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IMAX、次世代フィルムカメラの開発発表。2023年後半投入

カナダのIMAX社は17日(米国時間)、より静かな設計と使いやすさを向上させた“次世代IMAXフィルムカメラ”の開発を発表した。コダック、パナビジョン、フォトケムと協力し、今後2年間で少なくとも4台の新しいIMAXフィルムカメラを開発・展開し、稼働するフィルムカメラを50%増加させる。次世代カメラは2023年後半までに使用できることを目指す。

IMAXではすでに、映画監督のジョーダン・ピールやクリストファー・ノーランなど、世界の優秀な映画制作者や撮影監督らと協力し、プロトタイプの新しい仕様や機能を特定しているという。

次世代のIMAXフィルムカメラで検討されている新機能および改善された機能としては、より静かな設計と使いやすさの向上など。また既存のIMAXフィルムカメラとレンズのシステムも、プログラムの一環として大幅なアップグレードを行なう。

次世代カメラの開発に協力するコダックは、技術サポートと65mmフィルムストックの製造を強化。パナビジョンは、新たなツールやカメラの技術サポートを提供するとともに、今後も世界中のIMAXカメラプロダクションにサービス・メンテナンスのグローバルネットワークを提供する。さらにフォトケムは、IMAXカメラおよびポストプロダクション部門と協力し、プロダクションワークフローを改善。ラボおよびポストサービスを調整する。

IMAXフィルムカメラは、65mm/15パーフォレーションの大型フィルムを水平方向に走らせることで、一般的なフィルムカメラよりも広大(1.43:1アスペクト比)かつ情報量の多い画像を記録できるのが特徴。1971年の作品「North of Superior」以来、主にドキュメンタリー映画製作などで活用。これまで、エベレスト山の頂上や宇宙空間などの撮影にも使用されてきた。

また2008年には、ハリウッドタイトルとして初めて映画「ダークナイト」が一部シーンでIMAXフィルムカメラを使用。以降も、「スターウォーズ/フォースの覚醒」(2015)や「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」(2021)などの大型タイトルで利用されている。

なお、現行のIMAXフィルムカメラを使用した主なハリウッド作品としては、2022年7月22日米国公開予定のジョーダン・ピール監督作「Nope(原題)」や、2023年公開予定のクリストファー・ノーラン監督作「Oppenheimer(原題)」が控えている。