トピック
イヤカフイヤフォンには「左右自動識別」が欲しい。使って感じた“左右を気にしない”快適さ
2025年11月18日 08:00
近年、多くのメーカーから相次いで製品が登場している“ながら聴き”イヤフォン。フック型の耳掛け式と、耳たぶにぶら下げるように装着するイヤカフ式の2タイプが主流で、筆者も特に後者のイヤカフ式を日々愛用している。
そんなイヤカフファンの筆者は先日、複数メーカーのイヤカフ式イヤフォンを試用していて、ある機能がないことに強い不満を感じた。それは左右自動識別機能。これからイヤカフ式イヤフォンを買うという人には、ぜひこの機能の有無も機種選びの参考にして欲しい。
左右自動識別機能は、文字どおりイヤフォンが左右どちらの耳に装着されたのかを自動で検知してくれるもの。この機能が搭載されていると、左右を気にせずにイヤフォンを装着できるし、ケースにしまうことができる。
「なんだ、それだけか」と思われるかもしれないが、特にイヤカフ式イヤフォンは、この機能の有無で使い勝手は大きく変わると感じている。
というのも、一般的な完全ワイヤレスイヤフォンと違って、イヤカフ式イヤフォンは左右対称のデザインが多く、ぱっと見ただけや手触りだけでは、ほとんど左右を判別できないからだ。
一般的な完全ワイヤレスイヤフォンや耳掛け式であれば、見た目や触ったときの感覚で左右を判別できるし、誤って左右を逆に装着しようとしても、そのつけ心地に違和感があるので、間違いに気がつけるはず。
それに対して、イヤカフ式は左右対称デザインのものが多いので、見た目や手触りでは判別は難しいし、たとえ左右が逆になっていても違和感なく装着できてしまう。そしてケースにしまう際にうまく入らず、そこで「私、左右逆に着けてました?」と気づくことになるのだ。
もちろん、左右識別機能が搭載されていないイヤカフ式イヤフォンでは、「L/R」の印字や「赤/青」の色塗りで、左右が区別できるようになっているが、例えば歩きながら着脱したいとき、いちいち印字や色を確認するのは面倒。なにかの事情で一度イヤフォンを外してポケットに入れたりすると、これもまた左右が分からなくなるので、印字などを確認しなくてはならない。
ちなみに筆者の場合、ふだん愛用しているイヤカフ式イヤフォンが、ファーウェイ「FreeClip」やShokz「OpenDots One」で、たまたまどちらも左右自動識別機能を搭載していたので、非対応に対するストレス感が強くなってしまった部分も大きい。
「AirPods Pro 3」など普通の完全ワイヤレスイヤフォンを使っている時やヘッドフォンを使う時に、「左右を区別するのが面倒だな」と感じたことは一切ないからだ。
例えば自動識別してくれるFreeClipでは、外出中に一度外してポケットにしまっても、そのまま左右を気にせずにつけ直すことができるし、帰宅して洗面台横やテーブルの上に一度イヤフォンを置いていても、何も気にせずスッとケースにしまうことができる。
しかし、左右識別機能がついていないと、ポケットに入れたり、雑多に置いておくと、再装着やケースにしまうたびに「アレッ?」となってしまう。
イヤカフ式イヤフォンは、サッと手軽に装着して、音楽などをBGM的に楽しめるのが魅力の製品カテゴリだけに、「左右を区別する」という小さな行為でも、思いのほか面倒に感じてしまう。
ちなみに、イヤカフ式イヤフォンの左右自動識別機能は、徐々に搭載機種も増えている。筆者の常用機であるファーウェイ「FreeClip」とShokz「OpenDots One」のほか、コストパフォーマンスの高さで人気のSOUNDPEATSから発売されている「UUイヤーカフ」、「Clip 1」にも搭載されている。
一方で、Ankerの「Soundcore AeroClip」や、9月に登場したばかりのJBL「Soundgear Clips」は自動識別機能は非搭載。
また筆者が使用した経験はないのだが、イヤカフ式イヤフォンとして定番のボーズ「Ultra Open Earbuds」や、こちらも高コスパで人気のEarFunの「Clip」も、左右を見分ける印字などが施されており、製品ページにも左右自動識別する旨は記載されていなかった。
左右識別機能を搭載しないことで、左右に最適化した音作りや設計ができたり、コストを抑えられたりと、メリットもあると思うが、得られる利便性は捨てがたい。イヤカフ式に参入したてのJBLや、このジャンルで定番とも言えるポジションを築いているボーズには、左右自動識別機能を備えたモデルを投入してほしい。


















