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FIIO、R2R DACヘッドフォンアンプ「K13 R2R」。回路を覗ける“天窓”付き
2025年10月3日 10:00
エミライは、USB DAC内蔵デスクトップヘッドフォンアンプ「K7」の後継モデルとなる「K13 R2R」を、10月10日に発売する。BlackとSilverの2色展開で、いずれも価格はオープン。市場想定価格は52,800円前後。
7月の「ポタフェス2025夏 秋葉原」で初展示されたモデルで、独自開発の4chフルバランス24bit R2R DACを搭載した。チャンネルあたり48個、合計192個の高精度薄膜抵抗器(精度0.1%、温度ドリフト30ppm)で構成されており、「自然で温かみのあるサウンドを実現する」という。
全段にわたってフルバランス回路構成となっており、従来の標準回路からノイズを大幅に低減し、高調波歪みを抑制、静寂性の高いクリアなサウンドを楽しめるとのこと。
アンプ構成はR2R/LPFオペアンプはOPA1642×4基、LOバッファ・オペアンプはLTA8092×2基、ヘッドフォンアンプはOPA1642×2基+TPA6120A×2基。
ヘッドフォン出力は32Ω負荷時で、バランス出力最大2,400mWを実現。高感度のIEM(インイヤーモニター)から大型ヘッドフォンまで、さまざまなイヤフォン/ヘッドフォンを駆動できる。
Bluetooth 5.4に準拠し、コーデックはSBC、AAC、LDACをサポートする。
デジタル入力はUSB Type-C×2と同軸デジタル×1、光デジタル×1。出力はラインアウトがRCA×2とLCR、ヘッドフォンが4.4mmバランス、6.35mmシングルエンド。
対応サンプリングレートは、USBがPCM 384kHz/32bit、DSD 256(ネイティブ)で、同軸デジタルはPCM 192kHz/23bit、DSD 64、光デジタルはPCM 96kHz/24bit。
サウンドの好みに合わせてNOS(ノンオーバーサンプリング)モードとOS(オーバーサンプリング)モードを切り替え可能。NOSでは、元のサンプリングレートを維持して自然で温かみのある音を、OSでは音源を一律384kHzにアップサンプリングし、より解像度が高く、クリアな音を楽しめる。
USBチップはXMOS製「XU316」で、同プラットフォームを活用して特別開発されたPEQ(パラメトリックEQ)を搭載。すべての動作モードで10バンドの周波数調整が可能。なおPEQはPCM 192kHz/23bitまでの信号に対応。
FiiO ControlアプリまたはWeb版から、FIIO独自のチューニングアルゴリズムにアクセスでき、「Retro PEQ」などのプリセットを簡単に利用できるほか、使っているヘッドフォンに合わせた周波数特性の補正も可能。EQカーブのエクスポート・インポートや共有、保存もできる。
30Wスイッチング電源を内蔵。ニッケルメッキシールドカバーで保護されており、干渉防止機能が大幅に向上し、よりクリーンな電源を実現したという。外部DC電源入力も備え、高性能リニア電源とも組み合わせられる。
最大18個の低ノイズLDOと5個のDC-DCコンバータを備えたマルチレール電源を採用したほか、回路には厳選されたシルクフィルム素材で作られたELNA RA3シリーズオーディオコンデンサ、オーディオ専用タンタル電解コンデンサなども採用している。
本体前面には高コントラストの高解像度LCDディスプレイを搭載。サンプリングレート、ボリューム、ゲイン、出力モードなど、デバイスの状態を確認できる。ディスプレイは焼付きリスクがなく、常時点灯可能という。
筐体には、厚みのあるユニボディアルミニウム合金ケーシングを採用した。K11シリーズのミニマルデザインを継承しつつ、天面にはフルバランスDAC回路を覗ける“天窓”が設けられた。「流れるような光と鮮やかな色で、内部技術の美しさを表現している」とのこと。
調整可能なRGBライティング機構も装備。現在のサンプリングレートを表示するほか、明るさや色、点滅パターンをカスタマイズできる。そのほか、過熱・過負荷保護機能なども備える。
外形寸法は脚部を含めて約210x188x42mm、重さは約980g。赤外線リモコンやUSB Type-C to Type-Aケーブルなどが付属する。