ミニレビュー

“叫んでも声が漏れない”防音マイク「mutalk 2」の実力は? 実はWeb会議が本命!?

mutalk 2。ノーズカバーマウスパッドを付けた状態

Shiftallから発売されたワイヤレス防音マイク「mutalk 2」。口に装着する形で使用し、発話している自分の声が外に漏れにくいだけでなく、周囲の騒音も低減して、自分の声だけを相手に届けられることも特徴としている。

前機種「mutalk」で好評だった防音性能はそのままに、マイクや通信チップなどを刷新し、高音質化。鼻も覆う「ノーズカバーマウスパッド」も同梱し、従来よりも自然な声で収音できるようになっている。今回、mutalk 2の機能を体験できる機会を得たので、実際の防音性能などについてレポートする。

mutalk(左)とmutalk 2(右)。外観の変更はカラーのみ
mutalk(左)とmutalk 2(右)。外から見える違いはマイクの位置。そのほか通信チップなどが変更されている

mutalk 2の接続方法は、USBケーブルによる有線接続、専用ドングルによる2.4GHzワイヤレス接続、Bluetooth接続の3種類。ドングル使用でのワイヤレス接続では、有線同等の低遅延性能と音質を実現している。

本体での操作はこのボタンのみ。基本的にスマホアプリを使用する

防音性能は電子的な機能ではなく、筐体にヘルムホルツ共鳴器の原理を利用することで実現。小型ながら大幅な消音効果を備えており、叫び声などの高音域(1.6kHz〜2kHz帯)では、-30dBを超える消音効果を発揮する。これにより、コワーキングスペースやカフェ、新幹線などでWeb会議をしても、周囲に迷惑をかけたり、情報漏洩を防ぐことができるとのこと。

もちろん、通話しながらのゲームプレイや、配信など、ヒートアップして思わず大声になってしまうシーンでも活躍する。

ShiftallのHMD「MeganeX」と、mutalk 2を装着したShiftall 代表取締役CEO 岩佐琢磨氏

自分の声を防ぐだけでなく、周囲の騒音を低減できるのも特徴。筐体の構造で低減することに加え、マイク自体にもノイズリダクション機能を搭載することで、周囲のノイズをカットしながら、自分の声だけを相手に届けることができる。

Shiftallの代表取締役CEO 岩佐琢磨氏が、その消音機能を実演した動画がこちらだ。

防音マイク「mutalk 2」の実力は? 騒音下で収録してみた

スピーカーで騒音を再現し、その場で声を収録している様子をiPhoneで撮影し、そのまま載せているのが前半部分。後半はmutalk 2で実際に収録した音声を合わせた状態になっている。周囲の雑音をしっかりカットして、岩佐氏の声が収録されていることがわかる。

ちなみに、この騒音を再生している状態でも、声を張れば普通に会話はできるのだが、mutalk 2を装着している岩佐氏の声は、動画前半の通り、外にはほとんど聞こえない。部屋が無音の状態で話せば聴き取れるが、扉1枚挟んだらもうほぼ聞こえないような音量になるので、外に対しての防音性能も高い。

動画ではバンドを着けて使用しているが、発話するときだけ持って使うこともできる。なお、マイク側を上にして机の上などに置けば自動でミュートになるので、どちらかというと、持って使う方が一般的な使用方法だ。

Web会議などでは、発話するときにこのように持って使う

mutalk自体が元々ビジネス用途での利用を想定していたそうで、HMDなどを利用したVRChatや、ゲーマー、配信者などへも利用が拡大し、より音質や利便性を向上したモデルがmutalk 2になったという。

また、従来の口元だけのマウスパッドを使用した場合、呼吸はしやすくなるが、収録した声が鼻声のように聞こえてしまうという課題があったが、今回、鼻も覆うノーズカバーマウスパッドも標準で付属。より自然な声で収録可能になり、歌の収録をmutalk 2で行なっているユーザーもいるそうだ。

音質については、周囲の反響音を拾ってしまう環境でのコンデンサーマイクと比較すると、声が聴き取りやすく収録できるが、ダイナミックマイクと比較すると、物理的に口元を塞いでいる分、少し篭もった印象がある。一方で、ノートPCの付属マイクやスマホのマイクからのアップデートとして利用したり、比較対象がない状態で使用すれば、違和感なく利用できそうな印象だ。

従来のmutalkから、Webでの販売のみとなっていたが、今後はエディオンの店舗でも取り扱われるほか、他のShiftallと合わせて、体験会も企画していくとのことだったので、気になる人は機会を設けて実物に触れてみてほしい。

Shiftall製品を身に纏った岩佐氏
野澤佳悟