ニュース
NiPO、MagSafe対応の薄型ポータブルDACアンプ「A200PRO」
2026年7月17日 10:00
オリオラスジャパンは、NiPOブランドのMagSafe対応ポータブルDACアンプ「A200PRO」を7月24日に発売する。カラーはブラックとゴールドの2色。価格はオープンで、市場想定価格は89,980円前後。
「A100」の後継となるポータブルDACアンプ。「スマートフォンを本格再生機へ引き上げる」という思想を継承し、出力性能、電源設計、クロック精度、RF耐干渉性能、操作性、携帯性、拡張性を全面的にブラッシュアップした。
スマートフォンでの音楽再生において課題となる電源ノイズ、RF干渉、USB伝送品質のばらつき、ドングル型DACで不足しがちな駆動力に対し、NiPO独自のアーキテクチャで包括的にアプローチ。スマートフォン背面に装着するDACアンプとして、アンテナから約1mmという極めて近い距離で使用しても純粋な音楽再生を損なわないことを目指して設計した。
ストリーミング再生や通話時にスマートフォンから放射されるRF信号は、USBデータケーブルやイヤフォンケーブルを介して内部回路へ入り込み、SN比、背景の静けさ、微細音の見通しに影響を与える可能性がある。
そこで同社は、スペクトラムアナライザー、ネットワークアナライザー、マイクロ波暗室を用いた検証に加え、専門のRFエンジニアの知見を投入。フィルター素子の追加だけではなくRF帯域における測定、部品選定、基板レイアウト、実装位置まで追究した。しかし、干渉を強く抑えるほど、音の滑らかさや余韻、有効信号の自然さまで損なわれるデメリットもあった。
A200PROでは、耐干渉性能と背景の静寂性と音楽信号の鮮度を両立するべく、20種類以上の磁気ビーズを比較検証。その中から音質と耐干渉性能のバランスに優れる型番を選定している。
ヘッドフォン出力部へ、アイソレーションおよびCLC多重フィルタリング技術を採用し、4G/5Gの複数周波数帯を想定した0.8GHz〜5GHzのRF帯域において最大55dBの減衰性能を実現。「利便性と高純度を両立する設計でしか味わえない自然な分解能と滑らかさを提供する」としている。
より忠実な音楽表現として味わえるDACとして、AKM製AK4497SVQを採用。CMMTカレントミラーI/V変換、低位相ノイズクロック、独立電源設計と組み合わせることでAK4497SVQの持つ情報量を損なうことなく直接的かつ高精度で引き出し、なめらかな再生を実現した。
フラッグシップDAP「N2」で培われた技術をベースに、フルディスクリート構成による改良型カレントミラー回路を採用。一般的なI/V変換ではDACの電流出力をオペアンプで電圧へ変換して後段へ伝送するが、その変換過程や回路構成は、音の密度や情報量、微小信号の再現性に影響を及ぼすという。
DACから出力される電流信号を高精度に扱うI/V変換技術である独自のCMMTは、DAC AK4497SVQが出力する最大5mAの電流を直接フルディスクリートのカレントミラー回路で直接受け渡すことで、ピュアな状態で伝送することを目指した。
ノイズ特性とリニアリティを大幅に向上させた改良型カレントモジュールに加え、回路全体を完全無帰還で構成することで過度な補正に頼ることなく、高い情報量と音の密度、透明感のある音場、芯のある音像、そして自然な余韻を両立している。
クロックにはAccusiliconのAS318-Lite Seriesフェムト秒級低位相ノイズ水晶発振器を採用。性能を十分に引き出せるように、電源精度、温度ドリフト、基板上のノイズ、電磁干渉といった動作環境を徹底して見直した。
多重アイソレーションとフィルタリングによる電源浄化技術を組み合わせ、電源および周辺回路から水晶発振器へ及ぶ干渉を大幅に低減。クロックが安定して動作できる環境まで含めて設計し、基板上での位相ノイズ性能は10Hz時に従来の-87.58dBc/Hzから-101.54dBc/Hzへ改善させている。
アンプには、優れた追従性と低ノイズ性能で評価されるSGM8262を2基採用し、32Ω負荷時に実測で片チャンネル最大1620mWの高出力を実現。低インピーダンスの高感度IEMではノイズを抑えた繊細な描写を、高インピーダンスや低能率のヘッドフォンでは力強い駆動力を発揮する。
複数の0.8μVクラス超低ノイズ電源を採用し、各回路へクリーンな電源を供給。さらにPanasonicおよびKEMET製の超低ESRミリタリーグレード・タンタルコンデンサーを複数搭載し、電源リップルと内部抵抗を抑えた。
最大90%の変換効率を備えた昇圧電源設計により、高出力アンプを安定して駆動しながら長時間再生を実現。内部抵抗20mΩのバッテリーと組み合わせることで、大電流が必要な場面でも電源の揺らぎを抑え、低域の制動力や瞬間的なダイナミクスを引き出している。
バッテリー容量は3,900mAh。バランス出力時で最大約12時間の連続再生に対応。独立した電源を備えることで、スマートフォンから大きく電力を消費せずに音楽を楽しめる。
MagSafe対応端末へ安定して固定するためにN52グレードのネオジム磁石を採用。回路部品とマグネットは異なる2つの領域に分けて最適に配置することで、磁界・磁場が回路や部品へ与える影響を極限まで抑えることに成功した。なお、Magsafe非対応のスマートフォンやiPhoneケースでも付属のメタルシールを貼ることで使用できる。
専用設計の両端L字型USB-Cケーブルを付属する。
112gの軽量ボディと約11mmの薄型設計により、スマートフォンの背面に装着しても持ちやすく、移動中や手持ち使用時の負担を抑える。前機種よりも軽量化しながら、出力、機能、操作性を強化している。
0.87インチの高輝度OLEDディスプレイを搭載。サンプリングレートやコーデック、Vol値などの再生情報や設定状態をリアルタイムで確認でき、Low/Mid/Highゲイン、7種DACフィルター、ポップ、クラシック、ジャズ、ロック、ダンスのEQモード、ライン出力、同軸デジタル出力、UACモードなどを直感的に操作できる。
ライン出力と同軸デジタル出力にも対応。外出先ではイヤフォン、ヘッドフォンで楽しみ、帰宅後はそのままアクティブスピーカーやアンプへ接続して、デスクトップ/ホームオーディオの音源として活用できる。UAC2.0とUAC1.0のデュアルプロトコル切替にも対応する。オーディオ用USB端子とは別に独立充電ポートも搭載している。
外観はカセットテープを思わせるレトロなデザインを採用。
「音楽を聴くことが、いまより少しだけ手間を含んでいた時代は、再生機を選び、メディアを入れ、音量を合わせ、イヤフォンを接続し、音楽に耳を傾ける。そこには、音楽をただ流すのではなく、ひとつの作品として受け止める時間があったとし、音楽を聴く行為にもう一度意識を戻してほしい」という思いを込めたという。






