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Astell&Kern、聴力テストでサウンドをパーソナル化できるDAP「PD20」
2026年4月17日 11:00
アユートは、Astell&Kernより、ユーザーの聴覚に合わせて独自のサウンドシグネチャーを作成できる「パーソナルサウンド」機能を搭載したDAP(デジタルオーディオプレーヤー)「PD20」を、4月24日に発売する。価格は330,000円。
「真に自分に最適なサウンドの創造と音楽の本質へ向かう第一歩となるために新規開発した、プロユースも想定したDAP」と位置づける。2025年に発売したポータブルとホームユースを兼ねた「PD10」の後継機を作るのではなく、音楽体験そのものを再定義するまったく新しいオーディオプレーヤーを生み出したとのこと。
ユーザーの聴覚に合わせた最適なサウンド特性に調整できる「パーソナルサウンド」機能は、オーディオソリューションの世界的リーダーであるAudiodoと共同開発したもの。
付属の聴力測定イヤフォンを使って、ユーザーの聴覚特性を分析し、左右の耳ごとに個別で補正することで、音の明瞭さとバランスを劇的に向上させる。これにより、ジャンルや音量、使用するヘッドフォンやIEM(インイヤーモニター)の種類に関わらず、つねに最適化されたリスニング体験が可能となる。同機能は最大192kHz/32bitまでのオーディオ再生に対応。
この聴力テストは、あらかじめ設定されたアルゴリズムに基づいて、特定の周波数を正確な音量レベルで再生することで、個人に最適化されたプロファイルを作成するもの。
付属の聴力測定用イヤフォンは、テストアルゴリズムが必要とする正確な音圧レベルを出力できるように専用設計されており、システムもこのイヤフォンにあわせてキャリブレーションされているため、聴力テスト時は、この付属イヤフォンを使用することが強く推奨されている。
Bass/Mid/Trebleを中心とした直感的なコントロールができるAudiodoイコライザーも搭載。上述したパーソナルサウンドのプロファイルと連携して、すでに補正されたサウンド基盤上で動作するため、安定した一貫性のあるパフォーマンスを実現する。Audiodoイコライザーは最大192kHz/32bitまでのオーディオ再生に対応。
チルティング機能を使うと、元のサウンドの特性を保ちながら、低音域、または高音域のいずれかに向けて、全体の音色バランスを自然に調整できる。
さらに、本体上部にある「サウンドマスターホイール」がAudiodoイコライザーとシームレスに連動し、Bass/Mid/Treble の各帯域をー8.0dBから+8.0dBまで160段階で微調整できる。これにより「極めて繊細な音の好みまでも、正確にサウンドへと反映させることができる」という。
DACに搭載された7種類のフィルターを使用できるほか、スピーカーに近い音像を実現するというクロスフィード機能も備える。
DAPとしては、音質に徹底的にこだわって設計したといい、心臓部となるDACにESS製「ES9027PRO」を4基使ったクアッドDAC構成を採用。4つのDACが独立して動作することで、チャンネル間の干渉を最小限に抑え、正確な信号分離を実現した。
これにより音の微細なニュアンスも、より鮮明に再現し、「クリーンで歪みのない音層の重なりを通じて、自然でアナログのような音質を創り出す」としている。最大768kHz/32bitまでのPCM、DSD 512に対応。
オーディオの長年の課題のひとつである群遅延を大幅に改善する独自開発「ESA(Enhanced Signal Alignment)」テクノロジーも搭載する。
オーディオにおける群遅延は、各周波数が内部システムを通過するのにかかる時間差により、オーディオ信号内の異なる周波数が同時に到達せず、わずかな遅延が生じる現象のこと。ESAテクノロジーでは、周波数信号をより均一に整列させ、周波数歪みを最小限に抑え、音の明瞭度と純度を向上させる。
Astell&Kernが開発した、主要回路部を一体化するサウンドソリューション「TERATON ALPHA」も採用。効果的な電源ノイズの除去、効率的な電源管理、歪みの少ない増幅により、オーディオ出力インターフェースを通して原音に近いオーディオ再生を実現する。
アンプ部には「トリプルアンプアーキテクチャー」も盛り込んだ。3つの異なるアンプクラスを搭載しており、サウンドの特性と駆動性能の両方を直接選択できる。各アンプクラスは本体側面の物理スライドキーで切り替えられ、直感的、かつ即座に操作できる。
搭載しているのは、増幅時に優れたバランスと効率性を兼ね備え、安定したダイナミクスと明瞭なディテールを提供する「Class ABモード」(デフォルト)と、増幅時の信号の歪みを最小限に抑え、豊かで密度の高いサウンドを実現し、滑らかでアナログのような質感を生み出す「Class Aモード」、両方の質感と効率性・パワーを融合させた「Hybridモード」の3つ。
さらに、Class AモードとHybridモード時のみ、アンプの動作電流を3段階で調整できる「Class A Current」機能も備えている。アンプ電流の調整は、単なる出力制御だけではなく、アンプのエネルギー密度と駆動特性を精密に微調整することで、イヤフォンやヘッドフォンの特性に合わせて音質をさらに磨き上げられる。
ステレオ音源を没入型空間サウンドに拡張するAudiodoの「オーディオスフィア」機能も搭載。2チャンネルのオーディオを仮想的な3次元サウンドフィールドに拡張し、「Subtle(繊細)」、「Balanced(バランス)」、「Immersive(没入)」、「Echoic(響き)」の4つのプリセットを利用できる。同機能は最大96kHz/32bitまでのオーディオ再生に対応する。
第2世代DAR(Digital Audio Remaster)となる、Advanced DARも盛り込まれ、より高精度なアップサンプリングを実現した。オーディオファイルを直接DARエンジンに送らず、まず VSE(Virtual Sound Extender)を使って失われた倍音を仮想復元し、初期段階で音質を向上させる。
その後、高度なDARエンジンが2段階目のアップサンプリングプロセスを、より正確に実行。この2段階のアプローチにより、「これまで以上にオリジナルレコーディングに近い、深く没入感のあるサウンドを楽しむことが可能になる」とのこと。
PCM変換DARでは、44.1/88.2/176.4KHzのPCMを352.8KHzに、48/96/192KHzのPCMは384KHzに変換して再生する。量子化ビット数はすべて32bitに変換される。なお、PCMアップサンプリングのDARを選択している場合、DSD再生時のPCM変換は行なわれない。
DSD変換DARでは、96KHz以下のPCMファイルはDSD128に、176.4KHz以上のPCMファイルはDSD256に変換して再生する。DSD変換のDARを選択している場合、DSD64/128のDSDファイルは、DSD256に変換して再生する。
OSはAndroidだが、独自のカスタマイズ技術「ADP(Astell&Kern Direct Path)」により、Android OSのサンプリング制限(SRC)を回避し、ストリーミング環境でもビットパーフェクトなロスレス再生ができる。
デザインコンセプトは「サウンドラボコントロール」で、本体上部に2基のホイールを備える。ひとつはサウンドチューニング用「サウンドマスターホイール」で、もうひとつは音量調整用。対称的なレイアウトで直感的に操作できる。筐体はアルミニウム製、内蔵ディスプレイは6インチのフルHD。
出力は3.5mm 3極アンバランス(光デジタル兼用)と、4.4mm 5極バランス(5極GND結線)。入力は充電・データ転送に対応したUSB-C。
Wi-Fi、Bluetooth 5.3に対応。Bluetoothコーデックは SBC、AAC、aptX HD、LDAC、LHDCをサポートする。内蔵メモリは256GB(システム領域含む)で、最大2TBまでのmicroSDカードを利用できる。再生時間は最大約14時間、充電時間はPD3.0充電時で約4時間。
外形寸法は155.7×77.5×17.3mm(縦×横×厚み)、重さは約313g。
開封の儀
Astell&Kernの新たな挑戦となるDAP「PD20」。その実機に触れることができたので、開封していこう。
横長の大きなケースに収納されており、蓋を開けると、DAP本体とUSBケーブル、さらにイヤフォンも同梱されている。これが、聴力測定イヤフォンだ。テストアルゴリズムが必要とする正確な音圧レベルを出力できるように専用設計されたもので、聴力テスト時は、この付属イヤフォンを使用することが推奨されている。
実際にこのイヤフォンを用いて、聴力測定を実施してみたが、左右の耳へ、周波数の異なるテストトーンが流れる。大きな音から徐々に小さな音へと変化していくので、音が聞こえるか、聞こえないかをその都度Yes/Noをタップして回答していくスタイル。
測定が終わると、そのデータを活用し、左右の耳に最適化したサウンドを再生できるようになるとのこと。実際に最適化したサウンドの体験は、後日レビュー記事として掲載予定だ。
上部にはイヤフォン出力、ボリュームコールに加え、サウンドマスターホイールを用意。Audiodoイコライザーとシームレスに連動し、Bass/Mid/Treble の各帯域を-8.0dBから+8.0dBまで160段階で微調整できる。


















