プレイバック2022

今年最後にワイヤレスリアのJBLサウンドバー「BAR 1000」を買った! by 野村ケンジ

BAR 1000

2022年はウィズコロナ時代の本格スタートといった体で、世の中が急激に動き出した印象だったものの、個人的には12月になってからコロナ禍の影響をもろに受け、年末の忙しい時期に半月も仕事にならないという、かなり辛い締めくくりとなってしまった。

この「1年を振り返る記事」も遅れてしまったのだが、遅れたついでに何かひとひねりを、と今年最後に到着した製品をピックアップすることに変更。それがJBLのサウンドバー「BAR 1000」だ。

こちら、先にクラウドファンディングで展開していたが、それを失念していた筆者は先日スタートした一般発売を待ってオーダー。運良く年内に入手できたので、年末年始を使って自宅テレビの前にでも設置しようと考えている。

そもそも、「BAR 1000」はその名を聴く前から大いに期待していた。というのも、2021年初春発売のDolby Atmos対応サウンドバー「BAR 5.0 MultiBeam」が作り上げる音場定位の明確さ、広がりの良さにいたく感動していたからだ。実際に購入を考えていたのだが、JBL独自のビームフォーミング(壁を使って音を反射させる)技術を投入したさらなる上級機種の登場するのでは、と想像していたのだ。

そして、待つこと1年半(開発に時間がかかった?)。満を持して登場した「BAR 1000」は、リアスピーカー部分が分離してリアル配置可能、しかも普段は合体した状態で使える(その際充電してくれる)という画期的なアイディアを持った製品だった。

BAR 1000

しかも、イネーブルドスピーカーの役割を果たす天井反射用スピーカーが搭載(本体に2つ、サラウンドユニットに各1つずつ)され、サブウーファーも250mm口径ユニットを搭載した別筐体がセットされている。いやはや、想像していたよりも格段に本格的で、テレビの音をちょっとよくしたいというレベルには収まらない製品となっていた。当然、値段も10万円を軽く上まわる高級クラスに位置づけされるものとなっていた。

リアスピーカー部分が分離してリアル配置可能
ワイヤレスリサブウーファーもセットになっている

さて、初志貫徹して「BAR 1000」を入手するか、あくまでも中型液晶テレビ用なので「BAR 5.0 MultiBeam」で妥協してしまおうか悩んだものの、実際の音を聴いて即決断。やっぱりリアル・リアスピーカーの存在は決定的で、前後の音移動はしっかりと再現してくれる。もともと「BAR 5.0 MultiBeam」も左右の広がりはとても良かったが、「BAR1000」ではさらに前後、そして上下へとスムーズな音場的広がりを持ち合わせている。一体型のサウンドバーではここまで前後にハッキリした音の移動は実現できない。加えて、Dolby Atmos作品が持つ上下への広がりをしっかりと表現できているのは嬉しいポイント。ということで、今回の入手へと相成った次第だ。

到着したばかりなので製品は設置前、仕事場のシアタールームでちょっとしたテストをしてみたが、それほど広くない空間でも試聴テストした際の印象とそれほど変わらず。もっと大きな空間(たとえば20畳くらいの広さ)に向いている製品だと思っていたので、意外な恩恵だった。逆にいえば、AVアンプを使った5.1.4chあたりのマルチスピーカーシステムに近い音場を作り上げてくれるので、8畳くらいまでの空間ではこれで充分かもと思えた。

なによりも、リアスピーカーが全くのケーブルレスであることは大きい。普通リアスピーカーは音声信号または電源ケーブルの接続が必要となるので、常設すると家族に邪魔だといわれる可能性が高く、かといって使うたびに設置するのは面倒極まりない。そんな使い勝手のよさも提供してくれる「BAR 1000」は、今後我が家でかなり重宝しそうだ。

話は変わるが、今年はアナログプレーヤーも2台購入している。ひとつはテクニクスの「SL12000M7L」、もうひとつはオーディオテクニカの「AT-SB2022サウンドバーカー」。全く方向性の違う製品だが、どちらも色は赤だったりする。これで我が家のアナログプレーヤーは過半数がレッドカラーとなった。来年は縦型とか新発売しないかな、と期待している今日この頃だ。

野村ケンジ

ヘッドフォンからホームシアター、カーオーディオまで、幅広いジャンルをフォローするAVライター。オーディオ専門誌からモノ誌、Web情報サイトまで、様々なメディアで執筆を行なうほか、TBSテレビ開運音楽堂「KAIUNセレクト」コーナーにアドバイザーとしてレギュラー出演したり、レインボータウンFMで月イチ番組のコーナー・パーソナリティを務めるなど、様々なメディアで活躍している。最も得意とするのはヘッドホン&イヤホン系で、年間300モデル以上の製品を10年以上にわたって試聴し続け、常に100製品以上を個人所有している。一方で、仕事場には100インチスクリーンと4Kプロジェクタによる6畳間「ミニマムシアター」を構築し、ステレオ用のプロフェッショナル向けTADとマルチチャンネル用、2系統のスピーカーを無理矢理同居させている。