AV Watchアワード
6年ぶり全刷新の有機ビエラ「Z95B」。キモは原画忠実な画作り【測定データすべて見せます(3)】
2025年10月27日 15:36
読者へ本当にオススメしたい製品をセレクトする「AV Watchアワード」。今年も、高画質・高音質なナンバーワンテレビを決めるべく、テレビメーカー7社から全11モデルの液晶テレビ・有機ELテレビを集め、横並びでの比較視聴とデータ測定を行なった。
10月31日公開の「2025年液晶テレビ大賞」「2025年有機ELテレビ大賞」発表に先立ち、比較視聴を実施した11モデルをブランド別に紹介する。
今回取り上げるブランドは「パナソニック」。
AV Watchアワード2025では、今年6月に発売した4K有機ELテレビの「TV-65Z95B」(53万円前後)と、4K液晶テレビ「TV-65W95B」(30万円前後)をテストした。
それぞれの概要・仕様と合わせ、マスターモニターとの比較動画および視聴機の測定データを掲載する。
有機ELラインナップ
パナソニックは、画質・音質・デザインと、6年ぶりにフルモデルチェンジを行なったフラッグシップ「Z95B」を筆頭に、ハイグレードモデルの「Z90B」、石こうボードの壁に細いピンで壁掛けできる「LW2」の全3シリーズ10機種の4K有機ELを展開。サイズは42型から77型まで。価格は26万円前後から。
シリーズと市場想定価格
| 77 | 65 | 55 | 48 | 42 | |
|---|---|---|---|---|---|
| Z95B | 94 | 53 | 38 | ー | ー |
| Z90B | ー | 41 | 29 | 27 | 26 |
| LW2(壁掛け型) | ー | 48(HDD無) | 32(HDD無) 38(HDD有) | ー | ー |
最上段の数字は「インチサイズ」、マス目の中の数字は市場想定価格(万円)
シリーズ別比較
| エン ジン | パネル | 倍速 | HDR | アト モス | 音声 出力 | チュ ーナ | HD MI 入力 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Z95B | 新世代AI高画質エンジン | RGB OLED | 120Hz 144Hz (VRR) | Dolby Vision IQ HDR10+ ADAPTIVE HDR10 HLG | 〇 | 160W~180W | 2K:3 4K:2 | 4 |
| Z90B | OLED | 60W | ||||||
| LW2 | ヘキサクロマドライブプラス | 120Hz | ー | 20W | 1or3 (チューナ) 2 (モニター) |
液晶ラインナップ
4K液晶は、ミニLEDバックライト搭載の「W95B」、スタンダードな「W90B」「W80B」、そしてキャスター付きスタンドで移動もラクな「LF2」の全3シリーズ12機種をラインナップしている。サイズは43型から75型まで。価格は13万円前後から。
シリーズと市場想定価格
| 75 | 65 | 55 | 50 | 43 | |
|---|---|---|---|---|---|
| W95B | 38 | 30 | 24 | ー | ー |
| W90B | ー | 24 | 20 | 17 | 16 |
| W80B | ー | ー | ー | 15 | 13 |
| LF2 | ー | ー | ー | ー | 17(HDD無/白) 18(HDD無/黒) 21(HDD有/白) |
最上段の数字は「インチサイズ」、マス目の中の数字は市場想定価格(万円)
シリーズ別比較
| エン ジン | ミニ LED | 倍速 | HDR | アトモス | 音声 出力 | チュ ーナ | HD MI 入力 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| W95B | 新世代AI高画質エンジン | 〇 | 120Hz 144Hz (VRR) | Dolby Vision IQ HDR10+ ADAPTIVE HDR10 HLG | 〇 | 50W | 4K:2 2K:3 | 4 |
| W90B | ー | 30W | ||||||
| W80B | ー | Dolby Vision HDR10+ ADAPTIVE HDR10 HLG | 20W | |||||
| LF2 | ヘキサクロマドライブ | Dolby Vision HDR10+ HDR10 HLG | ー | 1or3 (チューナ) 2 (モニター) |
有機ELテレビ「TV-65Z95B」について
RGBタンデムパネルと、パナソニック独自のディスプレイ構造などを採用した、フラッグシップ「Z95B」シリーズの65型。
発光層を4層に増やした新パネル「プライマリーRGBタンデム」によって、発光効率の向上によるコントラスト向上と、光の純度アップによる広色域化を実現。コントラストが高く、色鮮やかな映像が表現できるようになった。
従来の独自構造(独自素材貼り付け、バックカバー一体型放熱プレート)に加えて、ファンを使わずに、スムーズな気流でパネル冷却が行なえる「サーマルフロー」筐体を採用。パネルの発光を制御する「Bright Booster」も改良することで、パネル性能の最大化と更なるコントラスト化を実現している。
サウンドシステムは、全ユニットを刷新した「360立体音響サウンドシステム+」を搭載。
独自のラインアレイスピーカーと高さ方向の音を再現するイネーブルドスピーカー、水平方向の音の広がりを強化するワイドスピーカー、低域を強化するウーファーを備え、総合出力は170W(Z95Aは160W)。プレミアムシアターのような広大な音場を目指した。Dolby Atmosもサポートする。
液晶テレビ「TV-65W95B」について
ミニLEDバックライトを搭載した、液晶ビエラのフラックシップモデル。量子ドットは搭載しない。
進化ポイントは、バックライトエリア駆動の分割数が前モデル比で約2.5倍に細分化されたこと。これにより、ハローを大幅に抑制。信号処理によるコントラスト制御(Wエリア制御)を組み合わせることで、従来よりもコントラストの高い映像を実現した。
また、バックライトの色温度変化に応じて、色をチューニングするアルゴリズムを新搭載。どのようなシーンでも、正確な色表現が行なえるようにした。
内蔵スピーカーは、フルレンジ2基(30W)に加え、出力20Wの新ウーファーを搭載。音声実用最大出力50Wを実現し、迫力ある低音を目指した。
有機EL「65Z95B」、液晶「65W95B」ともに、OSは「Fire TV」。ネット動画やサービスを横断して選べるホーム画面と、サクサクと快適に操作できるレスポンス性を実現した。
チューナーは、BS4K・110度CS4Kチューナー×2、地上/BS・110度CSチューナー×3を搭載。HDMI入力は4系統。4K/144fps(VRR)までの高リフレッシュレートなゲーム信号もサポートする。
消費電力・年間消費電力は、65Z95Bが543W・210kWh/年、65W95Bが275W・180kWh/年。
スタンドを含む外形寸法/重量は、65Z95Bが1,448×348×916mm(幅×奥行き×高さ)/約29kg、65W95Bが1,446×321×867mm(同)/約22.5kg。
マスターモニターとの比較動画
※鑑賞時は、HDR対応のテレビ、PC、スマートフォンなどを使用してください。SDR環境では、正しく表示されません。
推奨設定:ガンマ/HDR10、色域/BT.2020、色温度/D65
※鑑賞時は、HDR対応のテレビ、PC、スマートフォンなどを使用してください。SDR環境では、正しく表示されません。
推奨設定:ガンマ/HDR10、色域/BT.2020、色温度/D65
ディスプレイ性能
映像モード「オートAI」(HDR)
映像モード「シネマプロ」(HDR)
映像モード「FILMMAKER MODE」(HDR)
ディスプレイ性能
映像モード「オートAI」(HDR)
映像モード「シネマプロ」(HDR)
映像モード「FILMMAKER MODE」(HDR)
輝度
| 映像モード 「オートAI」 | Z95B (25年モデル) | Z95A (24年モデル) | MZ2500 (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| 10%輝度 | 1,895cd/m2 | 1,410cd/m2 | 1,328cd/m2 |
| 全白輝度 | 391cd/m2 | 232cd/m2 | 233cd/m2 |
| 映像モード 「シネマプロ」 | Z95B (25年モデル) | Z95A (24年モデル) | MZ2500 (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| 10%輝度 | 2,305cd/m2 明るさ100 1,018cd/m2 明るさ70 (デフォルト) | 1,589cd/m2 | 1,440cd/m2 |
| 全白輝度 | 320cd/m2 明るさ100 357cd/m2 明るさ70 (デフォルト) | 211cd/m2 | 212cd/m2 |
| 映像モード 「FILMMAKER MODE」 | Z95B (25年モデル) | Z95A (24年モデル) |
|---|---|---|
| 10%輝度 | 2,307cd/m2 明るさ100 1,018cd/m2 明るさ70 (デフォルト) | 1,585cd/m2 |
| 全白輝度 | 328cd/m2 明るさ100 344cd/m2 明るさ70 (デフォルト) | 214cd/m2 |
| 映像モード 「オートAI」 | W95B (25年モデル) | A95A (24年モデル) | MX950 (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| 10%輝度 | 1,417cd/m2 | 1,721cd/m2 | 1,622cd/m2 |
| 全白輝度 | 715cd/m2 | 766cd/m2 | 731cd/m2 |
| 映像モード 「シネマプロ」 | W95B (25年モデル) | A95A (24年モデル) | MX950 (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| 10%輝度 | 1,273cd/m2 | 1,505cd/m2 | 1,489cd/m2 |
| 全白輝度 | 603cd/m2 | 642cd/m2 | 666cd/m2 |
| 映像モード 「FILMMAKER MODE」 | W95B (25年モデル) |
|---|---|
| 10%輝度 | 1,274cd/m2 |
| 全白輝度 | 687cd/m2 |
色域
| 映像モード 「シネマプロ」 | Z95B (25年モデル) | Z95A (24年モデル) | MZ2500 (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| BT.2020 1931カバー率 | 78.62% | 73.58% | 72.70% |
| BT.2020 1976カバー率 | 82.02% | 76.33% | 75.19% |
入力遅延
| 映像モード 「ゲームプロ」 等速駆動オン | Z95B (25年モデル) | Z95A (24年モデル) | MZ2500 (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| 4K60p | 1.2ms | 1.2ms | ー |
| 2K120p | 1.0ms | 1.0ms | ー |
| 映像モード 「ゲームプロ」 等速駆動オフ | Z95B (25年モデル) | Z95A (24年モデル) | MZ2500 (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| 4K60p | 8.8ms | 8.8ms | 10.9ms |
| 2K120p | 1.0ms | 1.0ms | 2.6ms |
| 映像モード 「ゲームプロ」 | W95B (25年モデル) | W95A (24年モデル) | MX950 (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| 4K60p | 9.2ms | 9.2ms | 11.4ms |
| 2K120p | 1.6ms | 1.5ms | 3.1ms |
HDMI仕様
| HDMI入力信号 | Z95B (25年モデル) | Z95A (24年モデル) | MZ2500 (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| 4K120fps | 〇 | 〇 | 〇 |
| 4K144fps | 〇 | 〇 | ー |
| ゲーム用HDR10 | 〇 | 〇 | 〇 |
| ゲーム用Dolby Vision | 〇 | 〇 | 60Hzまで |
| 4K50Hz | 〇 | 〇 | 〇 |
| 1440p | 〇 | 〇 | ー |
| 非圧縮ステレオ | 〇 | 〇 | 〇 |
| 非圧縮5.1ch | 〇 | 〇 | 〇 |
| 非圧縮7.1ch | ー | ー | ー |
| ドルビーデジタル | 〇 | 〇 | 〇 |
| DTS | ー | ー | ー |
| Dolby Atmos | 〇 | 〇 | 〇 |
| DTS:X | ー | ー | ー |
| その他 | Z95B (25年モデル) | Z95A (24年モデル) | MZ2500 (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| 電源ケーブル着脱 | 〇 | ー | ー |
| スイーベルスタンド | 〇 | 〇 | 〇 |
| HDMI入力信号 | W95B (25年モデル) | W95A (24年モデル) | MX950 (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| 4K120fps | 〇 | 〇 | 〇 |
| 4K144fps | 〇 | 〇 | ー |
| ゲーム用HDR10 | 〇 | 〇 | 〇 |
| ゲーム用Dolby Vision | 〇 | 〇 | 60Hzまで |
| 4K50Hz | 〇 | 〇 | 〇 |
| 1440p | 〇 | 〇 | ー |
| 非圧縮ステレオ | 〇 | 〇 | 〇 |
| 非圧縮5.1ch | 〇 | 〇 | 〇 |
| 非圧縮7.1ch | ー | ー | ー |
| ドルビーデジタル | 〇 | 〇 | 〇 |
| DTS | ー | ー | ー |
| Dolby Atmos | 〇 | 〇 | 〇 |
| DTS:X | ー | ー | ー |
| その他 | W95B (25年モデル) | W95A (24年モデル) | MX950 (23年モデル) |
|---|---|---|---|
| 電源ケーブル着脱 | 〇 | 〇 | ー |
| スイーベルスタンド | ー | ー | ー |
・パネル性能の測定には、キャリブレーションサービスを行なっている株式会社エディピットに協力を依頼した
・「シネマ系」「おまかせ系(無い場合は標準)」の2つのモードで測定(プレキャリブレーション)を実施した
・パターンジェネレータから、色温度D93/D65のHDR信号をテレビに入力。カラースペース(BT.2020)、EOTF、RGBバランス、色精度(デルタE)、10% Window(ピーク輝度)、100% Window(全白輝度)を、ソフトウェア「Calman Ultimate」で測定した
・測定環境は全暗。テレビは全モデル、工場出荷時にするため初期化し、センサー系の機能は全てオフとした
・「シネマ系」「おまかせ系」のモードは、デフォルト状態で測定した。ただし、デフォルトで明るさが低く抑えられている機種については、明るさを調整し、輝度が最大になる状態でも測定を行なった
・測定は何度か実施し、最も良い数値をセレクトした
・測定値で異常が見られた場合は、機器の状態や設定、接続などを見直し、テレビやPC、ジェネレータの再起動などを実施した。それでも変化が見られない場合は、メーカーに問い合わせを行なった






















