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NEC、スマートフォン事業から撤退。タブレット/フィーチャーフォンは継続

ドコモから6月に発売された「MEDIAS X N-06E」

 NECは31日、NECカシオモバイルコミュニケーションズによる携帯電話端末事業の見直しを決定。「MEDIAS」ブランドなどで展開しているスマートフォンの新規開発を同日付けで中止、販売中の機種をもってスマートフォンの生産と販売を終了する。

 なお、スマートフォンの保守については引き続き行なうほか、従来型携帯電話機(フィーチャーフォン)の開発や、埼玉日本電気での生産も継続。埼玉日本電気は、フィーチャーフォン生産に加え、社会ソリューション事業で活用していく方針。また、NECが行なうタブレット事業についても継続する。

 スマホの開発/販売を終了する理由について同社は「スマートフォンの急速な普及など携帯電話端末の市場が大きく変化する中、競争力の維持・強化にはスケールメリットが重要。しかしながら、当社の携帯電話端末事業は出荷台数が減少傾向にあり、今後の業績改善を見通すことが難しくなっている。携帯電話端末事業の方向性について総合的に検討した結果、このたびの決定に至った」と説明している。

 同社は「ポートフォリオ経営を一層強化し、経営資源を社会ソリューション事業に集中する」としており、携帯電話端末事業で培った無線通信や端末開発、ヒューマンインターフェイスなどに関する技術とノウハウを、社会ソリューション事業に活用。NECカシオモバイルコミュニケーションズの従業員のうち、継続事業以外の人員は、同社グループ内で社会ソリューション事業を中心に再配置する。

(中林暁)