ニュース

ソニー、デジカメQX/ハイレゾ/Xperiaなど新製品。Life Space UXも進化

 ソニーは、ドイツ・ベルリンで9月5日(現地時間)より行なわれる家電ショー「IFA 2014」の開幕前プレスカンファレンスを3日に開催。平井一夫社長兼CEOらが、モバイル、デジタルイメージング、ゲーム&ネットワークそれぞれの分野の新製品やサービスなどを発表。また、1月のCES 2014で披露した「Life Space UX」の新たな取り組みなども紹介した。

平井一夫社長兼CEO

4K超短焦点プロジェクタなどの「Life Space UX」が進化、小型防水モデルも

CESでのキーノートスピーチで平井氏が「WOW」と言った回数をカウント

 平井氏は、1月のCESでキーノートスピーチを行なったことを振り返り、スピーチで「感動(KANDO)」というキーワードを軸に製品やサービスで新たな体験をもたらすための取り組みを強調。人々に感動を与えるという意味で、スピーチでは「WOW !」という言葉を23回も用いたという。

 そのCESでも話題となった「Life Space UX」を、欧州でも今回のIFAで披露。横長でAVラックも兼ねた超短焦点の4Kプロジェクタを2015年の夏に欧州で発売するほか、テーブルをスクリーンのようにして映像投写/画面タッチ操作を可能にする「テーブルトップスクリーン」、天井に映像投写する「シーリングスクリーン」などを紹介した。同社ブース内のデモでは、ハンドジェスチャで画面のスクロールが行なえるなど、UIの進化もアピールしている。

 さらに、新たなコンセプトモデルとして、キューブ型で防水の「ポータブル超短焦点プロジェクター」も披露。23型の映像投写と、投写したスクリーンをタッチして操作できる点などが特徴で、浴室や、部屋の壁などに設置して壁面をスクリーンとして活用できるという。

Life Space UXの4K超短焦点プロジェクタ
キューブ型の防水モデルも展開

湾曲4KテレビやレンズスタイルQXのレンズ交換型など。ハイレゾ製品も拡充

ソニーヨーロッパの玉川勝プレジデント

 テレビやデジタルイメージング、オーディオ関連の新製品は、ソニーヨーロッパの玉川勝プレジデントが紹介した。

 テレビは、画面が湾曲した“カーブド”4K液晶テレビBRAVIAの75型「S90B-75」と65型「S90B-65」を発表。いずれも欧州では10月中旬の発売を予定している。

65型の湾曲4K液晶テレビ「S90B-65」

 4Kコンテンツでは、Amazonがビデオ配信サービスの「Amazon Instant Video」と「Prime Instant Video」において4K映像の配信を今年開始することから、4K対応BRAVIAでも米国、英国、ドイツにおいて同サービスに対応する予定であることを明かした。そのほか、欧州の衛星放送大手「アストラ」が衛星で実施している4K試験放送の、4K BRAVIAを使った受信デモを行なうことも紹介した。

 デジタルカメラでは、日本でも「レンズスタイルカメラ」として展開しているQXシリーズの新製品として、光学30倍ズームに対応した「QX30」を発表。さらに、同製品を発展させたユニークなモデルとして、ソニーのEマウントレンズを装着できる「ILCE-QX1」も登場。望遠レンズや、単焦点レンズなどの特徴を活かした撮影が行なえ、QXシリーズの特徴であるスマホ連携機能も兼ね備えたモデルとなっている。

光学30倍ズーム対応の「DSC-QX30」
Eマウントのレンズ交換型モデル「ILCE-QX1」
アクションカムの小型モデル「ActionCam Mini」も発表した

 オーディオ製品は、同社ハイレゾ対応製品が欧州で32製品(グローバルでは50製品以上)まで広がっていることを紹介。これに追加する形で、ハイレゾ対応ウォークマンをより手頃な価格にした「NWZ-A15」(欧州での価格は約200ユーロ)や、バランス対応ヘッドフォンアンプ/USB DACの「PHA-3AC」、バランス対応ヘッドフォン「MDR-Z7」、40mm径HDドライバユニット搭載のヘッドフォン「MDR-1A」、同製品のDAC搭載モデル「MDR-1ADAC」など7製品を発表した。

ハイレゾ対応ウォークマンの普及価格帯モデル「NWZ-A15」

 さらに、ハイレゾ音源としてSMEがファレル・ウィリアムスやカサビアンといったアーティストによるハイレゾ音源の新譜を発表。今後、各配信事業者とも協力して、各国でハイレゾ音源をダウンロードできる環境を広めていくという。

NWZ-A15や、ヘッドフォンの「MDR-1A」、「MDR-Z7」、「MDR-1ADAC」などのハイレゾ対応モデル

カメラ強化/ハイレゾ対応のXperia Z3など

 スマートフォンと周辺機器は、ソニーモバイルコミュニケーションズの鈴木国正社長兼CEOが紹介した。新たなフラッグシップスマートフォンとなる「Xperia Z3」と、ハイエンドの機能を凝縮した「Xperia Z3 Compact」、8型タブレットで世界最薄最軽量を誇る「Xperia Z3 Tablet Compact」の3製品を中心に説明した。これら3製品については、別記事で掲載している。

Xperia Z3を紹介する鈴木国正氏

 5.2型フルHD液晶を備えた最上位機「Z3」は、7.3mmという薄さや、ベゼル幅2mm以下という狭額縁の新デザインとし、25mmに広角化した新レンズなどカメラ機能も強化。4K動画撮影も備えており「世界最高のカメラとカムコーダをスマートフォンに備えた」とアピールした。そのほかにも、ハイレゾ再生対応や、2日間使えるというロングバッテリなども特徴。

 4.6型で、同じくハイレゾ再生や、4K動画撮影などの機能を備えた「Xperia Z3 Compact」も、小型ながら妥協せずハイエンドの機能を搭載したことを強調。8型のXperia Z3 Tablet Compactは、「世界で最もパワフルで軽い防水タブレット」と紹介した。

Xperia Z3とZ3 Compact、Tablet Compactなどを発表
Z3はベゼル幅2mm以下
Z3 Compactはハイエンドの機能を4.6型端末に搭載
Z3 Tablet Compactは、タブレットとして圧倒的な薄さを誇る
スマホ連携のウェアラブル端末として、Android Wear搭載の「SmarWatch 3」も発表
通話対応の「SmartBand Talk」も発売する

 鈴木氏は、Xperiaスマートフォン/タブレットの特徴として「Listen」、「Create」、「Watch」、「Play」という4つの言葉で説明し、最後の「Play」が示す新機能として、PlayStation 4のリモートプレイに対応した点を発表。専用のアタッチメントで、PS4用コントローラのDUALSHOCK 4にXperiaをドッキングして家庭内の別室でリモートプレイができることを紹介した。

Xperia Z3をアタッチメントでDUALSHOCK 4に装着してリモートプレイ
Z3 Tablet Compactでもリモートプレイ可能。なお、外出先でモバイル通信を使ったリモートプレイは、発売時点では対応しないという

 その他にも、CESで参考展示されたメガネ型のディスプレイ搭載端末「スマートグラス」をIFAにも出展。メガネをインフォメーションディスプレイとして利用でき、対応ソフトを開発するためのSDKも間もなく公開する予定であることを明かした。

スマートグラスも展示。コントローラ部のようなものが有線でつながっており、写真撮影用と見られるボタンも備えている

(中林暁)