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Dolby Atmosへの対応をPioneer/DENON/Marantzが海外で予告。新AVアンプでサポート

 ドルビーラボラトリーズが23日(米国時間)に発表した、立体音響技術「ドルビーアトモス(Dolby Atmos)」のホームシアター向け展開に関連して、米Pioneer Electronicsは、Eliteシリーズにおいて、対応のAVアンプ・フラッグシップモデルやスピーカーを発売すると予告した。AVアンプは、2014年末までに提供するファームウェアアップデートでドルビーアトモスに対応予定。なお、国内での展開についてはまだアナウンスされていない。

 対応製品の詳細は、ニューヨークで現地時間の25日に開催されるイベント「2014 CE Week Show」にて披露される予定。

 さらに、ディーアンドエムホールディングスも欧州において、DENONブランドで2機種、Marantzブランドで2機種、対応AVアンプをそれぞれ9月から順次発売すると予告している。日本国内に向けた展開についてはコメントしていない。また、ヤマハも現時点ではアナウンスしていない。ソニーは今後の製品予定についてはコメントできないとしながらも、「様々な技術の採用は引き続き検討していく」としている。

ドルビーアトモスのロゴマーク

 ドルビーアトモスは、2012年4月に映画館向けとして発表された立体音響技術。従来のチャンネルベースのミキシング方式と、オブジェクトベースのダイナミックなオーディオミキシングを組み合わせ、精密な音の定位や移動を表現できることが特徴。40カ国で450以上のスクリーンに導入/導入予定で、日本のシネマコンプレックスなどでも導入が進んでいる。

 リスナーの頭上から音を出すという機能もサポートしており、天井にスピーカーを設置するのが難しい環境への対応として、ドルビーアトモス対応のドルビーイネーブルドスピーカーがドルビーのパートナー企業から発売されるほか、アドオンモジュールで既存のスピーカーを補完することでも対応できるとする。BDプレーヤーは既存の製品で再生可能。

米Pioneer

 米Pioneerが発売を予定しているドルビーアトモス対応のハイエンドAVアンプや、対応スピーカーは、ドルビーアトモスの効果を完全に発揮するためのマルチチャンネル再生能力を備えているとする。AV商品企画・マーケティング担当ディレクターのクリス・ウォーカー氏は「我々はホームシアター関連技術の最前線に常に立ってきた。ドルビーアトモスについても最新機種で対応する。最高のドルビーアトモス体験を提供するため、ハイエンドのAVアンプだけでなく、アンドリュー・ジョーンズが手掛ける、Eliteブランドに相応しいスピーカーも用意する」とコメントしている。

欧州DENON・Marantz

 ディーアンドエムホールディングスも欧州において23日(現地時間)、DENONとMarantzの対応状況をアナウンス。DENONは英国向けにAVアンプ「AVR-X4100W」と「AVR-X5200W」の2モデルを、初の対応製品として9月に発売予定。

 Marantzも9月に「SR7009」、10月に「AV7702」というモデルを、ドルビーアトモス対応機種として発売すると予告した。

 これらのAVアンプは、音場補正技術のAudyssey MultEQ XT32を使い、5.1.4ch(5.1ch環境をベースに4chを天井に設置)、7.1.2ch(7.1chをベースに2chを天井設置)した環境や、ドルビーイネーブルドスピーカーを使った環境で、9chのドルビーアトモスの音声を再生できるという。

 なお、既報の通り、他メーカーでは、オンキヨーが23日に開発中のAVアンプ上位モデル「TX-NR3030」と「TX-NR1030」で対応を予告。既発売のエントリーモデル「TX-NR636」と「TX-NR838」でも、9月にアップデートで対応するとしている。

(山崎健太郎)