ミニレビュー
猫からレコードを守りつつ、音楽を“飾る”。賃貸でも叶う「壁掛け収納」のススメ
2025年9月2日 08:00
じわじわ人気が再燃し、今や世界的にブームとなっているアナログレコード。ストリーミングサービスで音楽を聴くのも手軽でいいけれど、あえて “音楽を手に取って楽しむ” という体験に、再び注目が集まっています。
私も、そんなレコードブームに乗って楽しんでいる一人。数年前にレコードプレーヤーを入手してから少しずつ集めるようになり、まだ枚数は少ないけれど、大切なコレクションが増えています。
レコードといえば、なんといってもこの大きなジャケット。だいたい30cmと少しの、ちょっとしたポスターのようなサイズで、ひとつのアートとして楽しめるのも魅力ですよね。
そこで今回、レコードジャケットを存分に楽しむべく、“壁掛け収納” にチャレンジしてみました。
レコードの大敵は「直射日光」と「湿気」、そして「猫」だった?
私が壁掛け収納を選んだのには、レコードジャケットを堪能したいという思いのほかに、もうひとつ理由があります。それは、「猫の手の届かない場所にレコードを置きたかった」から。
実は我が家では、少しずつ集めた大切なレコード(のジャケット)を、猫にがっつり噛まれてしまったんです……。
これ、サム・スミスの「GLORIA」なんですけど、私が一番好きなアルバムなんですけど。ある朝、目覚めたらもう、こうなっていて……。
この頃は、プレーヤーを設置している小さなオープンラックに、レコードを並べて収納していたんです。オープンラックは取り出しやすく、一番端っこに置けばジャケットも見えて楽しめたのですが、その反面、猫も手出ししやすい環境でした。
しかしこれは、猫様の興味をそそってしまった、人間の問題。おかげで、収納を考え直すきっかけになりました。
そもそも、窓際にある棚への収納はNG。なぜなら、直射日光が当たりやすいからです。直射日光はレコードの大敵で、熱に弱いレコード盤は、日光の熱で形状が反って歪んでしまうこともあるし、ジャケットは日焼けして色褪せてしまいます。湿気も大敵で、レコード盤にカビが生えてしまったり、ジャケットがよれたりするリスクもあるそう。
また、プレーヤーも精密機器なので、直射日光の当たる場所は避けた方が良いでしょう。我が家は電源位置と他の家具との関係上、どうしても窓際に置くことになったのですが、もし、これからプレーヤーや集めたレコードの置き場を作ろうとしている人がいたら、できるだけ日光の当たらない涼しい場所がおすすめです。
他にも、レコード盤は「立てて保管」がベスト。重ねて保管すると、重みでレコード盤が歪んだり、ジャケットに跡がついてしまったり……。かといって、箱や棚にぎゅうぎゅうに詰め込むのも圧力がかかるのでNG。サッと取り出せるくらいの、程よい隙間を持たせるのが良いそうです。
そんなこんなで、我が家では一旦、扉のある棚の空きスペースにレコードを収納しています。でも、せっかく買ったレコードを隠すのはもったいないし、取り出しにくい所にしまい込むと、やっぱり聴く頻度も落ちてしまって……。
プレーヤーがあるにも関わらず、レコードを “ただ買っただけ” にはしたくない。そこで、直射日光と猫の攻撃を避けつつ、レコードを「ちゃんと楽しみたい」と思い立ったのです。
賃貸でもOKな“壁掛け収納”が便利。ちょっとした失敗も挑戦の証
壁掛け収納には、いろんなアイテムがあります。穴が目立たないピンと組み合わせたウォールシェルフは、賃貸でも設置しやすく、インテリアとしても結構人気。有名なのは、無印良品の「壁に付けられる家具」シリーズでしょうか。
私が選んだのは、レコード収納向けに展開されている棚のパーツ「NIUBEE 透明 レコードラック」と、細い石膏釘のピン「和気産業 石膏釘」。本来はネジに引っ掛けて設置するタイプなのですが、賃貸の我が家はネジが打ち込めないので、穴が小さく目立たないというピン(釘)を選んでみました。
そして今回、ぜひ壁掛けして飾りたい!と新たに購入した一枚が、Wet Leg(ウェット・レッグ)の「moisturizer」。先月7月に発売された2ndアルバムです。
最近は好きなアーティストの作品が出るとなったら、まず最初にレコードの展開を確認するのですが、彼女たちも新作が出ると知って情報を見ていたら、このクールな日本限定盤に出会いました。音楽も最高にクールで、個人的に一曲目の「CPR」が中毒性あって好きです。
早速、開封している側から猫様に監視されています。これは狙われている……。早いところ、届かない場所に収納しなくてはなりません。設置を急ぎましょう。
まずは、設置したい壁に棚のパーツを仮止め。このとき、できるだけ水平になるようにしましょう。測るものを持っている人はしっかり水平を確かめるのがおすすめ。器具もなくチャレンジ精神旺盛(?)な私は、目測で水平を測りました。
次に、棚を引っ掛ける穴の位置に、釘を打ち込んでいきます。軽く釘を押し当てて跡をつけ、これを目印にして、一旦棚のパーツを取り外して作業しました。釘はコインを押し付けるように打ち込みます。最初こそ力は要るものの、ぐいっと進み出したらあっという間。非力を自覚する私でも、簡単に設置できました(手首に痛みは残りましたが……)。
使用したピンには、釘が3つついています。それぞれの釘の方向が、交差するようになっていて、それによって耐久性を確保しているよう。打ち込む時に注意したいのが、釘を刺す方向に合わせて力をいれること。とても細い釘なので、無理におりゃー!と押し込むと、簡単に曲がってしまうのでで気をつけましょう。
さあ、いよいよ壁掛け棚の設置です。結論から言うと、なんとか設置はできたのですが、実はこれ、奇跡でした……。
というのも、棚に空いた穴の位置より、偶然ピンの取り付け位置がちょっとだけ広くなっていて、おかげでピンが棚の穴を少し押し広げるような感じになり、その反発力によって棚のパーツが安定するという結果に。
この棚は本来、引っ掛けるように設置する仕組みになっているので、ネジが使えない時は、フック型になっている小さなピンを使うのがベスト。私の購入品は、完全に組み合わせが失敗しています。設置したばかりですが、ピンの付け替えを早速検討しています。
さて、そんなポンコツ設置ではありましたが、とりあえずやってみよう精神でチャレンジした壁掛け収納、無事に終わりました!10分もかかったような、かからなかったような?上述のように、事前の調べが甘かったことによる失敗もありましたが、一応完成!
ということで、早速新作レコードを飾ってみます。
……うん、結構いい感じではないでしょうか!壁掛け棚自体をあまり主張させたくなくて、今回透明なパーツを選んだのですが、個人的にはだいぶ正解。壁にレコードが浮いているみたいで良いです。
レコードの存在は、音楽と向き合う癒し時間を増やしてくれる
レコードを集めるようになったとはいえ、音楽を聴くときはまだまだストリーミングサービスが中心。そんな普段はスマホ画面の中に留まっている音楽を、手で触れ、目で見て楽しめるって、やっぱり新鮮ですよね。レコードのモノとしての魅力を実感します。コレクションの収納はまだ整っていないけれど、まずは壁掛けするレコードを定期的に入れ替えて楽しもうと思います。
それに、やっぱりレコードの存在が目に入ると、プレーヤーにも手が伸びるんですよね。キッチンからコーヒーを持って作業に戻る時、向かいのベッドに横になった時、様々な瞬間に「今ちょっと音楽聴こうかな」と思わせてくれます。
おかげで、少し遠ざかっていた “ゆっくりと音楽に向き合う時間” も再び楽しめるようになったのが、一番の変化です。ぜひ皆さんも、手軽な壁掛け収納アイテムを活用して、お気に入りの作品を堪能してみてください。