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OJI Special、クロックとオーディオデータを分離伝送するバランス対応DAC

 山陽化成は、OJI Specialブランドの新製品として、バランス出力対応のDACユニット「D_DAC Unit」(8128DAC)を11月10日より発売する。同社のマスタークロック同期システム「MTCSS Unit」またはDAC搭載のマスタークロック同期システム「MTCSS Unit DAC」からの入力のみ対応し、専用リンクインターフェイスケーブルで接続する。受注生産で、価格は55万円。納期は約1カ月。

D_DAC Unit(8128DAC)

 RCA出力も備えたモデル「D_DAC Unit+RCA」(8128DAC-R)も用意。価格は60万5,000円。MTCSS Unitなどと接続する専用リンクケーブルは別売で、50cmモデルは2万円、1mモデルは3万円。

 同社のMTCSS Unit(Magnification Total Clock Synchronized System)で、S/PDIFのデジタルオーディオからクロックとデータを分離して内部の高精度クロックや外部アトミッククロックなどに差し替えたデータを、専用ケーブルで分離されたまま入力、内部処理してアナログ信号へ変換するDACユニット。内部は全てハードウェア処理となっている。

 デジタルデータをバランス信号に変換し、大型のトロイダルトランスを左右2基備えた電源を持つ独立したモノラルDACセクションでDA変換。アナログセクションでのバランス変換が不要なため、「従来のアナログバランス回路では得られない、位相差の無い一般シングルエンド構造のDACの2倍のダイナミックレンジを誇るコンプリートバランスアナログ信号を出力する」という。

アンバランス出力も備えた「D_DAC Unit+RCA」の背面

 入力端子は専用のリンクインターフェースコネクタ(D-Sub)が1系統。44.1~192kHz、16/24bitの入力に対応する。出力はアナログのXLRが1系統。D_DAC Unit+RCAは、アンバランスのRCA×1も装備する。外形寸法は430×231×88mm、重量は約5.2Kg。

 本体デザインはMTCSSシリーズと同様で、重ねて設置する場合も接続リンクケーブルなどが最短になる構成とした。筐体はオールアルミケースで、ステンレスメッシュを備える。ほぼ全てのネジがステンレス製。フルテック製オーディオグレードACインレットや、金メッキ外装部品、銀メッキテフロン内部配線などのパーツを使用している。

(中林暁)