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TAD、新ウーファ搭載のEvolutionフロア型。1本81万円

TAD Evolution Two「TAD-E2-WN」

テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TADL)は、Evolutionシリーズのフロア型スピーカーとして、新開発の15.5cmウーファーユニットと2.5cmベリリウム振動板を使用したTAD Evolution Two「TAD-E2-WN」を11月下旬に発売する。価格は1本814,000円。

「TAD-E1TX」や「TAD-ME1」に採用している2.5cmベリリウム振動板ツイーターを搭載。振動板形状をコンピュータ解析し、ふさわしい形状を求める技術「HSDOM」により、60kHzまでの再生に対応。指向性をコントロールする新開発のウェーブガイドにマウントすることで、広帯域にわたってスムーズで広範な音の伝搬を実現したとする。ウェーブガイドはアルミダイキャスト製で、高剛性化を図っている。

新開発の15.5cmウーファーはダブルで搭載。豊かでクリアな低域と共に、カラレーションのない素直な中低域を再生するため、表面のアラミド織布コーンと裏面の針葉樹パルプ抄紙コーンを別々に成形し、後工程でラミネートした新開発のMACC振動板を採用。良好な指向特性を得るために浅型のカーブド形状とし、補強ブレースをコーンネック部に追加したデルタブレース構造により、スムーズな指向特性と力強い低域再生を両立している。

ネットワークには、ボトムウーファーとアッパーウーファーの理想的な位相回転を可能にするという2.5wayのフィルターを採用。ダブルウーファーとツイーターとのクロスオーバー周波数付近における位相干渉を低減した。

指向特性に優れたユニットとネットワークフィルターを組み合わせることで、全帯域における自然な減衰特性と指向放射パターンを実現。コンパクトな音像定位と精緻な音場表現を高い次元で融合させたとする。

エンクロージャーの底部にポートを配置。開口部を前後へレイアウトし、そのポート内部をホーン形状とすることで、ポートノイズを低減した「Bi-Directional ADPシステム」を採用。クリアでレスポンスのよい中低音を実現したほか、ポートを前後の対称レイアウトにすることで、エンクロージャーを振動させる力も打ち消し、豊かで力強い低域の再生を実現している。

エンクロージャー下部には、10mm厚の鋼板から削り出したベースプレートを設置。ベースプレートとエンクロージャー本体との間に樹脂製のホーンプレートを挟み込むことで、ベースプレート自体の振動を低減。ベースに前2本と後ろ1本、計3本のスパイクを使い、床面の材質などに左右されず安定した設置を可能とした。

エンクロージャーは、高剛性の樺合板ブレースと高内部損失のMDF材パネルを組み合わせることで、高い強度と低い共振を実現した「SILENTエンクロージャー」を採用。

バッフル天面エッジ部のラウンドをとることで、ツイーター周りの回折による影響も低減。バッフルをスラントさせることで、重心位置を最適化し、それぞれのユニットまでの距離差を小さくすることで、フロア型ダブルウーファーシステムの音場表現をより正確なものとした。

全体の再生周波数帯域は30Hz~60kHz。クロスオーバー周波数は90Hz、2.8kHz。定格インピーダンスは6Ω(最小インピーダンス 4.5Ω)。スパイク未装着時の外形寸法は、320×405×1,085mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は32kg。