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IMAX撮影「ファースト・マン」。フルサイズで観るなら“大阪EXPOシティ”に飛べ

NASAによる人類初の月面着陸計画を描いた映画「ファースト・マン」が、8日より劇場公開される。本作は月面シーンをIMAXフィルムカメラで撮影しており、IMAX劇場では通常のシネスコサイズと比べて26%増、109シネマズ大阪エキスポシティのIMAX劇場では40%増の画角サイズで上映される。

映画「ファースト・マン」は“史上最も危険なミッション”とされた月面着陸計画に人生を捧げ、命がけで成功へと導いたNASAの宇宙飛行士ニール・アームストロングの視点で描かれる作品。

監督は、映画「ラ・ラ・ランド」でアカデミー賞監督賞を最年少で受賞したデイミアン・チャゼル。アームストロング船長を演じるのは「ラ・ラ・ランド」でチャゼル監督とタッグを組んだライアン・ゴズリング。アームストロングの妻ジャネットには、「ドラゴン・タトゥーの女」シリーズの最新作で主演を務めるクレア・フォイ。脚本は「スポット・ライト 世紀のスクープ」のジョシュ・シンガー。撮影監督は「ラ・ラ・ランド」でアカデミー賞撮影賞を受賞したリヌス・サンドグレン。音楽はジャスティン・ハーウィッツ。作品時間は141分で、配給は東宝東和。

「ファースト・マン」©Universal Pictures

本作では、月面シーンにIMAXフィルムカメラを採用。IMAXフィルムカメラは、アスペクト比 1.43:1の65mmサイズ/15パーフォレーションの大判フィルムを使用する専用システムで、通常の35mmフィルムと比べて約10倍、18Kを超える水平解像度を持つとされている。

使用されたIMAXフィルムカメラ
©2018 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

IMAXフィルムカメラは大判フィルムを活かした高画質映像が撮影できる反面、台数が少なく、機材のレンタルやフィルム・現像代も高額。またフィルム上映できる劇場も世界に数十シアターしか残っていないため、「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」('11年)や「ダークナイト・ライジング」('12年)、「インターステラー」('14年)、「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」('15年)など、限られた作品にしか使われていない。日本国内では、1.43:1シーンを含むIMAX新作映画は'17年公開の戦争映画「ダンケルク」以来となる。

「ファースト・マン」©Universal Pictures

チャゼル監督とサンドグレン撮影監督は、アームストロング船長がハシゴを下りて月面に着地するシーンやアポロ11号の乗組員たちが月面歩行するシーンなど、月面上の撮影パートにIMAXフィルムカメラを使用した。

真空の月面世界や空に広がる漆黒の宇宙を、粒子が細かく高精細・大判のフィルムフォーマットで撮影することで広大なスケール感と臨場感を演出。加えて、当時アームストロング船長らが月面でスチル写真に使用した際に使ったものと同じ型のハッセルブラッドレンズを使用。チャゼル監督は「IMAXにより、月面の粛然とした感覚がより強調され、月面に降り立つ瞬間の感動を体感できる」と語っている。

監督を務めたデイミアン・チャゼル

IMAXフィルムカメラで撮影された月面シーンを広い画角で上映するのは、109シネマズやTOHOシネマズ、ユナイテッドシネマ、シネマサンシャインなどに導入されているIMAX劇場('19年2月現在で全国31スクリーン)に限られる。

IMAX以外の一般劇場では全編シネスコサイズ(2.39:1)での上映となるが、IMAX劇場では月面シーンに限り、シネスコ比で26%増のIMAXデジタルサイズ(1.90:1)、大阪エキスポシティのIMAX劇場では40%増のIMAXフィルムサイズ(1.43:1)で上映される。

1.43:1のスクリーンを導入するのは、国内では大阪エキスポシティのIMAX劇場1カ所のみのため、IMAXフィルムカメラで撮影された画角をフルサイズで鑑賞するには、大阪まで足を運ぶしか無い。

シネスコ(2.39:1)とIMAXデジタル(1.90:1)の比較。青い枠がシネスコ。通常の劇場では、IMAXシーンの上下がカットされる

「ファースト・マン」の月面シーンは、本編後半のごく限られた時間に限られる。しかし映像にこだわる方はIMAX劇場で、そして可能であれば横26×縦18mの巨大スクリーン/デュアル4Kレーザープロジェクター/12chサラウンドシステムを導入する大阪エキスポシティのIMAX劇場で鑑賞することをオススメする。

家族との会話シーンや宇宙船の中など、エモーショナルなシーンには粒子が粗い16mmフォルムを使用
NASAで訓練などを行なっているシーンには、コントラストを強めるため35mmフィルムを使ったという
©Universal Pictures

映画「ファースト・マン」

公開日:2019年2月8日(金)全国ロードショー
監督/製作:デイミアン・チャゼル(「ラ・ラ・ランド」「セッション」)
出演:ライアン・ゴズリング(「ラ・ラ・ランド」「ブレードランナー 2049」)、クレア・フォイ(「蜘蛛の巣を払う女」)、カイル・チャンドラー(「キャロル」)ほか
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、アダム・メリムズ、ショジュ・シンガー
脚本:ジョシュ・シンガー(「スポット・ライト 世紀のスクープ」「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」)
音楽:ジャスティン・ハーウィッツ(「セッション」「ラ・ラ・ランド」)
原作:「ファーストマン:ニール・アームストロングの人生」 著/ジェイムズ・R・ハンセン
配給:東宝東和

あらすじ

空軍でテストパイロットを務めるニール・アームストロングは仕事に集中できずにいた。まだ幼い娘のカレンが、重い病と闘っているのだ。妻のジャネットと懸命に看病するが、ニールの願いもかなわずカレンは逝ってしまう。いつも感情を表に出さないニールは妻の前でも涙一つ見せなかったが、一人になるとこらえきれずむせび泣く。悲しみから逃れるように、ニールはNASAのジェミニ計画の宇宙飛行士に応募する……。

『ファースト・マン』本予告映像
『ファースト・マン』IMAX 特別映像
『ファースト・マン』IMAX® Behind the Frame

阿部邦弘