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ソニー、4K/空間光学/PJ搭載の最上位ビデオカメラ。アクションカムの制御も
(2015/1/14 13:05)
ソニーは、4K撮影機能と、空間光学式手ブレ補正、プロジェクタ機能を搭載したコンシューマ向けビデオカメラの上位モデル「FDR-AXP35」、同モデルからプロジェクタとファインダーを省いた「FDR-AX30」を2月20日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は、AXP35が14万5,000円前後、AX30が13万円前後。
カラーはFDR-AXP35がブラックとブロンズブラウン。FDR-AX30がブラック。なお、4Kカメラの「FDR-AX100」は併売される。
ソニーは2015年を「4Kビデオカメラ普及元年」と位置付けており、4Kの高画質撮影を一般ユーザーに向けて訴求。今後の4Kテレビの普及なども見込み、子供の成長記録を撮影する際にも4Kで撮影しておくことで、将来的に高画質で振り返る事ができるメリットなどをアピールしている。
30%小型化。4K/30p撮影に対応
4Kビデオカメラをファミリー層まで広げるために、2013年に発売したFDR-AX1と比べて約30%の小型化を実現。重量もAX1の約2,440g、2014年の「FDR-AX100」(約790g)よりも軽量化し、AXP35は625g、AX30は585gを実現した。
撮像素子は1/2.3型のExmor R CMOSでベイヤー配列。総画素数は1,890万画素、動画撮影時の有効画素数は829万画素(16:9)。レンズはツァイスのバリオ・ゾナーT*で、フィルタ径は52mm。絞りは6枚羽根。F値は1.8~3.4、焦点距離は35mm換算で29.8~298mmの光学10倍ズーム。デジタル120倍ズーム機能も備え、全画素超解像技術も取り入れている。
レンズと撮像素子を1つのユニットとし、そのユニットがビデオカメラのボディ内で自由に動くような機構を採用する事で、高い手ブレ補正能力を実現する「空間光学式手ブレ補正」機能を搭載する。
4K撮影はXAVC Sフォーマットを採用。3,840×2,160/30p、24pでの撮影ができ、ビットレートは最大約100Mbps。100Mbps記録時には、SDXCカードのClass 10/UHSスピードクラス3が必要。XAVC Sでの1080/60p撮影や、AVCHDでの1080/60p撮影も可能。XAVC SのフルHD撮影時、最大ビットレートは約50Mbps。AVCHDでは約28Mbpsとなる。MP4形式で1,280×720/30p撮影も可能。
4K/30pの動画撮影に加え、そこから829万画素の静止画を切り出す事も可能。従来はPCに撮影動画を取り込み、同じような事は可能だったが、新モデルではカメラ本体のみで静止画の作成が可能になった。
また、4K映像をHDMIケーブルを使ってテレビに表示している際に、昨年モデルは4K画角の中から任意の範囲をフルHDで切り出して表示する機能を備えていたが、新モデルではこれが進化。カメラのズームレバーを使い、画角の変更ができるようになっており、再生時にズームしているかのような効果が得られる。
これにより、発表会や運動会など、被写体が遠くて、自分の子供がどこにいるかわからないような撮影の時に、引きのアングルで全体を撮影しておき、再生時に自分の子供に擬似的にズームするといった使い方ができるという。
AF機能は昨年モデルの「顔認識」機能から強化。顔だけでなく、体も含めて全体で追尾する「ロックオンAF」となった。画像処理エンジンはBIONZ X。液晶モニタは3型、92万画素。
AXP35とAX30の違いはプロジェクタとファインダー
記録メディアとして、どちらのモデルも64GBのメモリを内蔵。SDカード、もしくはメモリースティックPROデュオなどのカードスロットも装備。128GBまでのカードが利用できる。
AXP35にはさらに、ビューファインダとプロジェクタが搭載されている。ビューファインダーは0.24型。
プロジェクタはDLP方式で、輝度は最大50ルーメン。解像度は854×480ドットで、10型~200型までの投写が可能。投写距離は50cm以上。撮影した映像を壁や天井などに投写する事で、家族などの多人数で鑑賞できる。付属バッテリを使った際の連続投写時間は約2時間25分。
AXP35の外形寸法は75×149.5×78.5mm(幅×奥行き×高さ/バッテリ含む)。重量は本体のみで約625g。付属バッテリの「NP-FV70」を含めると約725g。
AX30の外形寸法は71×133.5×78.5mm(幅×奥行き×高さ/バッテリ含む)。重量は本体のみで約585g。付属バッテリの「NP-FV70」を含めると約685g。
アクションカムとの連携も。編集機能も強化
無線LAN機能を搭載。NFCにも対応し、ワンタッチでスマートフォンなどと連携できる。Ustreamにも対応しており、撮影している動画をネット配信できる。
さらにマルチカメラコントロールにも新たに対応。ソニーのアクションカメラなど、他のカメラと最大5台、無線LANで接続・連携できるもので、ビデオカメラのモニタ画面に他のカメラの状況を示すアイコンが並ぶ。マスターとなったビデオカメラから、他カメラの録画スタート/ストップ、シャッター操作、ズーム操作が可能。
これにより、例えばビデオカメラのアクセサリーシューにアクションカメラを取り付け、引きの映像はアクションカメラで撮影。アップの映像はビデオカメラで撮影し、後で編集する際に組み合わせる事ができる。撮影時には、ビデオカメラからアクションカメラを操作できるため、操作が複雑にならないというメリットがある。
現時点で対応しているカメラは、アクションカメラのHDR-AZ1、AS100V、AS30V、レンズスタイルカメラのILCE-QX1、QX30。アクセサリーシューに取り付けるためのマウント「VCT-CSM1」も2月20日にオープンプライス(店頭予想価格:2,000円前後)で発売する。
なお、Windows用動画/静止画管理ソフト「PlayMemories HOME」もマルチ撮影した動画の編集に対応。2つの映像を並列に配置したり、縦列に並べたり、PinP(小画面)表示するといった編集が可能。撮影データの管理や、XAVC Sの4K映像再生、簡易編集などもPlayMemories HOMEを利用する。
新機種ではこれに加え、カメラ本体での簡単編集機能を用意。カメラのハイライトボタンを押すと、カメラ自身が良いシーンを自動的にピックアップし、1,280×720/30pのMP4動画を作成してくれる。長大な撮影データからコンパクトにまとめた映像になるため、SNSなどでシェアしたり、内蔵プロジェクタ(AXP35のみ)で投写するといったシーンで活用できるとする。
ハイライト動画の長さは2分、1分、30秒、15秒など。PlayMemories HOMEに任意の楽曲を取り込んでBGMとして使ったり、プリセットBGMを使うことも可能。なお、このハイライト動画機能はフルHDのAVCHD動画でのみ利用でき、4Kでは利用できない。処理時間は作成動画の約2倍かかる。