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LGから“自由に曲げられる”4K有機ELテレビ。20段階で曲率調整

有機ELテレビ「LG OLED Flex(42LX3QPJA)」

LGエレクトロニクス・ジャパンは、平面から最大900Rまで、20段階で曲率を変えられる42型の有機ELテレビ「LG OLED Flex(型番:42LX3QPJA)」を、2023年1月18日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は44万円前後。12月1日から予約受付を開始している。

曲率20%にしたところ
曲率100%にしたところ

バックライトのない有機ELテレビだからこそ実現したデザインだといい、「画面の曲率や高さ、角度も画面サイズまで、自由に調整ができる全く新しいテレビ」と位置づける。

LGの曲面ディスプレイの歴史

発表に合わせて行なわれた説明会で、LGエレクトロニクス・ジャパンのMarketing Communication Part Leadrを務める植田景子氏は、「当社の有機ELテレビの始まりは、まさに曲面ディスプレイからでした。2013年に世界初で発売した55型有機ELテレビも曲面型でした。2015年、日本で初めて発売した有機ELテレビも、曲面型でした。当時、曲面型のテレビは新しい提案だったと言えたと思います」とLGの曲面型テレビの歴史を振り返った。

「とはいえ、曲面型の画面は正面から出ないと正しく見ることができないなど、ベストな視聴ポジションが限られているため、リビングに設置して家族全員で楽しむためには必ずしも、その良さを最大限発揮できるものとは言い難いものでした」

「その後、家庭用(テレビ)の主流はフラット型となり、曲面ディスプレイは一部のサイネージなどで活用されることになりましたが、今回LGは曲面型テレビに再度チャレンジいたします。いまだかつてない新しいライフスタイルを提案する、まったく新しいテレビの登場です」

家族や友人と映像を楽しむときは画面を平面にして、少し離れた場所から視聴し、ゲームなどを画面から近距離で楽しむときは、最大曲率900Rで没入感を味わうなど、視聴距離や設置場所、コンテンツにあわせて最適な視聴環境を構築できる。

平面ディスプレイの場合、中心とディスプレイの端までの距離が異なり、ユーザーは異なる距離を同時に見ることになるため、目のピントを合わせにくく、目が疲れやすいというデメリットがあるという。

それに対し、曲面ディスプレイではユーザーの位置からディスプレイの中心と端の視差を縮められるため、ディスプレイ全体に均一に焦点を合わせられ、目への負担を軽減できるとしている。

曲率は好みのものを保存することができる
曲率の変更はマジックリモコンに新搭載された「ゲーム」ボタンで行なう

曲率は5%刻みで変更可能で、好みの曲率を保存できる。あらかじめ設定すればで、平面のほかに3種類の曲率をボタンひとつで変更できる。

実際に曲率の変更を試してみたところ、操作してから1秒程度で画面が動き、変更はとてもスムーズだった。無音状態では「ウィーン」という動作音が気になったが、音を出しながらテレビやゲームを楽しんでいれば気にならない程度の音量だった。電源をオフにするとテレビは平面モードに移行、電源を入れると前回使用時の曲率に自動的に戻る機能も備えていた。

ゲーム画面を27型表示にしたところ
表示サイズは「ゲームダッシュボード」で変更できる

視聴環境や姿勢にあわせて、140mmの高さ調整が可能。10~-5度のチルト調整もできる。ゲームジャンルや好みによって、画面サイズを27型、32型、42型に変えてプレイできるほか、マルチビュー機能により2画面同時使用もできる。21:9のウルトラワイド表示にも対応する。

映り込み低減するSuper Anti Reflection(SAR)技術を採用

有機ELディスプレイは液晶と比べて「明るい部屋で見づらいという弱点があった」というが、LG OLED FlexではSuper Anti Reflection(SAR)技術を採用することで、映り込みを低減。「明るい部屋でも見やすくなった」とのこと。反射率は販売中のC2シリーズと比べて25%低減されたという。

高さ調整とチルトも可能

画面解像度は3,840×2,160ドット/4K。搭載チューナーはBS4K・110度CS 4K×2、地上/BS/110度CS×3。映像エンジンは「α9 Gen5 AI Processor 4K」で、AI 4KアップスケーリングやAI映像プロといった画質補正機能を利用可能。HDRはDolby Vision IQ、HDR10 Pro、HLGをサポートする。映像をなめらかにするOLED Motion、FILMMAKER MODEオートスタートなども備える。

映像エンジンは「α9 Gen5 AI Processor 4K」

4KのHFR(ハイフレームレート)に対応し、最大120Hzでの表示が可能。応答速度は0.1ms。プレイ環境やゲームジャンルに合わせて、画質・音質モードを自由に選択できる「ゲームオプティマイザ」も搭載した。クラドゲーム「GeForce NOW」も利用できるほか、「スイッチングハブ」で、ひとつのキーボードとマウスでテレビとPCを操作できる。

最大出力40W(フロント:2個/20W、ウーファー:2個/20W)のスピーカーを内蔵し、Dolby Atmosにも対応。AIサウンドプロによる音声調整機能、オートサウンドチューニングによる部屋に合わせた音場設定ができる。BluetoothやWiSA 2.1chにも対応した。

リビングルームでの設置イメージ
デスクトップでの設置イメージ

本体には、スピーカーから聞こえるゲーム背景音を小さくし、ボイスチャットの声を明瞭に伝えるエコーキャンセングマイクも搭載するため、ゲーム用ヘッドセットがなくてもボイスチャットが利用できる。

背面パネルを外すと、端子類にアクセスできる

入力はHDMI 2.1が4系統。光デジタル音声出力、ヘッドフォン出力も1基ずつ備える。LAN端子やUSB 2.0×3も備え、外付けHDDを接続した録画・裏番組録画ができる。4系統あるHDMI端子のうち、HDMI 2のみeARCに対応する。

側面

OSにはwebOSを採用し、音声検索やスクリーンシェア、AirPlay 2なども利用できる。Wi-Fi6も搭載。

背面にLEDライトを搭載
ライティングパターンの選択画面

筐体背面にはカラフルな色再現が可能なLEDライトを搭載した。ライトの発光パターンは、ゲームプレイ時に映像にあわせて光る「映像同期モード」、サウンドに合わせて光る「サウンド同期モード」のほか、ゲーム以外でも利用でき、映像に関係なく演出する「ダイナミックモード」と「ピースフルモード」、気分や雰囲気にあわせて好みの色を点灯できる「固定モード」を選択でき、ライティングをオフにすることもできる。

消費電力は207Wで、年間消費電力量は141kWh/年。スタンド含めた外形寸法は937×297×614~754mm(幅×奥行き×高さ)、重さは22.6kg。なお、スタンド部は取り外し不可。壁掛けもできない。マジックリモコンやUSBケーブルなどが付属する。

付属のマジックリモコン
LGの“自由に曲げられる”有機ELテレビ