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FiiO、3.5万円で完全バランス、THX-AAA 788+の小型ヘッドフォンアンプ
2022年11月11日 10:00
エミライは、FiiO Electronicsより、AKMの最新DAC「AK4493SEQ」をデュアルで搭載した完全バランス設計の小型据え置きヘッドフォンアンプ「K7」を、11月18日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は35,750円前後。
2022年1月発売のUSB DAC内蔵ヘッドフォンアンプ「K5 Pro ESS」と同サイズのコンパクト設計ながら、ユーザーからの要望が多かったというヘッドフォンのバランス接続に対応した。
AK4493SEQを左右のチャンネルで1基ずつ動作させるデュアル構成で搭載。オーディオ回路は最上位モデル「K9 Pro ESS」と同じアーキテクチャで設計されており、「DAC、ローパスフィルタ、ボリュームコントロール、バッファアンプ、プリアンプ、ヘッドフォンアンプ」の6ブロックで構成されるフルバランス回路を採用している。
アンプ回路もK9 Pro ESSと共通の「THX-AAA 788+」を採用。「THX-AAA 788」をベースにFiiOとTHXが共同開発したアンプ回路で、高能率から低能率まで、あらゆるヘッドフォン再生において理想的なディテールとダイナミクスを提供するという。K7ではフルバランス構成を徹底し、左右のチャンネルあたり1基、合計2基搭載することで、32Ω負荷時に最大200mW、300Ω負荷時に最大560mWの高出力を実現した。
USBデコードチップにはXMOS製「XUF208」を採用し、最大384kHz/32bitまでのPCMと、DSD256(ネイティブ)、DSD128(DoP)の再生に対応する。電源回路は音質に悪影響を及ぼす電源ノイズを抑制するために、回路の各ブロックにそれぞれ独立した電源供給を行なう電源供給回路設計。12Vの外部スイッチング電源から供給された電力は、各ブロックを担当する低ノイズLDOによってクリーンな状態に保たれ、それぞれ適切な量に調整された上でコンポーネントに供給されるという。
音量調整のためにADCボリュームコントロール機能を採用。音楽信号を流した可変抵抗を直接操作するアナログボリューム方式とは異なり、ボリュームノブの回転変化量をAD変換した値に基づいてボリュームICを制御することによって音量調節を行なう。そのため、アナログボリュームの問題点である左右の音量差、ノイズを排除しながらも、112段階の細やかな音量調整が可能。
デジタル入力はUSB Type-B、同軸デジタル、光デジタルが各1系統で、USBのみPCM 384kHz/32bit、DSD 256の再生に対応する。そのほかは最大PCM 192kHz/24bitまで。アナログ入力はRCAラインを備える。
出力端子は4.4mmバランス、6.35mmシングルエンド、RCAラインが各1系統。出力は32Ω負荷・バランス接続時で≧2,000mW、同負荷・シングルエンド接続時で≧1,220mW。SN比は≧120dB(A-weighted, USB入力時)。THD+Nはヘッドフォン出力時で0.00028%未満、ライン出力時で0.0005%未満。ヘッドフォンの推奨インピーダンスは16~300Ω。
本体前面には各入力を切り替えるINPUTスイッチ、3つの出力モードを切り替えるOUTPUTスイッチ、HighとLowの2段階から調整できるGAINスイッチを装備。ボリュームコントロールを囲むようにRGBインジケーターライトも備える。ライトはK5 Pro ESSから進化し、複数の色を混ぜ合わせた表示も可能。サンプリング周波数も色で表現する。
筐体は剛性の高いアルミニウム合金製で、CNC加工で成形された部品を丁寧に処理した上で組み立てている。外形寸法は120×168×55mmで、幅をA4サイズの1/3以下に抑えたコンパクトなサイズ感となっている。重さは約610g。ACアダプタや電源ケーブル、USB Type-A to Type-Bケーブルなどが付属する。