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final、世界初ユーザーの体をスマホでスキャンし“音色を個人性適用”するTWS「TONALITE」。クラファン開始

TONALITE

finalは、世界初、身体形状をスキャンして音色を個人性適用するワイヤレスイヤフォン「TONALITE」(トナリテ)のクラウドファンディングを、GREEN FUNDINGにて開始した。通常価格は39,800円の予定だが、リターンとしては21% OFFの31,442円で購入できるSuper Early Birdなどを用意している。

最大の特徴は、アプリを用いて、ユーザーが自分の身体形状をスキャン。そのデータを活かして、音色を個人性適用できる事。

プロジェクトページ

音色を個人性適用するためにDTASを開発

頭の大きさ、耳の形状、肩の厚みといった人間の身体形状は、届く音を変化させる。身体形状は人によって大きく異なるが、従来のイヤフォンは身体形状の影響を加味せず、音を耳に届けてしまうため、人によって音を聴いたときの印象が異なっていたという。

そこでfinalは、独自のシミュレーション技術「DTAS(Digital Twin Audio Simulation)」を開発。専用アプリで身体形状をスマホのカメラでスキャン、クラウド上にユーザーの3Dモデル「アコースティックアバター」を生成する。

このアコースティックアバターを、バーチャル音空間に設置。外耳や頭、胴体が引き起こす音の反射や回折をシミュレーションし、身体形状が音に与える影響を計算する。この計算結果により、音色の個人性適用に必要な物理量を算出。

音波の物理シミュレーションだけでは、その音を聞いた人間が実際にどのように知覚しているかまでは分からないため、独自の聴覚モデルも開発。ヒトが鼓膜に到来する音波の物理情報から、音によるさまざまな情報や印象を知覚するプロセスを、数理的に記述するものが聴覚モデルとなる。

この聴覚モデルでは、身体形状の到来音波への影響に関する物理量から得られた情報から、音色に関連したパラメーターを得るための数理モデルを構築する。これにより「あなただけの自然な音色」を実現するという。

finalによれば、この「自然な音色」が実現すると、「何度も聴いてきた楽曲でも、これまで気がつかなかった繊細な音や抑揚が感じられるようになり、得られる音のイメージがまるで変わる。そのため、“この楽曲ではどんな風に聴こえるだろう?”と、興味が次々と湧いてくる」。

「DTASが導き出す結果は、いわば真っ白なキャンバス。そこに描かれる色(音色)は、白い背景によって鮮明に際立ち、精細なタッチまでが見えるようになる。もしこのキャンバス自体が濁っていたら、描かれた線(音)は見えにくくなってしまう」と説明している。

DTASの精度を支える、高精度ドライバー

専用アプリでは、身体形状のスキャンと解析、DTASプロファイルの生成、個人性適用のデータをイヤフォンに送信して適用するまでの工程を一連で実施できる。

一度設定が完了すると、アプリ内でデフォルトサウンドである「DTAS General」と個人性適用したサウンドの「DTAS Personalized」を切り替えられ、音の変化も確認できる。

アプリ内では、ノイズキャンセリングとアンビエントの切替や、より細かくボリュームの調整ができる「ボリュームステップ最適化」、10バンドイコライザーや充電残量の確認なども用意する。

イヤフォンとしての特徴は、超低歪トランスデューサー「f-Core for DTAS」を搭載している事。

これはDTASの精度を支えるために、finalが新たに設計した高精度ドライバー。DTAS Personalizedの音を正確に再現するには、計算結果をイヤフォンのドライバーユニットの出力に0.1dBレベルで正確に反映させる必要があるため、この精度を実現するために、通常は接着される振動板とエッジをインジェクション成形で一体化。コイルの引出しも空中配線を採用するなど、接着剤を削減することで高い精度を実現した。

さらに、有線イヤフォンのフラッグシップモデル「A10000」の開発で得られた歪み低減技術も投入。これにより、歪み率は劇的に低減し、音の再現性を高めた。

finalではダイナミック型ドライバーユニットを設計から製造まで自社で行なっており、素材加工から製造機器の設計、治具開発まで含め最先端のアプローチを取り入れられる点が強みとなっている。

トリプルハイブリッド・ノイズキャンセリング機能も搭載した。TONALITEの筐体は、音響空間の密閉性を高めるために入れ子構造を採用。また、インナーベント機構によって、筐体内部の空気圧の最適化と密閉性を両立している。

これらの物理遮音性に、フィードフォワード方式とフィードバック方式を組み合わせることによる、トリプルハイブリッド方式のノイズキャンセリングを実現。物理的な遮音性をベースに、ソニー製ANC専用チップセット「CXD3784」とInfineon製高性能MEMSマイクを使用し、final独自のアルゴリズムによって、圧迫感のない静寂を実現したとする。

対応コーデックはSBC、AAC、LDAC。連続音楽再生時間は、本体のみで最大9時間(DTAS General音質優先)、最大7時間(DTAS Personalized音質優先)、最大5.5時間(DTAS General ノイズキャンセル優先)。ケース込みでは最大27時間。

ノイズキャンセリングはアプリ内の設定で「音質優先」と「ANC優先」が選択可能。「音質優先」モードにすれば、音質に全く影響を与えることなく、静寂な環境で音楽を楽しめる。アンビエントモードも備え、Infineon製のMEMSマイクと、独自のアルゴリズムにより特定の音の強調を抑え、静かな環境でも「使える」モードになっているとのこと。

バッテリーや基板を筐体の外側に配置し、耳への挿入部分を小さくすることで、小耳の人も快適に装着できるという。イヤーピースにはシリコンの柔軟性とフォームの遮音性を兼ね備えた「FUSION-G」を使用。密閉と遮音をしながらも圧迫感が少なく、長時間の使用でも快適という。

イヤーピースに加えて、アジャストリングを含めた複数のポイントでイヤフォンを保持するため、安定した装着も実現している。

体験イベントも開催

製品をいち早く試せるイベントも実施。2025年11月24日10時~18時に、神奈川県川崎市のfinal本社にて開催する。

アプリを使用した音色の個人性適用を体験したい場合は、事前予約制の「TONALITE DTAS Personalized体験」の予約フォームから申込みが必要(1枠8人/所要時間1時間)。

個人性適応を行なう前の「Generalモード」の試聴は、開催期間中は予約不要で自由に体験できる。また、体験試聴会は、大阪・梅田と東京・渋谷でも順次開催予定。詳細は後日アナウンスされる。

  • 開催日
    2025年11月24日10時~18時
  • 場所
    〒212-0012 神奈川県川崎市幸区中幸町4丁目44-1 final本社5F
    (本社の正面玄関から入り、突き当り左側にあるエレベーターで5Fホールまで)

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