてみたい」とした。特に気に入った部分は“ボリュームの操作感”で、「カチカチとした回し心地がたまらない。細かく微調整できて、ずっと触っても飽きない。重量感も良い」とオーディオ好きの一面をのぞかせた。