ヤマハ、「TENORI-ON」に実売7万円のスタンダード版
-オレンジLED採用。バッテリ非対応などで低価格化
ヤマハ株式会社は、音声とLEDライトを組み合わせた電子楽器「TENORI-ON」(テノリオン)のスタンダードモデル「TNR-O」(ティエヌアール・オー)を12月1日より楽器店などで発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は7万円前後の見込み。
TENORI-ONは、外形寸法205×205×32mm(縦×横×厚さ)の正方形のボード状の筐体に備えた16×16個のLED搭載ボタンを押すことで、直感的に作曲/演奏が行なえるという電子楽器。ヤマハがメディアアーティストの岩井俊雄氏と共同で開発した。2008年5月より、第1弾モデル「TNR-W」が専用サイト限定モデルとして121,000円で発売されている。
TNR-Wでは白色LEDを使用していたが、新モデルのTNR-Oはオレンジ色のLEDを採用。また、フレームはTNR-Wのマグネシウム合金からプラスチックに変更し、裏面に配置していたLEDを省いたほか、電源をACアダプタのみとし、バッテリ駆動非対応にしたことなどで低価格化した。操作方法や音色/演奏モードの種類などはTNR-Wと共通。なお、TNR-WとTNR-Oは併売となる。
同社のAWM(Advanced Wave Memory)音源による253種類の音色を内蔵。本体にSDカードスロットを搭載し、WAV/AIFF音声を記録したSDカードからサンプリングし、発音させることもできる。シーケンサ機能を搭載し、演奏データをSDカードに記録できるほか、MIDI端子を備え、他のMIDI楽器との連動や2台のTENORI-ONでの同期演奏も可能。
LEDボタンは基本的に垂直方向が音階、水平方向が時間を表し、標準の「Scoreモード」では、押したボタンが点灯し、長押しするとその音階が盤面に残され、演奏される。本体脇に10個(L/R各5個)のファンクションボタンを備え、音色や発音の長さ、オクターブ、ループポイント、ループスピードなどが切り替えられる。
Scoreモードのほか、Random/Draw/Bounce/Push/Soloの計6モードが利用可能。Randomは図形を指定することで、その中をドットが移動し、頂点にぶつかったタイミングで音を発する。Drawは指で線を描くように滑らせると、その動きを記録し、流れるような音として出すことが可能。Bounceは、16個のボールが上下にバウンドするような動きをし、移動の長さを変えることで様々なリズム音を出せる。Pushモードは背景音として長い音を加える時に利用する。Soloは、ピアノの鍵盤のように、押したときだけ音が出て、押す位置の高さを変えることで繰り返しのリズムが変化する。
作成したデータはレイヤー(トラック)として保存可能。レイヤー16個までを1ブロックとし、16個までのブロックを1台のTENORI-ONで演奏できる。各ブロックの演奏順などを変えることで、変化を付けた再生が行なえる。作成したデータはSDカードに記録し、専用形式のファイルとして他のユーザーと共有することも可能。なお、SDスロットはSDHCカードには非対応。
出力0.5W×2chのスピーカーを内蔵するほか、ステレオミニのイヤフォン出力も装備。パソコンとの接続や、他のTENORI-ONとの同期再生などにはMIDI端子を利用する。
操作ボタンとして、LEDやファンクションキーのほかに、本体下部にジョグダイヤルや決定/キャンセルキーなどを搭載。本体下部に122×32ドット/バックライト付きのモノクロ液晶ディスプレイも備える。
最大の同時発音数は32音。エフェクトとして10種類のリバーブと5種類のコーラスを用意。シーケンサ部は-5~+5オクターブ、40~240BPMのテンポで調整可能。
電源は付属ACアダプタを使用し、消費電力は9W。重量は約610g。
(2009年 11月 5日)
[AV Watch編集部 中林暁]