東芝、2TB HDD+USB HDD録画対応のVARDIA「RD-X9」

-実売12万円。ネット録画/画質強化の最上位機


9月上旬発売

標準価格:オープンプライス


 株式会社東芝は、DVDレコーダ「VARDIA」のフラッグシップモデルとして、2TB HDDを内蔵し、外付けUSB HDDへの録画に対応した「RD-X9」を9月上旬より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は12万円前後の見込み。1TB HDD搭載の「RD-S1004K」やVHS内蔵の「D-W250K」なども9月上旬より順次発売する

RD-X9

 地上/BS/110度CSデジタルチューナを2基、地上アナログチューナを1基搭載したDVDレコーダ。2TBのHDDを搭載しており、地上デジタル放送(17Mbps)をそのまま記録するTSモードでも、内蔵HDDに最大で259時間の録画が可能となっている。

 また、MPEG-4 AVC変換により長時間記録を実現するTSEモードも搭載。ビットレートは2.8Mbp~17Mbpsの間で選択でき、BSデジタル放送(24Mbps)を最高7倍(2.8Mbps)の長時間録画可能となっている。なお、RD-X9をはじめ、新VARDIAシリーズでは、TSEが初期出荷時の記録モードとなっている。

 新モデルの最大の特徴は、外付けHDDへの増設録画に対応したこと。1台あたり最大2TB、最大8台までのHDDを登録でき、VARDIAの録画用HDDとして利用できる。USB HDDに直接録画できるほか、内蔵HDDからUSB HDDにダビング/ムーブ可能となっている。ただし、2番組同時にUSB HDDに録画することはできず、W録時には内蔵HDDのみ、もしくは内蔵HDD+USB HDDを組み合わせて利用する必要がある。

 ダビング10に対応し、内蔵HDDとUSB HDDの双方の間で、ダビング(コピー回数が1回減る)ができるほか、ムーブ(コピー回数を維持したまま移動)が可能。内蔵/USB HDDとも、最大録画タイトル数は各792番組となる。予約録画件数は126件/2カ月(ユーザー予約64件、おまかせ自動予約60件、終了時刻設定用2件)。

 なお、USB HDDは初回利用時にVARDIAへのHDD登録が必要となり、登録時にデータはすべて消去される。録画した番組は、録画に利用したVARDIAのみで再生可能で、他のVARDIAでは再生できない。また、VRモードでのUSB HDDへの録画はできず(内蔵HDDからのダビング/ムーブは可)、録画できるのはTSE/TSモードに限られる。

 USB端子は2系統(1系統はUSBキーボード用)装備。対応するHDDのリストは同社ホームページで公開予定。なお、バスパワーで電源供給するタイプのUSB HDDには対応しない。

8台までのUSB HDDを登録できるUSB HDDへも録画予約できる

 DVDドライブは、DVD-R 8倍速、RW 6倍速、RAM 3倍速のダビングに対応。DVDにHD映像を記録する「HD Rec」も引き続きサポートしている。なお、USB HDDからDVDへのダビングは行なえず、一度内蔵HDDにダビングした後に、DVDに書き出す必要がある。

 ネットワーク機能も強化しており、「スカパー! HD録画」に対応。スカパー! HDのチューナの受信番組をLAN経由で、VARDIAのHDDに録画できる。スカパー! HD録画時には1系統のチューナ(TS2)を占有するが、もう1系統(TS1)での録画は可能となっている。また、HDDに記録したスカパー! HD番組はHD RecによりDVD-R/RW/RAMなどにダビングもできる。

 さらに、「ネットdeダビングHD」を新搭載。VARDIA同士をLANで接続し、HDD内のコンテンツをダビングできる「ネットdeダビング」を強化したものとなる。従来は、SD変換後のVR録画番組のダビングが可能だったが、RD-X9では、新たにTSモードやスカパー! HDで録画したTSEタイトル(未編集タイトル)を対応機器に無劣化でダビング可能となった。ダビング速度も従来モデルより高速化されている。

  HDMI連携などの「レグザリンク」に対応。テレビからのVARDIAに録画予約できるだけでなく、「レグザリンク・ダビング」にも対応。対応した液晶テレビ「REGZA」のHDDに記録した番組をレコーダを使ってDVDに書き出すこともできる。対応のREGZAについては、同社ホームページで案内している。

 ユーザーの録画/再生履歴に応じて、自動録画を行なう「お楽しみ番組 自動録画」も利用可能。DLNAサーバー機能「ネットdeサーバーHD」やCATV連動機能も搭載している。 なお、従来モデルRD-X8との比較では、ネットdeナビ関連の機能がいくつか省かれている。

 画質面でも強化を図っている。DVDなどのSD映像を高精細に表示できる技術「XDE」(eXtended Detail Enhancement)も引き続き搭載。480iなどの映像を1080pにアップスケールするものだが、昨年秋モデルのRD-X8からXDEの画質改善も図っており、新たに輝度と色の境界の立ち上がり波形を改善するアルゴリズムを追加。過渡な強調を抑え、より最適な形で動作するようにしたという。

 また、XDEの各パラメーターの見直しを実施し、エンハンス効果を向上。エッジの傾き補正や、過渡な強調を抑制しながら、映像の鮮度感を際立たせて画質の向上を実現しているという。Deep Colorにも対応しており、階調が不足しているコンテンツに対しても、精細感を維持したまま滑らかな質感で楽しめるという「グラデーションスムージング」機能も備えている。

 XDEと液晶テレビ「REGZA」の超解像技術「レゾリューションプラス」と組み合わせることで、さらなる高画質化を実現できるという。

 出力はHDMI×1、D4×1、S映像×1、コンポジット×1、アナログ音声×1、光デジタル音声×1、同軸デジタル音声×1。入力はD1×1、S映像×2、コンポジット×2、アナログ音声×2。i.LINK×1や、Ethernet、モジュラー、スカパー連動端子、CATV連動用制御端子も備える。「レグザリンク」に対応し、同社の液晶テレビ「REGZA」との連携動作も行なえる。

 新たに音質改善のための「ジッターリダクション回路」を搭載。HDMIの音声用マスタークロック生成回路にジッタ低減回路を組み込むことで、純粋で安定したクロックをAVアンプやテレビに伝送し、ジッタの影響を抑えた音場感豊かな音を再現するという。また、光/同軸デジタル出力でもジッターリダクションに対応している。

 映像DACは12bit/297MHz、音声DACは24bit/192kHz対応のアナログデバイセズ「AD1955」を搭載するなど、フラッグシップ機として画質/音質の向上にも注力。外装も、非磁性ステンレスヘアライン仕上げを施すほか、端子を金メッキ化、AV端子固定用に非磁性ステンレスビスを採用するなどの工夫を行なっている。

 消費電力は45W。待機時は高速起動設定「切」で0.6W、「入」で2.7W。外形寸法は431×339×72mm(幅×奥行き×高さ)、重量は5.6kg。リモコンや同軸ケーブルなどが付属する。


(2009年 8月 6日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]