TAD、「Evolution One」のピアノブラックモデル

-1台約110万円。Referenceシリーズの技術採用


ピアノブラックモデル「TAD-E1-K」

 テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TADL)は、Evolutionシリーズのスピーカー「TAD Evolution One」のピアノブラックモデル「TAD-E1-K」を10月中旬に発売する。1台あたりの価格は、発売中の「TAD-E1-WN」(エボニー柄/105万円)よりも高価な110万2,500円。

 カラー以外の仕様は「TAD-E1-WN」と同じ。Referenceシリーズのスピーカーに採用されている同軸スピーカーユニット「CST」を使いながら、価格を抑えたモデルとなる。

 CSTはツイータとミッドレンジの同軸で、それにダブルウーファを加えた3ウェイシステムとなる。サイズはツイータが3.5cm径、ミッドレンジが14cm径、ウーファが18cm径×2。
 CSTユニットは、250Hz~100kHzという幅広い帯域を担当しているのが特徴で、設計思想や担当帯域はReferenceシリーズのスピーカーと同じ。ただし、一部採用されている素材が異なる。

 ツイータの振動板には、Referenceシリーズでも使われているベリリウムを採用。独自に開発した蒸着法を用いて内部損失を大きくする事で、優れた高域共振の減衰特性を実現。素材固有の音が乗りにくいのも特徴。ドームとコーンを組み合わせたような独特の形状設計を、コンピュータ解析による独自の最適化手法「HSDOM(Harmonized Synthetic Diaphragm Optimum Method)」で実現。分割振動とピストンモーションをバランス良く組み合わせることで、100kHzまでの再生を可能にしている。

 ミッドレンジにはマグネシウム振動板を採用。素材固有の共振音の影響を排除し、歪の少ない音を再生するという。なお、Referenceシリーズでは、ミッドレンジの振動板もベリリウムを使っている。

 18cm径ウーファの振動板はアラミドの、織布と不織布を5層にラミネートした振動板を採用。センターキャップとコーンを一体化したシエル形状とする事で、豊かでクリアかつ、色付けのない中低域を再生できるという。

 筐体デザインは流線的で、音の回折を低減して不要共振と内部定在波を低減。素材は厚さ18mmのバーチ(樺)合板を骨組みに使い、そこにMDF材を組み合わせている エンクロージャはバスレフで、正面下部にポートを搭載。フレア形状のエアロダイナミックポートとなっている。

 外形寸法は334×512×1,166mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は54kg。スパイクコーンや転倒防止スパイク、スパイク受けに加え、シングルワイヤ用のショートケーブルのロングタイプ、ショートタイプも付属する。



(2012年 9月 3日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]