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真空管アンプのウエスギ、ヘッドフォン祭に登場。Brise Audio「IBUKI」やfinal「DX10000 CL」にも注目

ウエスギの、世界初真空管式OTL(出力トランスレス)ヘッドフォンアンプ「TAP-101HP」

フジヤエービック主催「春のヘッドフォン祭 2026」が25日、ステーションコンファレンス東京で開催。ここではウエスギ、Brise Audio、finalなどのブースをレポートする。

ウエスギ

スピーカー用の真空管アンプで知られる上杉研究所が、ヘッドフォン祭に初登場した。

基板アッシー済み真空管付キット

上杉研究所の藤原伸夫代表が、以前、ヘッドフォン祭に参加したところ「かつて、晴海で開催されていた頃のオーディオフェアを思い出すような熱気を感じ、また、若い人も多く参加している事から、我々もヘッドフォンアンプで参加して、ウエスギの音を若い人にも聴いていただきたいと考えた」という。

ちょうど、約10年をかけて開発した、出力トランスのないスピーカー用真空管OTL(出力トランスレス)パワーアンプ「U・BROS-333OTL」が完成したタイミングであり、そのU・BROS-333OTL開発で培った技術を、ヘッドフォンアンプに活用。インピーダンス32Ω~600Ωのヘッドフォンに適合し、3ポジション切替可能なヘッドフォンアンプ「TAP-101HP」が完成した。

4月発売予定で、基板アッシー済み真空管付キットが32万円、完成品は40万円の予定。キットも、ハンダごてなどがあれば、難易度はそれほど高くなく組み立てられるとのこと。入力は3系統(RCAピンジャック2系統、前面ステレオミニジャック端子1系統)備えている。

Brise Audio

ユニバーサルイヤフォン「IBUKI」

Brise Audioのブースでは、発表されたばかりの、ケーブル着脱可能なユニバーサルイヤフォン「IBUKI」に注目が集まっている。受注生産で、6月下旬以降出荷開始予定。Standard Edition(チャコールブラック + チタニウムグレー)の価格はオープンで、市場想定価格は100万円。

同社のFUGAKUのように専用アンプがセットになった製品ではなく、通常のDAPやヘッドフォンアンプで駆動できる。「ユニバーサルタイプのイヤフォンというフォーマットで、Brise Audioの考える最高のサウンドを目指した」という。AKAGANE線材を使用した、IBUKI専用チューニングのアルティメットグレードケーブルが付属する。

ブースでは、Brise Audioのポータブルアンプ「WATATSUMI」と組み合わせたサウンドも体験可能だった。

Brise Audioのポータブルアンプ「WATATSUMI」

さらに、新型インターコネクトケーブル「AKAGANE-XLR」も登場。6月発売予定で、予定価格は240,000円~(長さにより変わる)。YATONO-XLRの後継モデルで、高純度・高機能銅を用いた新規開発のSpiralCore線材を採用。

この線材は、従来の「Spiral77」構造を発展させたもので、中心に単線コアを配置、その周囲に細い撚り線を組み合わせているのが特徴。HCNT含むUltimateグレードの高音質加工も施している。

新型インターコネクトケーブル「AKAGANE-XLR」

Brise Worksブランドの新作アンプ、試作Ver.3も展示された。モデル名が入るなど、今後微調整されるが、アルミ製筐体の外観としてはほぼ製品版と同じだという。

USB電源で動作するアナログの卓上ヘッドフォンアンプ。基板も前回展示されたものから更新され、筐体と相まって音質も向上しているそうだ。今年春以降の発売で、予定価格は20万円未満。

Brise Worksブランドの新作アンプ、試作Ver.3
ふるさと納税限定モデル「TAMAMURA」も初展示された

final

finalのブースでは、密閉型ハイエンドヘッドフォン「DX10000 CL」の外観仕上げをブラッシュアップしたものが展示されたほか、試聴機も用意し、MSB Technologyのハイエンドな環境で、ヘッドフォンの実力を体験できる。

「DX10000 CL」
MSB Technologyのハイエンドな環境で試聴可能

ユニークな点として、海外で人気だが、国内未発表のブランド、Schiit Audio(シット・オーディオ)のアンプも用意。

平面磁界型フラッグシップ開放型ヘッドフォン「D8000 DC」「D8000 DC ProEdition」の試聴において、Schiit Audioの「Gungnir 2 DAC」「Mjolnir 3 Amp」や、逢瀬「Junction DAC」、マス工房「model433」で駆動したサウンドを楽しむこともできた。

Schiit Audioの「Gungnir 2 DAC」「Mjolnir 3 Amp」
マス工房「model433」

さらに、TONALITEの体験コーナーでは、これまで設定作業に環境によっては約60分以上かかっていた“DTASパーソナライズ”が、最短10分で完了する進化版を、いち早く体験できるようになっていた。

TONALITE
TONALITEの体験コーナー

完実電気

Meze Audio「STRADA」

Meze Audioから発売されたばかりの「STRADA」は、「密閉型ヘッドフォンの新基準」を謳うモデルで、価格は137,500円。

同ブランドの開放型「109 PRO」のドライバーを密閉型用に再構築。ドライバーが持つナチュラルサウンドはそのままに、密閉空間特有の音響特性に合わせてその挙動を徹底的に洗練したという。

カーボンファイバー強化セルロース複合体で成形したWシェイプ・ドームや、ベリリウムコーティングの振動板エッジ、不要な振動板を吸収する銅亜鉛合金のスタビライザーといった技術も盛り込まれている。

筐体は平面磁界型ドライバーを採用した密閉型「LIRIC」のシャーシ設計を継承しつつ、ダイナミックドライバーに最適化する形で再構築。耳への負担を最小限に抑えるため、側圧のバランスからパッドの素材まで徹底的に計算されている。

Audezeのブースでは、次世代フラッグシップ・有線ヘッドフォン「LCD-5s」が登場。発売時期や価格は未定。

Audeze「LCD-5s」

「洗練と精密を極めた」という平面磁界型ヘッドフォンで、新開発のナノスケール振動板とSLAMテクノロジーを融合させ、前作を超えるマスタリング精度の再現力と深みのある低域を実現したという。カーボンや本革を用いたハンドメイドの筐体には、快適性を追求した新形状パッドを採用している。

Warwick Acoustics「APERIO GoldenSound Signature Edition」

英Warwick Acousticsからは、静電型ヘッドフォンシステム「APERIO GoldenSound Signature Edition」が登場。

最上位モデル「APERIO」から、EQのPCBを新規設計したり、デジタルEQファームウェアを書き換え、チップも新しいものに変更。トランスデューサーのフィルム素材も変更され、第2世代になるなど、進化したモデルとなっている。このモデルは、GoldenSoundのCameron Oatley氏が協力し、彼の意見も取り入れて完成したという。

Warwick AcousticsのMartin Roberts氏(Director Headphone Business Unit)も来日

フォステクス

開放型ヘッドフォン「TH818」

フォステクスのブースでは、4月24日に発売する密閉型ヘッドフォン「TH810」と開放型ヘッドフォン「TH818」を出展。価格はオープン。市場想定価格は、TH810が220,000前後、TH818が264,000円前後。

フラッグシップTH910/TH919の高解像度と豊かな響きを継承し、より幅広いリスナー向けに開発。漆仕上げを省きつつ音質の核を維持するため、厳選したアカシア無垢材を採用。プレミアムヘッドフォンのスタンダードモデルと位置付けられている。

ブースには、既発売モデルのカラーバリエーション提案として、ホワイトモデルも参考展示