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ソニー、シリーズ初のイヤカフ型イヤフォン「LinkBuds Clip」

「LinkBuds Clip」(ラベンダー)

ソニーはLinkBudsシリーズより、初となるイヤカフ型完全ワイヤレスイヤフォン「LinkBuds Clip」を、2月6日に発売する。価格はオープン、市場想定価格は3万円前後。カラーはラベンダー、グレージュ、グリーン、ブラックの4色を用意する。

同日にはシリコン製の専用ケースカバーも発売する。こちらも価格はオープン、市場想定価格は3,990円前後。カラーはブラック、ラベンダー、コーラル、グリーン、ブルー。

「LinkBuds Clip」(グレージュ)

同社によれば、完全ワイヤレスイヤフォン市場ではオープンイヤー型の構成比が伸長。なかでも耳たぶを挟むように装着するイヤカフ型が勢いを伸ばしているという。

「1日を通して好きなことをしながら、多様なコンテンツを楽しみたい」というユーザーに向けたモデル。散歩や移動中、家事、ランニング・ジム、買い物中など、さまざまシチュエーションで使用できる。

片手で簡単に装着可能

イヤカフ型イヤフォンでは装着感が重要だとし、LinkBuds Clipではさまざまな人の耳形状の3Dデータを使った設計と装着試験を繰り返して、快適な装着感を実現した。イヤフォンは片手で簡単に装着できる。

フィット感を調整できるフィッティングクッションが付属
フィッティングクッションは山が内側に来るように装着する

特徴的な要素として、フィット感を調整できるシリコン製フィッティングクッションが付属する。イヤフォンのアーチ部分に装着することでフィット感を自分好みに調整できる。製品には本体カラーと同色のフィッティングクッションが付属する。

またLinkBuds Clipでは「スタンダード/ボイスブースト/音漏れ低減」の3つのリスニングモードを搭載。デフォルトでは左側イヤフォンをダブルタップするだけで各モードを切り替えられ、別途スマートフォンを取り出すことなく、シーンに合わせた設定で音楽やコンテンツを楽しめる。

スタンダードはさまざま音楽やコンテンツをバランスのいい高音質で楽しめるモード。ボイスブーストは中音域の周波数を上げて人の声を聞きやすくするモードで、周囲が騒がしくて聞こえにくい環境や、人の声を聞き取りたいコンテンツに最適だという。

音漏れ低減は、音漏れの主な周波数域である高音域の一部を低減することで音漏れを低減するモード。電車内やエレベーターなど音漏れが懸念される場所での利用を想定している。

「LinkBuds Clip」(ブラック)

10mm径のドライバーを搭載。BluetoothコーデックはSBCとAACをサポートする。ソニー独自のアップサンプリング技術「DSEE」に対応し、アプリ「Sony | Sound Connect」では10バンド対応のイコライザーが利用できる。

そのほかアプリでは、設定したユーザーの行動や場所、時間帯などを検知して、最適な音楽体験を自動で提供するという「Scene-based Listening」や、周囲の騒音レベルに合わせて音量を自動的に調整する「アダプティブボリュームコントロール」が利用できる。

「LinkBuds Clip」(グリーン)

通話性能では、2基のマイクと骨伝導センサー、AI技術を組み合わせることで高音質を実現した。骨伝導センサーは周囲の音を拾わず、自分の声の振動のみを拾うため、通話時のノイズを抑えてクリアな音声を相手に届けられる。

AIを用いた「高精度ボイスピックアップテクノロジー」では、AIの機械学習で構成された、装着者の声とそれ以外の環境ノイズを分離するアルゴリズムにより、環境のノイズを抑えて、ユーザーの声をクリアに抽出する。

またイヤカフ形状に最適なアンテナ設計と、これまでのイヤフォンから進化したアルゴリズムを組み合わえることで、より強固な接続性も実現した。

イヤフォンはIPX4の防滴仕様。自分好みの音に簡単にカスタマイズできる「ファインドユアイコライザー」や、対応のストリーミング楽曲をシームレスに再生できる「Quick Access」、「360立体音響」、2台の機器に同時接続するマルチポイントなどが利用可能。

2026年春には、コンテンツ音が空間で流れているBGMのように聴こえるという「BGMエフェクト」もソフトウェアアップデートを通じて提供する。

バッテリー駆動時間はイヤフォン単体で約9時間、ケース併用で最大約37時間。なお「音響設計の関係」(ソニー担当者)により、イヤフォンの左右自動識別機能は非搭載。

専用ケースカバー。フィッティングクッションも付属する
専用ケースカバーは全5色展開

同日発売の専用ケースカバーは、経年劣化しづらいというフロロシリコンゴム素材を使ったもので、持ち運びに便利なカラビナが付属する。またケースカバーと同色・同素材のフィッティングクッションも付属するため、LinkBuds Clipと組み合わせることで、さまざまなカラーバリエーションを実現できる。

実機を聴いてみた

短時間ながら実機を試聴することができたので、ファーストインプレッションをお届けする。

「LinkBuds Clip」(ブラック)を装着したところ

他社製のイヤカフ型イヤフォンでは、“耳たぶを挟む”というより“耳にぶら下がっている”といった、装着感が軽いものも増えているが、LinkBuds Clipは耳たぶを挟んでいる感覚がやや強めで、頭を振るくらいでは耳から外れない安定感がある。もちろん、耳たぶを締め付けるような強さではないので、短時間の装着だったものの痛みや不快感を感じることはなかった。

装着感については、付属のフィッティングクッションを使うことでより強力にすることができるので、日常使いはフィッティングクッションなし、ジムなどで身体を動かす時はフィッティングクッションありといった使い分けができる。この点は他社製品にはない強みだ。

音質は、まずリスニングモードをスタンダードにして、Mrs. GREEN APPLE「ライラック」や米津玄師「IRIS OUT」などを試聴してみた。どちらも低音はズンッと低く沈み込むような迫力はないが、小気味よく音楽を楽しむには十分な量感。またボーカルが一歩前に出てくるようなサウンドで、歌モノとの相性は良い印象だった。

続けて左側イヤフォンをダブルタップして、リスニングモードをボーカルブーストにすると、ボーカルがさらにもう二歩ほど前に出てきて、より声がハッキリと聞き取れるようになる。また高域も持ち上がり、やや腰高なサウンドに変わる印象もあった。

もう一度モードを切り替えて音漏れ低減モードにすると、ボーカルの押し出し感はかなり控えめに。また高域の艷やかさも抑えめになり、解像感も1~2段階トーンダウンするような印象。常用するモードというより、エレベーター内などピンポイントで使い分けていくモードだと実感した。

ちなみに音漏れ低減モードから、もう一度左側イヤフォンをダブルタップするとスタンダードモードに切り替わる。デフォルトではモードが切り替わったタイミングで、音声で選択しているモードがアナウンスされるので、今どのモードを使っているかも把握しやすい。なにより、アプリなどを立ち上げる必要なく、本体操作だけでモードを切り替えられる点は、リスニングモードを積極的に使いたくなるポイントに感じられた。

LDACや左右自動識別機能への非対応、実売価格の高さなど、競合製品と比べると物足りなさを感じる部分もあるが、手軽に使えるリスニングモードやフィッティングクッションを使った装着感のカスタマイズなど、ソニーらしい作り込みの高さも感じられるモデルだ。