ドコモ、4型有機ELのAndroid 2.2スマートフォン「GALAXY S」

-7型タブレット「GALAXY Tab」も。電子書籍配信トライアル


 

 NTTドコモは5日、サムスン電子と共同で新製品発表会を開催。Android 2.2搭載の4型有機ELスマートフォン「GALAXY S」と、7型液晶のタブレット端末「GALAXY Tab」を発表した。 

 日本国内ではGALAXY S(SC-02B)を10月下旬に、GALAXY Tab(SC-01C)を11月下旬より発売する。カラーはSがメタリックブラック、TabがChic White。価格は新規・2年契約でSが3万円弱程度、Tabが4万円強程度になる見込み。

 GALAXY Sのみ、10月15日よりドコモショップで事前予約受付を開始。また、5日より開幕したCEATEC JAPAN 2010(一般入場は6日~)のドコモブースや、東京・丸の内のショールーム「ドコモスマートフォンラウンジ」でも展示される。

 「GALAXY S」は、Android OS 2.2を搭載したスマートフォン。3月に海外で発表され、グローバルで展開している。また、GALAXY Tabは、9月開催のIFAで発表。タブレット型ながら音声通話も行なえる(別途イヤフォンマイクなどが必要)。 

GALAXY S

GALAXY Tab

GALAXY S(左)とGALAXY Tab(右)のサイズ比較

 ディスプレイは、GALAXY Sが「SUPER AMOLED」と呼ぶ4型/800×400ドットの有機ELを採用。GALAXY Tabは7型1,024×600ドットの液晶。いずれも静電式のタッチパネル/マルチタッチ対応で、キーボードはソフトウェア。

 カメラは500万画素(S)/320万画素(Tab)のCMOSで、720p動画撮影に対応。内蔵メモリ容量はいずれも16GB。外部記録メディアはmicroSD/SDHCカード(最大32GB)。

 いずれもフルHD動画再生に対応するほか、WMA/MP3などのミュージックプレーヤー機能を搭載。無線LANはSがIEEE 802.11b/g/nに、TabがIEEE 802.11a/b/g/nに対応する。Bluetoothは3.0+EDR対応。Flash Player 10.1を搭載する。なお、ワンセグやFeliCaは搭載しない。

 Sは薄さ9.9㎜で重さ118g。Tabは薄さ12.1mmで382g。いずれも1GHzのCPUを搭載する。 

GALAXY Sの側面と背面GALAXY Sの主な仕様GALAXY Tabの主な仕様
Flash Player 10.1を搭載マルチタッチでピンチアウトなどが可能電子書籍配信のトライアルサービスも

 


 

■ フルHD動画再生/DLNA対応で、720p動画撮影も


 GALAXY Sは、サムスンの有機EL「SUPER AMOLED」ディスプレイを採用。4型/800×400ドットで、従来の同社有機ELに比べ反射率を4%、色再現性を110%改善し、コントラスト比1万:1を実現したという。SUPER AMOLEDではタッチセンサーが有機ELパネルのすぐ上に配置されており、エアギャップを無くして薄型化。透過率を従来の80%から97%に向上させている。GALAXY Tabは7型/1,024×600ドットの液晶を搭載する。 

左が既存のサムスン製端末の液晶、右がGALAXY Sの有機ELSUPER AMOLEDの特徴

 
 動画/音楽再生アプリを搭載し、WMVやFLVなどの動画や、WMA/MP3/AAC/FLACなどの楽曲が再生可能。Flash Player 10.1を搭載し、Webブラウザ上でFlashコンテンツを表示可能となっている。そのほか、ドコモマーケットで配信予定のFLV動画やゲームなどのコンテンツに対応する。カメラはいずれも最大1,280×720ドットのMPEG-4動画撮影と、静止画の撮影に対応する。カメラはAF対応で、GALAXY Sは顔認識AFにも対応する。GALAXY Tabには内側カメラ(130万画素)も装備。

 DLNAにも対応し、対応するサーバー内にある動画/音楽などを再生できるほか、GALAXY内のファイルを他のDLNA機器で再生できるサーバー機能も搭載。さらに、DLNAサーバー機器からGALAXYを経由して他のDLNAクライアントで再生することも可能となっている。 

GALAXY Sのビデオプレーヤー画面(ファイル選択)ビデオ再生画面音楽プレーヤー画面
All ShareというアプリでDLNA再生などが可能DLNAサーバー/クライアントとして動作するDLNAの設定画面

  無線LANはIEEE 802.11b/g/nに対応。アプリはAndroidマーケット、ドコモマーケット、SAMSUNG Appsからダウンロードできる。Bluetoothはバージョン3.0 +EDR対応で、A2DP/AVRCPなどをサポート。BluetoothキーボードなどのHIDには対応しない。

 いずれもソフトウェアでQWERTYキーボードを搭載し、縦/横画面で使用可能。GALAXY Sにはテンキーも利用可能で、フリック入力も行なえる。

 ワンセグやiモード、FeliCaなどには対応しないが、国内向けのサービスとして、iモードのメールアドレスが使えるspモード(月額使用料315円)に対応。デコメや絵文字なども使用できる。一方、日本向け端末の仕様として、グローバル向けでは対応しているテザリング機能やFMラジオなど一部の機能は省かれている。こうした制限の今後の変更については「ユーザーの反応を見ながら検討する」という。 

GALAXY Sのテンキー画面。フリック入力も可能SでのQWERTYキーボード(縦画面時)TabでのQWERTYキーボード(横画面時)

iPhone 3GS(左)と比較


 内蔵バッテリでの連続通話時間(3G/GSM)はSが約380分/420分、Tabが約880分/2,050分。待受時間(3G/GSM)はSが約510時間/480時間、Tabが約1,450時間/1,160時間。Sのみバッテリ交換が可能。充電はSがmicroUSB経由、Tabは専用コネクタ経由となる。 

 いずれも、4極ミニのイヤフォン/マイク端子を装備。外形寸法と重量は、Sが約122×64×9.9~12㎜(縦×横×厚さ)、約118g、Tabが約191×121×12.1㎜(同)、約382g。

 

Sの背面

Sの側面

Sのマイク/イヤフォン端子、USB端子部

Tabの背面

Tabは専用コネクタ経由で充電天面のマイク/イヤフォン端子部

 

 
□製品情報(GALAXY S)
http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/smart_phone/sc02b/index.html
□製品情報(GALAXY Tab)
http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/smart_phone/sc01c/index.html

 


 

 ■ 電子書籍をトライアルで無料配信。FLV動画配信も

 新端末の発表に合わせて、コンテンツサービスの強化も発表。9月28日に発表した通り、電子書籍アプリのトライアルサービスを10月下旬~12月下旬の期間限定で実施する。トライアルでは雑誌、書籍、コミック、写真集など約50コンテンツをドコモマーケット上で全て無料で提供する。

 GALAXY S/TabとXperiaに加え、今後発売するAndroid搭載スマートフォンで利用可能。本サービス開始は年明けをメドとしている。 

電子書籍のトライアル配信で、新たに2つのコンテンツを発表
 コンテンツは個別のアプリとして配信されるため、作品に合わせてページ送りの方法などの書式がカスタマイズ可能。トライアルコンテンツとしては「東京カレンダーExtra」(特別編集)や、「新潟美少女図鑑『FREEE!!!!』」、「Motor Magazine」などを予定している。

 

 5日の発表会場では村上龍の冒険小説「歌うクジラ」に坂本龍一が書き下ろし楽曲を提供し、アートワークも加えたコンテンツを提供開始すると発表。さらに、原哲夫や北条司らが連載する10月25日創刊の月刊コミック誌「月刊コミックセノン」の提供も明らかになった。

 ドコモマーケットの動画配信においても、提供元が増えることでコンテンツ数を強化することを発表。また、FLV形式での動画配信や、Flashゲームの配信も行なう。 

雑誌「東京カレンダー」の配信コンテンツ例。関連する動画が再生でき、電話もかけられるなど、スマートフォンならではの機能連携が可能
GALAXY Sを持つドコモの山田隆持社長
 NTTドコモの山田隆持社長は、同社のスマートフォン戦略について「Androidの可能性は限りなくある。(ドコモはソニー・エリクソンの)Xperiaも持っているが、XperiaとGALAXYは発信する情報に違いがある。Xperiaは新感覚のエンターテインメントマシンとして発売したが、今回は“美しさ、使いやすさ、高性能”だ。今後も様々なユーザーにフィットするスマートフォンを出したい」と述べた。  

 同社は2010年度にスマートフォンの売上100万台を目標に掲げているが、既にXperiaは50万台に達しているという。山田社長は「思った以上にスマートフォンを手にしていただいている。GALAXY S/Tabを出すことでこれに拍車がかかり、当初の目標は十分達成できるだろう」と自信を見せた。

 さらに、冬モデルとして、スマートフォンやフィーチャーフォン(スマートフォンではない国内向け端末)をあと5機種、11月に発表することも明らかにし、「iPhoneと十分競合できると確信している」と述べた。 

ドコモの山田氏と、サムスンの申氏
 サムスン電子 無線事業部長の申 宗均(JK Shin)氏は、iPhoneと比べたGALAXYの強みとして、「NTTドコモのサービスに対応していること」と「オープンなAndroidプラットフォーム」の2つを挙げる。  

 GALAXY Sはグローバルで500万台の売り上げを達成しているが、日本市場の認識として「洗練されたデバイスが求められている。そこで、最新のAndroid 2.2と搭載し、spモードの採用など日本向けに準備してきた。GALAXYは世界で既に受け入れられ、日本にも適した製品」とアピールした。


 



(2010年 10月 5日)

[AV Watch編集部 中林暁]