プレイバック2022

PCスピーカーを買い替えるはずが、48型テレビを買っていた by 編集部:酒井

5月末に購入した48型4K有機ELテレビ「OLED48C1PJB」

今年5月、ふとしたきっかけから、6畳の寝室兼自室の作業部屋にゲーム用としてLG製の48型4K有機ELテレビ「OLED48C1PJB」を導入した。本来は違うものを買い替える予定だったのだが、結果的には大正解。大画面でゲームを遊ぶと、「今まではゲームの魅力の半分も味わえていなかったんだな」と思い知らされた。

経年劣化でボロボロになっていた「SRS-D211」の端子部

購入のきっかけは、ゲーム専用にしていた27型PCディスプレイと組み合わせていたソニー製2.1chアクティブスピーカー「SRS-D211」から、ある日「ジリジリッ」というノイズが聴こえてきたこと。ちなみに、このディスプレイはPCとは接続しておらず、“ゲーム専用”としてPS5やXbox、Nintendo Switchなどなど家庭用ゲーム機とだけ繋いでいた。

ノイズの原因を探っていくと、ディスプレイと接続しているステレオミニ端子周辺の被膜が経年劣化でボロボロになっていることが分かった。正確な購入時期は覚えていないが、2010年頃にはすでに自室にあったと記憶しているので、少なくとも12年は使っていたこと、直射日光が当たりやすい場所に置いていたことが要因だと思う。

ここまでならスピーカーを新調するだけで済む話だが、SRS-D211はすでに生産終了。2.1chで性能が良いPCスピーカーを探してみたが、なかなか自分の好みにピタリと来るものが見当たらない。それならばとサウンドバーも検討してみたが、接続先のPCディスプレイは、HDMI ARCやeARCに非対応なので、こちらも選択肢が限られる状況だった。

本格的なオーディオスピーカーの導入なども含め、いろいろと頭を悩ませているとき、ふと「接続先がテレビだったら、話は簡単なのに……」という考えが頭をよぎった。

試しに設置場所の横幅を測ってみると、幅110cmまでなら左右に少し余裕を持ってテレビが置ける。そして、110cmもあれば48型までならテレビを置けることが分かってしまったので、「それならテレビ買っちゃおうか」と思考がスイッチした。

購入機種は2021年に掲載した弊誌連載「西川善司の大画面☆マニア」第260回なども参考にして、2021年発売のLG製4K有機ELテレビ「OLED48C1PJB」に決めた。主な理由は、リビングのテレビが液晶なので、この6畳間には有機ELテレビを置きたかったこと、ゲームが主な用途なので、HDMI 2.1などの端子周り、ALLM、VRRなどの機能周りを重視したこと、そして予算15万円以内に収まること。基本的に、このテレビでは地上波などはほとんど観ないので、画質や音質にはあまりこだわらなかった。

ちなみにAmazonで購入したのだが、毎日チェックしていると結構な頻度で値段が上下していることに気がついた。筆者が最初にチェックした3~4月頃は13万円以下だったのだが、5月に入ると予算を超える15万円台まで高騰。「タイミングを逃した……」と頭を抱えたが、5月末にふたたび値下がり。13万4,800円まで値が下がってきたところで我慢できなくなり、カートに入れた。ちなみに、12月23日時点のAmazon販売価格は11万8,481円だった。

「OLED48C1PJB」導入前のゲーム環境。LGの27型ディスプレイ「27UL600-W」に「SRS-D211」を組み合わせていた
「OLED48C1PJB」導入後のゲーム環境

というわけで、6畳しかない部屋に48型の4K有機ELテレビを迎えることに。実際に設置してみると左右に余裕はあまりなく、PS5の置き場所がかなりギリギリになったものの、4K+48型+有機ELの大迫力・高画質で遊ぶ「グランツーリスモ7」や「DEATH STRANDING」、「ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク」などは格別。グランツーリスモ7では、現実世界と同じようにトンネル出口で太陽の日差しがキツく感じられるし、DEATH STRANDINGでは広がる絶景を堪能したくて、今まで以上に脇道に歩を進めてしまう。

特にDEATH STRANDINGは、一度クリアしているにも関わらず、48型4K有機ELテレビで改めて遊ぶと、広大な大地の緑や頭上に広がる空の色、雨水に濡れた草木の表現などが27型ディスプレイとはまったくの別物。見える世界がまったく違うので、「今までは、ゲームの魅力の半分も楽しめていなかったのか」と感じてしまうほどの衝撃的な体験を味わった。

現在はサウンドバー設置も念頭に、テレビ台を使ってかさ上げしてある

一方で、筆者の体質も影響していると思うが、画面が大きくなった分、FPSゲームは以前よりも酔いやすくなったように思う。先日発売された「Call of Duty: Modern Warfare II」も、かなりこまめに休憩を挟みながらストーリーモードをクリアした。

ただ、筆者はApex Legendsのような対戦型FPSよりも、Call of Dutyのようにオフライン/ストーリーモードが充実しているFPS、あるいは友人と協力プレイができるFPSが好みなので、こまめな休憩と視点感度を下げるといった調整で対応できている。

「OLED48C1PJB」の不満点を挙げるとすれば、内蔵スピーカーの音質と、地上波を見ているときの画質のイマイチさ。基本的にゲームプレイ中はヘッドフォンを着けているのだが、たまに内蔵スピーカーで遊ぶと、低音に迫力がないスカスカとした音に聴こえてしまう。ただ、eARC対応のHDMIが搭載されているので、PCディスプレイのときと比べるとサウンドバーなど、音質向上の手段は格段に増えている。

地上波については、この6畳間ではあまり観ることがないので、そもそもテレビ自体にアンテナ線を繋いでいない。たまにバラエティ番組や音楽番組を観るときは、nasne(PS5のtorneアプリ)経由で視聴しているが、映像モード「あざやか」ではフレーム補間などが効きすぎている印象で、画が妙にブレて見えてしまう。かと言って、モードを「標準」にすると、超解像処理が弱いのか、今度は画のザラつきが気になって仕方がないという状態だった。

ただ画質については、詳細設定から映像モードごとにシャープネス、超解像、スムーズグラデーションといった画質補正の強度を細かく設定できることに最近気づいたので、これらをうまく調整することで、映像のブレなどは気にならなくなった。

PCスピーカーの不調がきっかけで購入した4K有機ELテレビだったが、結果的に今年一番満足度が高い買い物で、どんなコンテンツも大画面で楽しむのがベストだという思いを新たにした。その一方で当初の目的だった“音周りの環境改善”がおざなりになった感は否めないが……。

とにかく、この年末年始はゲーム序盤で心が折れて中断している「エルデンリング」を最初からやり直すか、あるいは先日新世代機向けアップデートが登場した「ウィッチャー3 ワイルドハント」をプレイするか、はたまたNetflixやPrime Videoで観たかった作品をじっくり楽しむか。いずれにせよ出不精っぷりを存分に発揮することになりそうだ。

酒井隆文