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JICO、完全オリジナルのMMカートリッジ。SHURE純正針にも対応
2025年10月14日 17:00
日本精機宝石工業(JICO)は、完全オリジナルのMMカートリッジ「Clipper」を10月1日に発売した。S字/J字トーンアーム対応モデル「Clipper」と、ストレートトーンアーム対応モデル「Clipper-S」を用意し、価格は各55,000円。専用交換針「Clipper Stylus」も14,850円で用意する。
海外では2024年10月から先行発売していたモデル。世界初を謳う「Dual Fitting」モデルで、同社の44モデルの交換針(NUDEチップ、SDチップ、MORITAシリーズ、SASシリーズ)や、SHURE純正針に交換可能。「従来の枠を超えた、レコードの新しい楽しみ方をお届けする」という。
なお、製品には“天然無垢ダイヤモンド丸針”タイプのNUDEチップが付属する。
同じく世界初の「テーパードSカンチレバー」も採用した。テーパードさせることで、先端部の質量を軽減し、振動をより忠実に再現可能だという。また、物理的に先端を細く、根本を太くすることで振動が後方に増幅され、よりパワフルな音の再生も実現した。カンチレバー自体はアルミニウム製。
そのテーパード仕様に、SHUREのSカンチレバー形状も採用した「過去の優れた技術を融合した古くて新しい音」を実現したとのこと。
カートリッジの重心やバランスを考慮し、ヘッドシェルの指掛けはセンターラインに設計されている。
サウンドコンセプトは「自然豊かな山陰地方の風土」だといい、“優しくて落ち着いたイメージ”を基本としつつ、スタイリッシュさも兼ね備えた結果、今回のフォルムに仕上がったとのこと。
再生周波数帯域は20Hz~20kHz、出力電圧は5.0mV~8.0mV、負荷抵抗は47kΩ、針圧は1.8~2.2g、針寿命は約200時間。
JICOは、1966年にレコード針の製造を開始し、それから約60年、メーカーのコピー品をサードパーティとして製造。2021年4月にはSHURE44シリーズカートリッジのレプリカを発表、11月に交換針の完全レプリカを発表している。
2021年にSHURE44カートリッジをリリースした直後、「2024年秋に完全オリジナルのMMカートリッジを研究開発しよう」と決意したといい、開発を開始。
製品名は、1930~80年代にアメリカのフラッグ・キャリアとして君臨していた航空会社のパンアメリカ航空が導入していた「クリッパークラス(Clipper Class)」に由来。「一般大衆的なMMカートリッジよりも少し上質なモデル」という意味を込めたとのこと。