ニュース
Shureのコンデンサ型イヤフォン「KSE1500」に注目
フルテックはフォノイコ内蔵/11.2MHz DSD対応DAC
(2015/10/24 20:26)
10月24日(土)と25日(日)の2日間、東京・中野の中野サンプラザで開催されている「秋のヘッドフォン祭 2015」。AV機器の専門店フジヤエービックのデジタルスタイルショップが主催するイベントで、各社の新製品が展示、試聴もできる。ここではShureや完実電気関連ブースが並ぶ11階の模様をレポートする。
Shure「KSE1500」に注目
11階でひときわ大きな展示スペースをもつのはShure。22日に発表した世界初の高遮音性コンデンサ型イヤフォン「KSE1500」や同社初のUSB DAC/ポータブルヘッドフォンアンプ「SHA900」などが試聴可能となっている。試聴は予約制となっているが、試聴機は豊富に用意されている。
ブースはヘッドフォン祭会場でも最大級のもので、試聴時間はそれぞれ5分までとされている。多くの来場者が訪れ、スタッフと意見を交わしたり、感想を述べていた。
KSE1500は、コンデンサ型のシングルドライバを搭載したイヤフォンと、専用アンプで構成する世界初の高遮音性コンデンサ型イヤフォン。実売価格は36万円前後。遮音性の高いカナル型イヤフォンに、新開発の超軽量振動板などによりコンデンサ技術を適用。バランスド・アーマチュア型やダイナミック型では実現できない広い周波数レンジ再生を可能にするという。アンプ部は、USBも備えており、96kHz/24bitまでのハイレゾ入力にも対応する。
「SHA900」は、Shure初のUSB DAC/ポータブルヘッドフォンアンプ。「KSE1500」のUSB DAC/アンプ部を、ステレオミニ接続ヘッドフォン対応とした製品で、Shureのフラッグシップイヤフォン「SE846」に最適化して開発。実売価格は12万円前後。
HIFIMANは新プレーヤー
HIFIMANは、新ハイレゾプレーヤー「HM802U」や、平面駆動ヘッドフォン「Edition X」などを参考出展。いずれも11~12月の発売を予定している。
HD802Uは、新デザインを採用したポータブルハイレゾプレーヤー。2.8MHzまでのDSDや、192kHz/24bitのWAV/FLAC/AIFFなどの再生に対応。DACはWolfsonの「WM8740」を2基内蔵し、オペアンプは「OPA627AU」。新デザインとともに操作性の改善も図ったという。128GBまでのSDメモリーカード(SDXC)に対応。バッテリ駆動時間は約11時間。11月中の発売を予定しているが、価格は未定。
Edition Xは、同社のフラッグシップヘッドフォン「HE1000」をアンバランス接続可能にした平面駆動ヘッドフォンの上位機。ポータブル利用も可能で、インピーダンスは25±3Ω。周波数応答は8Hz~50kHz、重量は399g。
「Edition S」は、密閉型のポータブルヘッドフォンで、11月に発売予定。価格は未定。周波数応答は19Hz~22kHz、インピーダンスは32±3Ω。重量は240g。
フルテックはフォノイコ内蔵USB DAC/プリアンプ
フルテック/ADLは、USB DAC/プリアンプ「STRATOS」を参考出展。11月に発売予定で、価格は139,800円。
11.2MHz DSDや384kHz/32bit PCMに対応したUSB DAC/プリアンプで、DACはESSの「ES9018K2M」を搭載。特徴はフォノイコライザーとPHONO入力を搭載したことで、アナログレコードの録音などにも活用できるという。
USB入力のほか、同軸デジタル入出力、光デジタル出力、アナログ音声出力(RCA)、バランス出力(XLR)などを装備。ヘッドフォン出力もアンバランスとバランスに対応する。デジタルボリュームを採用し、入力系統ごとにボリュームを記憶可能。付属のリモコンによる操作も可能。外形寸法は215×180×64mm(幅×奥行×高さ)、重量は1,330g。
独自の静電型ヘッドフォン「DHARMA D1000」
エニグマ・アコースティックスは、静電型ヘッドフォン「DHARMA D1000」を11月初旬より発売する。実売価格は18~20万円前後。
静電型でありながら電源不要というENIGMAcousticsの特許技術「SBESL」静電スピーカー技術を用いたオープン型のヘッドフォン。高域用にSBESLを、低音域に和紙の製造技術を用いた50mmダイナミックドライバーを使用し、再生周波数帯域は15Hz~50kHzをカバー。インピーダンスは26Ω。最大入力は2,000mW。
ハウジングはアルミ製で、ヘッドバンドには本皮、イヤーパッドにはプロテインレザーを採用。ケーブル長は3mで、ステレオ標準プラグを採用。重量は440g。
また、ガラス筐体の真空管ハイブリッドヘッドフォンアンプ「Athena A1」も11月に発売。価格は24万円。真空管と半導体を組み合わせており、入力段真空管はECC82/B749、出力段はMOSFETとBJTをA級動作で組み合わせたハイブリッド構成。
入力はアナログアンバランス(RCA)×1、出力はヘッドフォン×1(ステレオ標準)。推奨インピーダンスは16~600Ω。
前面には放熱効果の高いアルミフロントパネルを採用。側面や天面にはガラスを用いており、真空管の点灯を外から確認できる。大型のボリュームノブを装備する。外形寸法は117×134×185mm(幅×奥行×高さ)、重量は3.5kg。