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マイクロソフト、「Surface RT」15日発売。32GB 49,800円

キーボード着脱の10.6型。「ハマる」タブレット

Surface RT(Touch Cover装着)

 マイクロソフトは1日、自社ブランドのタブレット端末「Surface RT」を国内で発売すると発表した。3月15日より発売し、価格は32GBメモリ内蔵モデルが49,800円、64GB版が57,800円。キーボード兼カバーのTouch Coverが付属したモデルは、32GBモデルが57,800円、64GBモデルが65,800円。

 キーボード付きのTouch Coverは9,980円で単品販売も行なう。Touchカバーよりもキーストロークが深いType Coverも10,980円で販売するが、発売日は「近日」としており、詳細は改めて案内するという。

 販売は、量販店のビックカメラやヤマダ電機(グループ会社含む)、ヨドバシカメラと、直販サイトの「Microsoft Store」で行なう。販売店の数は1,000店舗以上になる予定。

 発表会は3月1日に都内で開催。記者への案内では「新しいデバイスに関する記者発表会を行なう」と予告されていた。Surfaceは、海外では米国やドイツ、中国などで2012年10月より発売されているが、日本国内での発売時期については明言されていなかった。

Touch Coverは3色
キーストロークが深いType Cover

 クアッドコアのNVIDIA Tegra 3プロセッサと2GB RAMで動作するタブレット。オプションのType Coverなどを装着してノートPCのように利用することも可能。10.6型/16;9のClearType HDディスプレイを搭載し、タッチ操作に対応。解像度は1,366×768ドット。5点マルチタッチに対応する。カバーガラスはコーニングのGorilla Glass 2.0。

 OSはWindows RTで、Windowsストアから入手できるアプリでのみ動作。「Office 2013 RT」アプリがプリインストールされており、Word、Excel、PowerPoint、OneNoteが利用可能。なお、海外版のSurfaceとの違いとして、このOfficeアプリは商用利用も可能なバージョンとなっている。

 筐体には、重量がアルミニウムの約1/3というマグネシウム合金「VaperMg」(ベイパーマグ)を使用。高級感を持たせ、薄型化するとともに剛性も高めている。外形寸法は約172×275×9mm(縦×横×厚さ)、重量は約675g。

 バッテリの連続使用時間は約8時間。内蔵メモリに加えmicroSD/SDHC/SDXCカードスロットも備え、最大64GBのカードを使用可能。USB 2.0も装備する。光センサー/加速度計/ジャイロスコープ/コンパスを搭載する。

 前面と背面に、720p記録できるカメラ「HD720p LifeCam」を搭載。映像出力の「HDビデオ出力ポート」を備え、オプションのケーブル「HDデジタルAVアダプター」(3,980円)を使って、プロジェクタなどに映像出力できる。ステレオスピーカーを内蔵するほか、ヘッドフォン出力も装備する。

 背面に備え付けの「Kickstand」も備え、動画視聴時などに、本体を横置きで自立させることが可能。内蔵のWebカメラは、スタンドを立てた状態で最適な22度の角度となるように調整されている。

 Office以外のプリインストールアプリは、Windowsメールやメッセージング、SkyDrive、Internet Explorer 10、Bing、Xboxミュージック、Xboxビデオ、Xboxゲーム。

タッチ操作とキーボードの両方に対応
タブレット本体
Office 2013 RTアプリなどをプリインストール
側面
底面

 オプションのTouch Coverは3mm厚で感圧式キーボードを装備。Type Coverは、6mm厚で通常のキーボードのタッチ感が得られるという。タブレット本体と各カバーは専用端子を介した接続となっており、マグネットで簡単に着脱可能。カバーをたたむと自動で文字入力が無効になる。Touchカバーのカラーはブラック/ホワイト/シアン ブルーの3色、Type Coverはブラックのみ。その他のオプションとして、「24W電源アダプタ」(3,980円)や、「VGAアダプタ」(3,980円)を発売する。

スタンドを立てて横から見たところ
キーボードは着脱式
主な仕様
各モデルの価格
オプション類
プロジェクタへのHD出力や、Bluetoothオーディオ接続なども可能
Touch Coverのキーボード部
Touch Coverは薄さ3mm
Type Coverは6mm

Office入りなどで「バリューの高いタブレット」

Surfaceを持つ日本マイクロソフトの樋口泰行代表執行役社長

 日本マイクロソフトの樋口泰行代表執行役社長は、同社がハードウェアを出す理由について「今までソフトウェアに専念してきたが、競争環境上、ソフト/ハード両方をまとめ上げるというスピード感も必要になっている。これまで通り、パートナーと一緒になってやる路線は変わらないが、Windows 8をトータルで盛り上げる意味でも、バリエーションの一つとしてマイクロソフトからも(ハードウェアを)出す」と説明した。

 また、樋口氏は「Windows 8タブレットのユーザーでない方の半数が、『(タブレットでは)これぐらいのことしかできないのか』と思われていると聞いている」と述べ、Surfaceの優位点については「タブレットとして使えるほか、キーボードを使って生産性の高い仕事もできる。最初からWordやExcel、OneNoteなどが入っており、バリューという意味では比較にならないほど高い」と自信を見せた。

 海外からは遅れた発表/発売となったが、「春は新学期、新入生、新社会人の季節で、勉強や仕事への意欲が高まる。Windows 8トータルとして店頭を盛り上げる、いいタイミングの発表になった」と述べた。同社は国内での販売にあたり、「キーボードが着脱できること」と、「クセになる」といった意味を込めて「ハマる、タブレット」というキーワードでアピールしている。

 なお、海外で発表されているWindows 8 Pro版の発売については、「お知らせできるタイミングが来たら案内する」として、明言はされなかった。

 発表会には、量販店のトップらもゲストとして登場。ビックカメラの宮嶋宏幸社長、ヤマダ電機の佐俣信一取締役 兼 執行役員常務、ヨドバシカメラの藤沢和則副社長が、それぞれSurfaceの登場を歓迎し、店頭での盛り上がりに期待を寄せた。

左から、ビックカメラの宮嶋宏幸社長、ヤマダ電機の佐俣信一取締役 兼 執行役員常務、ヨドバシカメラの藤沢和則副社長
発売記念のプレゼントキャンペーンも実施
CMもひと足先に上映された

(中林暁)