地デジ新保護方式の7月開始に向け準備が進む
-技術規格化は完了。TRMP“推進期”に
新方式導入スケジュール |
総務省 情報通信審議会「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会 第62回」が14日に開催。7月のスタートを予定している地上デジタル放送用新権利保護システムの進捗状況が報告された。
新方式では、現行のB-CASカードに変わり、スクランブル解除をソフトウエアで行なうことで、物理的なカードを不要とする。これにより、携帯電話などの小型機器へのフルセグ対応を容易にするほか、コンテンツ権利保護についての社会コスト全体の圧縮を目指す。ダビング10のルールに変更はない。当初は地デジ専用となり、BS/110度CSデジタルなど3波対応製品についてはB-CASを利用することとなる。
NHKと民放キー局の6社による「新コンテンツ権利保護方式推進委員会」が導入に向けて活動しており、今回その進捗状況が報告された。'11年6月に新方式運用のためのライセンス発行/管理機関「一般社団法人地上放送RMP管理センター(TRMP)」を6社で設立し、12月1日にはNHKと民放地上テレビ各社(128社)が同センターに入会したことで、推進期(フェーズ2)に移行。事務局や理事会、運営委員会などの組織ガバナンスを整えた。
技術仕様については12月に規格化を完了。ARIBの標準規格「STD-B25」第3部と技術資料「ARIB TR-B14」第五編第二部としてまとめられた。2月27日にメーカー向け説明会を開催予定で、受信機開発に必要な鍵発行の準備も進めているという。
3月以降にテストストリームの提供を、6月には放送事業者や受信機メーカー向けの鍵発行を実施し、7月に関東広域での運用を開始。以降順次拡大し、2013年4月の全国運用開始を目指す。
また、TRMPのホームページも12月に開設し、情報提供を行なっていく。委員会ではガバナンス強化の評価のほか、「海外向けの情報発信」を求める声が上がり、委員会の主査を務める慶應義塾大学 村井純教授も、「日本で何をやっているかわからないと言われないよう。世界からアクセスでき、何が行なわれているか伝えるようにするべき」と、英語での情報提供も求めた。
(2012年 2月 14日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]