レビュー
バイオハザードの恐怖倍増。SonosのWi-Fiスピーカ+サウンドバーでお手軽サラウンド
2026年4月14日 08:00
Sonosが4月13日に発売したホームワイヤレススピーカー「Era 100 SL」。単体でもステレオのサウンドを楽しめるのが特徴だが、Sonos製サウンドバーと組み合わせればサラウンドシステムのリアスピーカーとしても活用できる。発売前に実機を借りることができたので、私物のサウンドバーと48型有機ELテレビと組み合わせて、夢のサラウンドシステムを構築してみた。
Era 100 SLは「Sonosホームサウンドシステムへの第一歩」と位置づけられるワイヤレススピーカー。Wi-Fi対応でAmazon MusicやApple Music、Spotifyなどの音楽配信サービスを楽しむことができる。Bluetoothも利用可能。
ただしバッテリーは非搭載で、使用するには必ず電源につなぐ必要がある。価格は29,800円で、カラーはブラックとホワイト。今回はブラックを2台借りている。
本体の音響設計・サウンドプロファイルは、2023年に発売された「Era 100」(32,800円)と同様。角度付きツイーター×2基とミッドウーファー×1基を3つのクラスDデジタルアンプで駆動する。
Sonosによれば、'23年発売のEra 100は「コンパクトでリッチなサウンドが、多くのユーザーから高く評価された」といい、この製品フォーマットを生かしつつ、ラインナップ拡充として投入されたのが、今回のEra 100 SLとなる。
機能面では、既存のEra 100がマイクを内蔵していたのに対し、Era 100 SLはマイクは非搭載。これによりAmazon Alexaなど音声アシスタントが利用できなくなったほか、Sonosの代名詞的技術であるサウンド補正の「TruePlay」もiOSデバイスとの組み合わせ時のみ利用可能で、Androidには非対応となった。
そもそもTruePlayは、部屋の壁や家具、そのほかの表面に音がどう反射するかを測定し、それを基にイコライザーで高度なチューニングを行なう技術。
反射音の測定にはスピーカー内蔵のマイクを使うiOS/Android対応の「クイックチューニング」と、iOSデバイス(iPhone)の内蔵マイクを使う「高度なチューニング」の2種類が用意されているが、今回のEra 100 SLはマイク非搭載なので「クイックチューニング」には非対応となる。
そのほか、Era 100 SLを2台、またはEra 100 SLとEra 100を1台ずつといったステレオペアリングも可能。
Era 100 SL単体の音をチェック
まずはEra 100 SL本体をチェック。本体は120×130.5×182.5mm(幅×奥行き×高さ)と楕円に近い円筒型。重さ1.95kgと、バッテリー内蔵のポータブルスピーカーなどと比べると重めだが、その分筐体にはがっしりとした剛性感がある。
本体の電源ポートは底部にあり、下から上に挿し込む形。専用ケーブルのコネクタもL字型で、背面からコネクタが出っ張らず、スマートにケーブルを取り回せる。底面にはネジ穴もあり、別売りの壁掛けアクセサリ、スタンドとの組み合わせにも利用できる。
本体上部には、スライド操作で音量調整ができるタッチパッドと再生/停止、曲送り/曲戻し用のタッチボタンがあり、スマートフォンなどを使わずに簡単な操作も可能だ。
Era 100 SLはWi-Fi対応でApple AirPlayが利用できるため、iPhone 16 ProからAirPlay経由でApple Musicを聴いてみた。なお、TruePlayは行なっていない。
サウンドは解像感が高くクセのない素直な仕上がり。Mrs. GREEN APPLEの「ライラック」や「ダーリン」などは、ボーカル・大森元貴の歌声がスッと伸びつつ、芯のあるギターリフも楽しめる。
比較的コンパクトな筐体ながら、低音にも十分迫力があり、ズシンと響くベースやドラムのサウンドを味わえる。音の広がり感も強く、リビングなど広いスペースでも1台でカバーできそうだ。ただ単体再生時のステレオ感はあまりないので、本格的に音楽を楽しむなら2台用意したほうがいいだろう。
2台のEra 100 SLとサウンドバーでサラウンドシステム構築
Sonos製品の特徴は、サウンドバーとホームスピーカー、サブウーファー、ヘッドフォンなど、各製品をワイヤレスで連携してサラウンドシステムを構築できること。「まずはサウンドバーを買ってTVの音質をアップ。ゆくゆくはリアスピーカーも用意して映画館気分を味わう」など、予算や住環境に合わせた空間を作り上げられる。
Era 100 SLの場合、2台用意することでサウンドバー「Sonos Arc Ultra」「Sonos Arc」「Sonos Beam(全世代)」「Sonos Ray」のリアスピーカーにすることが可能。Era 100 SL単体ではDolby Atmosに非対応だが、Sonos Rayを除くサウンドバー3機種と組み合わせればDolby Atmosサウンドを再生できる。
また今回は試さなかったが、ワイヤレスサブウーファー「Sonos Sub Mini」や「Sonos Sub」とも組み合わせ可能だ。
今回は筆者が'23年に購入したSonos Beam(Gen2)を“母艦”に、2台のEra 100 SLをリアスピーカーとして、6畳の自室をサラウンド環境化してみた。
Era 100 SLとサウンドバーはワイヤレスで連携するため、サウンドバーやテレビと有線接続は不要。電源と置き場所さえ確保できれば設置できる。
本来は視聴位置の後方に左右とも同じ角度、同じ距離でリアスピーカーを設置するのが理想的だが、自室の場合、テレビの向かいにはロフトベッドがあるため理想的な設置は不可能。今回は左右ともに角度・位置が異なる状況での設置となっている。
サラウンドのセットアップは「Sonos」アプリから行なう。アプリ右上の歯車マークからBeam(Gen2)を選択、中段に表示されている「サラウンドを設定する」をタップすると、どのスピーカーをサラウンドにするかを尋ねられるので、同じ部屋でセットアップしたEra 100 SLを選択する。
Era 100 SLを選択すると、片方のEra 100 SLからチャイム音が再生され、「左右どちらのリアスピーカーが鳴っているか」を尋ねられる。選択したあとは、アプリ側で処理が行なわれ、2~3分でサラウンドとしてのセットアップが完了する。
セットアップを行なったあとに、今度はiPhoneを使ったTruePlayでサウンド調整も実施。これにより、理想的な配置状態でなくても、空間にマッチしたサウンドに自動補正できる。実際に後述する映画やゲームでも特に違和感は感じなかった。
測定はアプリの指示に従い、いつもテレビを見ている位置に座って目線の高さにiPhoneを掲げたり、iPhoneを上下に動かしながら部屋中を歩き回って反響音を測定すれば、あとは自動で音質補正が行なわれる。
さっそくサラウンド環境の実力をチェック。UHD BD「トップガン マーヴェリック」から、序盤のダークスター離陸シーン、中盤のマーヴェリック大佐によるタイムアタックシーンなどを試聴してみた
愛用しているBeam(Gen2)は上向きスピーカー非搭載ながらDolby Atmosに対応しており、単体でも十分臨場感があると思っていたが、リアスピーカーが加わることでさらに迫力が増し、マッハ10を目指すダークスターがケイン海軍少将の頭上を通過するシーンでは、機体が頭の上を通り過ぎていく様子はもちろん、頭上を通過したあとに加速して離れていく様子がしっかりと聴き取れる。
映画だけでなく、ゲームも没入感がアップする。「バイオハザード レクイエム」では、「The Girl」という巨大な敵が徘徊するなかを隠れながら進むパートがあるのだが、主人公・グレースの近くを歩き回る「ビタッ、ビタッ」という足音や不気味な唸り声が、文字通り自分の後ろから聴こえてくるため、得体の知れない存在に追われている恐怖が倍増。
もちろん、ほかのゾンビのうめき声なども背後から聞こえるようになるので臨場感もたっぷり。1度クリアしているにもかかわらず、背筋がゾクゾクするような怖さを味わえたので、初回プレイだったら途中で投げ出していたと思えるほどだった。
もうひとりの主人公・レオンのパートはアクションが多めで、敵の数も多いので気がつくと周りをゾンビに囲まれていることもあるが、リアスピーカーを追加したことで後ろからゾンビが迫ってくる様子が音で判断しやすくなり、より安全に立ち回りつつ、ゾンビをなぎ倒す爽快感を味わえた。
予算・生活環境に合わせてアップグレードできるSonos製品
世界中で支持されているという音響構造はそのままに、マイクを省くことでリーズナブルな価格を実現したEra 100 SL。サウンドはクセがなく、単体でも十分部屋中を満たせるパワフルさがあり、Wi-Fi経由で各種音楽サブスクを使えるので、家でお手軽に音楽を楽しむスピーカーとして最適だ。
まずはEra 100 SL単体で音楽を楽しみ、次は2台に増やしてステレオでより立体感のあるサウンドを、最後はサウンドバーも加えてサラウンドシステムと、Sonos製品を買い足していくことでサウンド環境をアップグレードできるのも嬉しいところ。
サラウンドを手軽に楽しむ方法としてはヘッドフォンを使うのが一般的だが、頭部の締めつけ感や耳元の蒸れが気になりがち。今回試したサウンドバー+リアスピーカーなら、そういったストレスなく長時間でも作品に没頭できる。
特に自分の視点に合わせて音が動くゲームとの相性は抜群で、一度クリアしたゲームも新鮮に感じられるほど、まったく違う体験ができた。
サラウンドシステムと聞くと、テレビやAVアンプとの接続、設定など煩雑そうなイメージだが、Era 100 SLであれば電源と置き場所さえ確保できれば、あとはアプリで自動連携できるので、使い出すのも比較的簡単。オーディオ初心者でも安心して使える点もSonosの魅力だ。
強いてあげれば、Era 100S SLはマイク非搭載になったことで、AndroidでTruePlayを使えなくなったのはマイナスポイント。ただ、友人や家族にiPhoneを借りれば、TruePlayの測定は可能。一度TruePlayを設定すれば、スピーカーの設置場所を変えたり、家具の配置を変えたりしなければ再度測定する必要はないので、周りにiPhoneユーザーがいれば、Android派の人でも、その恩恵を受けられる。





















